超・豆アジ専用フック開発快調!知多半島のアジングの必須アイテム!?<Hideさん編>【サーティフォー・超現場主義#04】



アジングなどのライトタックルを使ったルアーフィッシングのパイオニアメーカーとして知られるサーティフォー。ご存知、アジングの達人「家邊克己」さんが代表を勤め、日々の経験からまさしく現場主義なアイテムを送り出すことで知られているブランドです。そんなサーティフォーが、各地のフィールドテスターの意見をまとめあげ、開発に取り組んでいるのが「超・豆アジ用フック」。その開発の様子を赤裸々に公開することで、このメーカーの物作りのこだわりをご覧いただければと思います。



日本全国に散らばるテスターの個性を融合させよ!

ルアマガプラスでは「サーティフォー超現場主義」と銘打ち、記事連載を重ねて来ました。超豆アジというニッチなアジングのジャンルのタックル数点(フックとロッド)に、ここまで時間をかけて開発しているのかと読者の皆さんも驚かれたことだと思います。ちなみに、この開発中のフック、最初に構想を聞いてから既に1年近い年月がたっています。

生ばりを曲げて、フックの形を作り出し、いくつもいくつもテストしていく。

連載1回目ではサーティフォーのフィールドインストラクターで、石川県で活躍するタイキさんによる超豆アジへのこだわりを紹介しました。3回目は激戦区兵庫県で研鑽するまえやんさんによるテスト風景をご紹介しました。

今回の4回目は、兵庫と同じ激戦区として知られる愛知県知多半島で、この豆アジフックの開発に携わる同社フィールドインストラクターであるhideさんの超・豆アジフックへのこだわりをご紹介することで、このフックがより多角的な知見から開発が進められていることをお伝えできればと思います。

実は、石川県のタイキさんと、まえやんの超・豆アジフックや平行して開発している超・豆アジ用ロッドに対するコンセプトは比較的近似していました。

専用ロッドは4ft6in。1ピース。現在もサンプルが重ねられてテスト中(写真はタイキさん取材時)

10cm以下のアジを釣るのを目的としたフック形状を目指す。ただ単純に釣れるではなく、現存するフックの中でもより、特化した性能を持たすこと。ということでした。タイキさんもまえやんも、そこは口を揃えて語っていました。簡単に言えば、機能的に一番いいものを作るというコンセプトです。

付随して開発中の超・豆アジ専用ロッドも、狙っているターゲットサイズのアジを掛けて楽しめる釣り味、そしてロッドとしての操作感を求める方向で一致していました。こちらは、今回紹介するhideさんも考え方としては同じベクトルを向いていました。





知多のhideさんの求める超・豆アジフックとしての性能

hide「僕がメインフィールドにしている知多も、確かに超がつく豆アジが多くなり、それをしっかりとフッキングさせ、釣り上げるフックはどうしても必要になります。特に夏場から秋口にかけては、まさに10cm以下のサイズがメインターゲットです」

仲間たちと通い慣れた海で、テスト。hideさんは知多の海の特徴的な傾向があると感じているようだ。

ということは、石川のタイキさんと、兵庫のまえやんさんと目指すところは一緒ということでしょうか?

hide「はい。ただ、ちょっと知多の特性というか、フィールドの状況所以なのか、超豆アジ以外のサイズがターゲットになっているときも、今作っているような10cmアンダーを狙うためのフックや、それをそれを使いこなすタックルが必要だと感じているんです」

取材時、状況は渋かったがテストフックとロッドを駆使して豆アジを釣り上げて行くhideさん。

興味深いですね。フィールドの特性ですか?

hide「知多をはじめ、伊勢湾、三河湾のフィールドは餌となっているプランクトンが多いこともあってか、やや水が濁り気味なんですよね。そんな状況だからなのか、他のエリアに比べて、吸い込むバイトが浅いというか….。あくまでも感覚的なものなんですが。ちょっとアジのバイトの質が違うように感じるのです」

水の透明度….。つまり環境の違いによるアジのバイトの違いというとでしょうか?

hide「なので、10cmを超えるようなアジも、バイトの質が繊細なんですよね。他のフィールドよりも、吸い込みが浅いと言うか。それをしっかりと獲るために、今までも、既存の豆アジ用フックを使用して釣りをしてきました。

ある意味、今回の超・豆アジ用のフックはメインのターゲットとしている10cm以下もそうですが、環境によってバイトが繊細というか、フッキングしにくいような場所でのアジングに威力を発揮するのではと考えているんです。その辺の検証も同時に進めている最中と言えます」

サーティフォーのザ豆。15cm前後の豆アジを釣るための専用フック。ちなみに今作ってるのは再三語っているが、10cm以下の極小サイズを捉えられる仕様のフックだ。

その話を聞いていた家邊さんが意見。

家邊「アジのバイトの原理そのものに、地域性はないんじゃないかと僕は経験的には考えてるんですが。hideの言う、地域の水質というか環境によってその差が生まれているのか。そうでないのかは、やっぱり現場で確認していくしかないね。やっぱり答えは海にあるんですよ(笑)」

各地に散らばるインストラクター。全国を釣り歩く家邊さん。それぞれのアングラーが経験に基づいて自由に発言でき、そして検証される。これがサーティフォーの物作り。

そして、それを加味して作ったアイテムで実釣し、製品としてのネガティブファクターをひとつひとつ取り除いていく途方もない作業を怠らない。

家邊さんの意見と、ロコの意見が食い違うことも稀では無い。家邊さんにしても頭ごなしに否定するのではなく、それを検証していく過程をとる。

家邊「超・豆アジフックに関しては秋口まではしっかりと釣りを重ねて、正解を突き詰めていきます。そして、なんとか来年の春には答えはだしていきたいですね。それまで、もう少しお待ちください」

取材時には石川のレディーススタッフのみぃさんも訪れ、知多というフィールドのアジング体験。

石川県、兵庫県、愛知県と異なるフィールドの異なるテスターによって、じっくりと煮込まれた、超豆アジを攻略するためのフック。そして同時進行で開発が進められるロッド。サーティフォーの徹底した現場主義は、まだまだこれからも続いてきます。