トッププロもこぞってコレしかないという色がある。たとえばアベンタクローラーRSのブラックレイブン。ハネまでつや消し黒、マットブラックのユニークなカラーだ。魔的ともいえるアベンタRSの釣れっぷりだが、専属スタッフも入手できないという格別な色。じゃあ、シロウトでも塗ってしまえ!とトライしてみた。教えてくれたのは伊藤雄大さん。吊るしでの使用が多いバス釣りのルアーだが、これなら入門者でもカンタンに塗れる!?
まずは用意するモノと下準備
アベンタクローラーRSを塗るために、まずはスプリットリング&フックを外す。のちにオススメのスプリットリングとトレブルフックに換装します。ざっくりとした作業は、以下の通り。
●下地を吹く
●薄めに塗料を吹く
●乾いたのち、たっぷりと2度塗り
ここで、伊藤さんから鉄のアドバイス
「塗料は安い方! シリコン入りはNG!」
最近は塗料のクオリティも上がって、仕上がりのよいシリコンが配合されているようなのだが、それがNGだという。なぜなら、シリコン入りは釣りでの使用だと割れたり、剥がれやすいとのこと。安いラッカー塗料は、食いつきがよく、ぶつけてもなんとか持ちこたえてくれるそうだ。
伊藤「塗料はホームセンターで買ってます。高級なのはシリコン配合だか堅牢な皮膜がパキッと割れる現象につながりやすい。実はシリコン入ってないほうがぶつける前提のルアーとしては使いやすい」。
その塗料の食いつきを向上してくれるのが、下塗りだ。
さあ塗料を吹いてみる
換気の問題もあるので、外で作業してみることに。段ボール箱で塗装スペースを作って、そこで完結させる目論みだ。箱の中にワイヤーハンガーを切ったものを渡して、そこに吊す算段だ。直接は吊せないので、ゼムクリップを半伸ばししてアイに装着。フロントとリアにつけて、持ち替えて全面塗っていく。クリップにも塗料が掛かるので、使い捨てのビニール手袋を付けて作業していった。風向きや土ボコリにも気をつけたいところ。また、湿度が高すぎるのも塗りには良くないらしい。
こんな単純な塗りでも、やってみると面白い。均一に、全ての面を塗るためにゼムクリップを半伸ばしした「持ち手」をラインアイとリアのフックアイに装着したが、クリップにもやっぱり塗料がかかってしまった。仕上がりをくまなくチェックしてみると、ハネのサイド、1ミリくらいのところが塗り残されていた。一度目は薄めに塗るという教えを守り放置。真夏で5〜10分、冬で20〜30分ほど放置。
塗装は完成! 仕上げは…まあ及第点!?
小さい頃もマットブラックでプラモデルを塗るとその質感に魅了されたものだが、やはりオッサンになってもグっときます…! なかなか上手く塗れた模様。でも懸案だったハネの厚み部分が上手く塗れてなかったり。補修のように部分的に3度目の塗りをしたのだけれど、ツメが甘かった。まあでも、おおむね良い感じ。ハネの部分は塗りの厚みが邪魔する分、開閉がもたつくけれど使っていく内にこなれそう
スプリットリング&フックチューン!
伊藤さんはピアストレブル(リューギ)の3番を指名。TCコートされた刺さり抜群のトレブルフックだ。また、よりフックアップするよう、スプリットリングを2連にしている。三原プロの記事でも2連にしていたし、伊藤さんはナマズ釣りなどで日常的に2連チューンをしている。指定銘柄のスプリットリングが入手できなかったので同サイズのもので対応。
伊藤さんはこのマットブラック仕様のアベンタRSを何個も作って、神仕様(仕上がり&釣果が神レベルの産物)をボックスの中でも特別室に入れて大事に使っている。H-1グランプリでも結果を出しているし、ルアーマガジンの取材でもサイトで51センチを釣り上げるなど、その威力は凄まじい。元来、冬でも釣れるアベンタRS、今からでもマットブラック仕様にして釣ってみてはいかがでしょうか!