連載第1回目となるショアジギング編で辛酸を舐めたぶんちゃん……。「次こそは!」と、意気込むも、苦手とするタイラバが今回のテーマと知り、第1回目の厳しい釣行が脳裏をよぎります……。そこに現れたのが、理論派タイラバアングラー田中亜衣先生! 「ぶんちゃん! なにビビってんの!? 私に任せとき!」
果たして、ぶんちゃんは、タイラバイップスを克服し、見事マダイをキャッチできるのでしょうか!?
【講師】
田中亜衣(たなか・あい)
元々は、バスフィッシングにハマっていたが、加太のマダイ釣りに魅了され、気づけばマダイ釣りのためにマイボートまで所有するほどに。潮流を読み、理詰めでターゲットを追い詰めるゲーム展開を得意とする。
そもそも、ぶんちゃんはなぜ、タイラバが苦手なの?
ところで、つねにポジティブなぶんちゃん、どうしてそんなにタイラバに苦手意識を持っちゃったんでしょうか? 話しを聞いてみると、それはどうやら、過去の経験が影響しているようです……。
ぶん「これまで、ほぼ関東でタイラバをやってきたんだけど、いつも状況が悪くて、1日やって1枚出るか、出ないかというシビアな展開ばっかりで…。撮影でなかなか釣れないと、ホントみんなに申し訳なくて、そのツライ思いがよみがえってくるんですよ…」
亜衣「ぶんちゃん、めちゃめちゃ弱気やん! これはかなり重症やね……。でも大丈夫! 今回は、ごはん食べるヒマないくらい釣れることを保証するわ! これまで、大分(編注:今回の実釣フィールド)で外したことないねん、私! 1日やって4~5枚やったら“ああ、今日は調子悪かったなぁ”って言うくらい、よく釣れるフィールドやから安心して!」
船長「そろそろ出ますよ~! 釣り場まで1時間ほど走るから、中で寝ててくださいね」
ぶん&亜衣「はーい」
●今回の実釣フィールドは大分県・豊後水道付近
●今回お世話になる、大分の遊漁船「BLUE HAWK(ブルーホーク)」
釣り場到着! タイラバ選びから、すでに実釣は始まっている!?
タイラバは「ヘッド」と「ネクタイ」、「スカート」、「フック」の組み合わせで構成されているのはご存知の通りだと思います。それぞれ、たくさんの選択肢があり、その組み合わせは無限だと言っていいでしょう。無限の組み合わせの中から、アタリの組み合わせを見つけ出していくのも、タイラバの楽しみの1つですよね。
●ふたりのファーストセレクトタイラバ
亜衣「今は、潮がしっかりと流れているタイミングやから、ぶんちゃんは「TGビンビン玉スライドヘッド・ヘビーモデル」の156gから試してみたら? しっかりと沈むから着底もわかりやすいし。組み合わせるスカートとネクタイは、取りあえずは自分のフィーリングでOK!」
ぶん「了解! じゃあ、ヘッドのカラーはメタルグリーンで、ネクタイはブラック! ところで、このTGビンビン玉って156gもあるのに、ヘッドがサイズが小さいね」
亜衣「エエところに気づくねぇ! TGビンビン玉は高比重なタングステンを使用してるから、ヘッドがコンパクトなのが特徴の1つ。潮の抵抗を受けにくから、すばやくフォールさせらるねん」
ぶん「なるほど~!」
亜衣「ぶんちゃんがグリーンなら、私はオレンジにするわ。違う色を使った方が、その日の反応がいいカラーを見つけやすいからね」
船長「どうぞ~。水深60m、ボトム付近に反応ありますよ~」
ぶん&亜衣「よし、実釣スタート!」
そして、実釣開始直後に、事件は起きた…。
ぶん「あぇ? なんか来てる? えっ、えっ、えっ、えっ、これ、ひょっとしてマダイ……!?」
亜衣「ぶんちゃん、それ、マダイやわ! 落ち着いて! そのまま巻いて、巻いて!」
なんと、実釣を始めて10分も経過していないのに、いきなりぶんちゃんのタイラバにマダイがヒットしたんです! ヒットしたのがボトム付近だったため、巻き上げてくるのにやや手こずりましたが、船長がタモ入れしてくれて、無事にキャッチ! すごいよ、ぶんちゃん!
亜衣「さて、ぶんちゃんも釣れたことやし、そろそろ私も……よし、キタァ~!」
さすが先生! 生徒の釣果を見届け終わるや否や、即ヒット!
