鹿児島のシーバスエキスパート、上宮則幸さんはベイトタックルを駆使してターゲットを追う。そこには趣向性もあるが、機能面でも多大なメリットがあるという。そんな上宮さんが愛用し、サポート受けるベイトキャスティングロッド専門メーカー「Fishman(フィッシュマン)」のロッドを徹底解説!
解説して頂くのはベイトタックルシーバスの新たな世界を切り開く九州の雄
前回のおさらいはコチラ⇩⇩上宮さんのベイトタックルへのこだわりを解説
今回は上宮さんが愛用する「Fishman(フィッシュマン)」のベイトキャスティングロッド3本を徹底解説します。
フィールドの規模に合わせて3つのロッドを使い分ける
上宮「フィールドの規模によって3セットを使い分けています。共通項は、投げやすさとモンスターと対峙できる強さです」
タックルデータ
右●ロッド:ブリスト ベンダバール10.1Mプロト(フィッシュマン)●リール:ジリオンTW HD 1520SHL(DAIWA)●ライン:PEレジェンシェラー1.5号●リーダー:耐摩耗ショックリーダー7号(以上山豊テグス)
中央●ロッド:ブリスト ベンダバール8.9M(フィッシュマン)●リール:スティーズA TW 1016SHL(DAIWA)●ライン:PEストロング8 1.5号●リーダー:耐摩耗リーダー5~7号(以上山豊テグス)
左●ビームス リプラウト7.8ML(フィッシュマン)●リール:ジリオンSV TW 1016SV-SHL(DAIWA)●ライン:ショアジギングPE1.2号●リーダー:耐摩耗ショックリーダー5号(以上山豊テグス)
上宮「リプラウト7.8ML(タックル写真左)は、自分は主に川幅10~30mの小規模河川で使用。近距離のハイアキュラシーキャストで、大きい魚を獲るためのロッドです。自分はこのサオで、7gのトップウォーターから70gのビッグベイトまで使う。小規模河川や中・上流域のオールラウンダーです」
サブネームである「KIMOTSUKI spec」は上宮さんのホームフィールドである肝属川のこと。鹿児島の一級河川でランカーシーバスも多いこのフィールドで磨き上げられたロッドである。
上宮「ベンダバール8.9M(タックル写真中央)は、パワーがあってルアーウェイトが7~45gと幅広い、汎用性の高いモデル。河口から中流域でオールラウンドに使えます。秋のシンキングペンシルを漂わせる釣りにもばっちりハマります」
上宮「ベンダバール10.1M(タックル写真右)は、来年発売予定。大規模河川などの大場所用で、ベンダバール8.9Mでは届かない沖のブレイクが狙えます。8.9Mより若干パリッと張りがあり、レングスもあるので流れの中でラインメンディングが行いやすい。裏メニューで1ozのテキサスリグを使いロックフィッシュが狙えます。それくらい感度も良いです」
ロッドがきれいに曲がるから飛距離も精度も出る
広大なシャローでベンダバール10.1Mを使いフルキャスト。
上宮「ロッドがきれいに曲がるから、ルアーのウェイトを乗せて楽に振り抜けます。曲がる分、リリースポイントがつかみやすく、飛距離も精度も出しやすいです」
細部までランカーハンティング仕様
ティップのガイドリング径は大きめで、ランカー狙いの太リーダーに対応。結び目を巻き込んでも抜けが良い設計になっている。
しなやかさと強さが同居するティップ
上宮「こんなこともできるんです。ほかのサオではマネしないでくださいね(笑)」
見せてくれたのが、リプラウト7.8MLのティップS字曲げ。
上宮「カーボン素材で、しなやかだけどこれだけ強い。軟らかくてもダルさはなく、キャストでバシッと振り抜いてもティップのブレがすぐに収まる。ブレないからバックラッシュを防げます」
イメージどおりの弾道で理想のゲームを追求
巻く力が強く、太めのラインがトラブルなく扱える。ロッドがきれいに曲がれば、遠投も高精度キャストも可能。ベイトタックルは、まさにランカーハンティングにぴったりだ。
上宮「もう一つつけ加えるなら、『キャスティングを楽しむ』ということですね。基本的に自分が使うロッドはきれいに曲がります。キャストでループを調整してイメージどおり弾道を描けます」
ループというのは、キャスト時のロッドのしなり?
上宮「そうです。ナローループでピンスポットを狙ったり、ワイドループで大遠投したり、アングラーが意図する弾道を描きやすい。曲がるから、力まなくてもロッドが自然にルアーを運んでくれる感じです」
高精度キャストはティップからベリーを曲げるナローループ
上宮「近距離のピン撃ちは、ロッドを大きく振らずにキャスト。サイドハンドなら低弾道でオーバーハングの下やレイダウンの隙間に撃ち込めます」
ロングキャストはロッド全体を曲げるワイドループ
上宮「遠投するときはロッド全体にルアーのウェイトを乗せ、バットまで曲げるイメージで振り抜きます」。写真のように引き手を効かせてバットを押し出すように振り抜けば、ワイドループが引き出せる。
確かに実釣で見せていただいたように、ピンスポットに高精度キャストがポンポン決まると気持ち良いですね!?
上宮「狙ったところに決まるから、釣果に対する期待感も高まりますよね。実際に良いところに入るから大きい魚が釣れる。趣味と実益を兼ねたキャストです(笑)」
趣向性に目を向けても、ベイトタックルは人と違うスタイルでクールですね!?
上宮「とくにフィッシュマンのロッドは、オールドタックル調で趣があります。これはデザインを凝っただけでなく、実用面での機能も持ちあわせています。スタイルにも釣果にもこだわって釣りを嗜むアングラーに使ってほしいです」
投げやすさと強さを追求したこだわりの3ピース
上宮さんが使うロッドは、すべて3ピース。
上宮「2ピースは曲げて負荷がかかるところにジョイントがある。3ピースはそこを避けられるので頑丈です。あと各セクションごとに適材適所の素材が使えて理想の調子が出しやすく、キャストしやすいロッドができる。もちろん携行性も高いです。ヤブ漕ぎをするときにも便利。ただし継ぎが多い分、ジョイントの緩みの確認は定期的に行ってください」
凝ったデザインに隠された優れた機能
上宮「例えばアルミ削り出しフォアナットは、フット形状が微妙に異なる各社のベイトリールをしっかり固定できます。強引なファイトをしてもリールのガタつきを防ぎます。木目調のリールシートはマットコートで、キャスト時にスプールから出る水飛沫で濡れても滑りにくい処理が施されています」
上宮さんがベンダバール10.1Mで仕留めたグッドコンディションのシーバス。
上宮「スタイルにも釣果にもこだわって釣りを嗜むアングラーに使ってほしい。ベイトタックルならではのキャストとファイトを楽しんでください!」
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