ルアマガプラスでも、注目中の魚の仕立て革命、「究極の血抜き・津本式」。道具がないと試せない複雑なものだと思ってない? 実は100円均一で販売されてる洗浄ボトルで、お試し可能だった! 津本さんから習ったことを元にやってみたよ!
アジで成功したので、手順を公開してみる。
先日、取材で釣ってきたアジを、話題の究極の血抜き・津本式で仕立ててみたくなった小生。専用道具はほとんどないんですが、100円均一のとある道具だけで、仕立て成功。幸い、津本式のマニュアル本を編集中ということで、理論理屈を急速に取得中ということもあったんですが、うまくいきました。
実は津本さんの血抜きのためには、いくつかのキーとなる道具が必要になってきます。特にホースと特殊ノズル。が、コレ、津本さんが魚屋として効率の良い作業をする上で、仕事として必要不可欠なだけで、家庭でサンマ、アジサイズの魚、数尾程度を仕立てるのに絶対に必要なものじゃないんですね。
あったほうが、絶対的に簡単で完璧には仕上げられますが!
んでもって、「津本式、津本式って騒ぐけど、ほんまに効果あるかわからない事に、器具、道具揃えられるかぁ!」なんて人もいるでしょう。
それならば、理屈理論に基づいて、お試し津本式、もとい究極の血抜き簡易版やってみます? うわさの熟成魚トライは怖くとも、血抜きの効果は知りたくありませんか?
用意すべきものは、1点。あとは何らかで代用できます!
はい!まず、100円ショップで丸型洗浄瓶を入手。あとはアジなりサンマをスーパーでご用意あれ!
まずはエラ切りと言うか、正確には、エラの膜を破りつつ、魚の背骨、腹側に沿う大動脈を切ります。背骨に刃をあてて、スッと切るだけ。魚の構造はほぼ同じなので、スズキの写真で、わかりやすく解説します。
ナイフや刃物で穴が空いた。つまり、魚の大動脈が開かれた状態が上の写真です。この穴が大事。穴を大きくしすぎても、ただエラを切るだけでもダメ。大動脈を確実に切ることが大事かと思います。
これは、後からやる水圧処理を効果的に行うための理屈です。
ちなみに、究極の血抜きのすごいのは、死んだ魚でもかなりの血抜き効果があること。つまりスーパーの魚でもできること。
水圧を利用して凝固しかけの血や、溜まってる血を洗い流せるからなんですね! 凄いぞ津本式! ちなみにこれは真水でやることが条件です。
次はシッポを切断します。津本さんは、シッポを残す切り方をしますが、ご家庭ではバッサリやっても大丈夫。尻尾があったほうが商品価値が高くなるから、津本さんは仕事として残してらっしゃいます。
なぜ、シッポを切るの?
はい、後ほどエラから開かれた大動脈に水圧を掛けて血抜きをするのですが、その水圧により血が抜ける道を作る作業なんですね。
単純にエラから繋がる魚の大動脈は、シッポの背骨のお腹側から一直線にシッポまで繋がっているからです。
次は、丸型洗浄瓶のノズルの先を先程、包丁で開きました大動脈にヌルッとツッコミまして、水を入れた、洗浄瓶で一気に水圧をかけます。大動脈の管にジャストフィットすればベストですが、多少ズレても気にせず水圧洗浄開始! 漏れた水が内臓を圧迫することもありますが、気にせず洗浄!
上手くいってると、尻尾に露出した大動脈から血がピュー。これが確認できれば、サンマサイズならほぼほぼ大成功です。
有名な津本式の血抜き、尻尾からノズルで水入れる作業はやらないの? あ、今回はやりません。魚のサイズも小さいので、エラからの水圧洗浄のみで終了です。
津本さんも大事なのは、エラからの血抜きだと再三おっしゃってます。
あとは、津本さんのYouTube動画の通り、エラ、内臓を取って立てかけ。『立てかけ』は大事な作業で、血抜きと、水抜きを完成させます。サンマサイズなら20分も頭を下にして、放置しておけばよいでしょう。
今日、明日食べるなら内臓残しでもよいかもしれません。ウチはサンマの内臓を食べる食文化がないので処理しました。
ついでに2、3日は内臓を抜けば確実に寝かせられるので、寝かせることにしました。
寝かせ方は、キッチンペーパーにサンマを包み、ジップロックにイン。ストローやホースで空気をなるべく抜いて、真空に近い状態にします。津本さんの手順ではこの後、冷水に浸して保存推奨ですが、うちの狭い冷蔵庫では億劫ですので、温度変化の少ない冷蔵庫の奥に安置することで代用します。
これだけの処理で、サカナの生臭さが見事に消えます! 鮮度の良い状態で魚本来のイノシン酸の旨味を味わうも良し! 魚を寝かせて第二の旨味を立ち上げるのも良し! なんの話かって? そちらは書籍で詳しく解説します。
とりあえず、お試し究極の血抜きで、魚の生臭さは簡単に無くせますので試してみて〜。長期の寝かせは自己責任やけど、寝かせると焼き魚がメチャうまくなるよー。