ぶん「さすが先生! あっ、私にも何かきた! でも、さっきとちょっと違う気が…」
船長「それ、多分フグですよ。今年はフグがすごく多くて」
ふたり、ほぼ同時にランディング! 亜衣先生には良型のマダイ、そしてぶんちゃんには船長の予想通りフグが……。
亜衣「フグは中層に群れでいるから、フォールでモタモタしてると途中で喰われるねん。素早く落とし込んで、ボトムが取れればフグが掛かる率が下がるよ」
先生のこの忠告もむなしく、この後しばらく、ぶんちゃんはフグの猛攻に悩まされ続けるのでした……。
亜衣「そろそろ“アレ”の出番かな…?」
そうこうしている内に潮が緩み始め、本命のマダイのアタリが遠のいてきました。すると、亜衣先生がタイラバを回収し、ひと言……。
亜衣「そろそろ、タイジグの出番かな……」
ぶん「タイジグ? マダイ用のメタルジグのこと? なぜ、今が出番なの?」
亜衣「マダイ釣りでのメタルジグの役割って、一般的にはマッチザベイトのイメージが強いねんけど、私の中ではどちらかと言うと“フィネスの釣り”という認識やねん」
ぶん「ジグがフィネス?」
亜衣「そう。タイラバってスカートとかネクタイでアピール力が強いやん? 潮が効いてて、マダイの活性が高いときはアピール力が強いタイラバの方がエエねんけど、潮が緩んできて活性が落ちてきたら、コンパクトなシルエットでアピール力控えめなメタルジグの方が喰いが上がるんよ」
ぶん「ほぇ~、納得!」
●ビンビンメタルTG(ジャッカル)
亜衣「ジャッカルには2タイプのタイジグがあって、ビンビンメタルTGはただ巻きでもしっかりと動いてくれるし、フォール時はヒラヒラと舞うように落ちてバイトを誘ってくれるジグやね」
●ビンビンメタルTGタイプスロー(ジャッカル)
亜衣「ビンビンメタルTGタイプスローは、重心の位置を変えてるから、スローリトリーブでの動きが抜群やねん。だから、着底後スローなただ巻きでマダイのバイトを誘ってくれる。もちろん、アクションをつけてもいいし、そこからのフォールでよりスローに誘えるジグやね」
そして、その解説通り、ビンビンメタルTGにチェンジした直後に、それまで喰いシブっていたマダイがヒットしました! ちょっと、できすぎなくらい完璧な流れですね!
フグスランプをついに脱出!? 強烈なファイトの末に上がってきたのは…!?
釣っても、釣ってもフグ、というぶんちゃん……。1尾目はサクッと釣れたのに、後が全く続かない状況です。
亜衣「フグが釣れちゃうのはある程度仕方ないんやけどね、でも、フグがいるレンジまで巻き上げないようにすれば、避けられる。この辺は、経験が必要な部分かも……」
このまま、1尾で終わるのか……? 回りがそんな思いに支配されつつあった、次の瞬間!
ぶん「ヒ、ヒット~~! これはマダイだ! フグとは全然違う! めっちゃ引く~!」
絞り込まれるロッドから、いいサイズなのは一目瞭然! 亜衣先生は、早々に自分のタイラバを回収して、サポートに回ります。船長も、固唾を飲んでファイトを見守ります。
亜衣「ぶんちゃん、頑張って! これ、結構デカいよ! ゆっくりでいいから、巻き続けて!」
ぶん「うわ~~! スゴイ引き! え~、ヤバいヤバいヤバい!」
大騒ぎするぶんちゃんだが、亜衣先生は冷静にアドバイスを送る。格闘すること約10分弱、水面に姿を現したマダイに、一同どよめきが……。
一同「おお……デ、デカい!」
緊張の糸が切れ、思わず涙するぶんちゃん……。ツライ時間が続いたけど、頑張って釣り続けた結果、最高の釣果が訪れました!
●ぶんちゃんが自己記録マダイキャッチ! の瞬間映像がコチラ(音量注意!)
使用タックル紹介
[上(ぶんちゃん使用)]
●ロッド:GSW-C66UL(ジャッカル)
●リール:グラップラーBB 201HG(シマノ)
●ライン:PE0.8号
●リーダー:レッドスプール16lb(ジャッカル)
[上から2番目(亜衣先生使用)]タイジグ用
●ロッド:ビンビンスティック エクストロC66L-TJ(ジャッカル)
●リール:オシア コンクエスト200(シマノ)
●ライン:PE0.8号
●リーダー:レッドスプール16lb(ジャッカル)
[上から3番目(亜衣先生使用)]タイラバ(ディープ)用
●ロッド:ビンビンスティックVCM BSC-511M
●リール:オシアコンクエスト300HG
●ライン:PE1号
●リーダー:レッドスプール24lb(ジャッカル)
[下(亜衣先生使用)]
●ロッド:ビンビンスティック エクストロC511SUL
●リール:オシア コンクエスト200PG(シマノ)
●ライン:PE0.8号
●リーダー:レッドスプール16lb(ジャッカル)
●ぶんちゃん使用の「GSW」シリーズロッドは、汎用性が高く価格もリーズナブル!
今回、ぶんちゃんが使用したロッドは、ジャッカルがオフショアゲームを気軽に楽しんでほしいという思いで製作した、GSWシリーズの鯛ラバモデルなんですね。このロッドシリーズは価格が抑えめでいて妥協のないクオリティ、かつ汎用性も高いので、これからオフショアゲームを始めたいと思っているアングラーにも最適なロッドシリーズですよ。