東京で話題の津本式・津本さんの魚が食べられる! 西新宿・『sushi bar にぎりて』! 再訪してわかる、「魚」の新しい味



昨年、話題沸騰中の魚の仕立て方「究極の血抜き・津本式」のマニュアル本を発刊するにあたり、記者が最初に「津本式仕立て」の魚の凄さを実感したお店が、そう、タイトルにある「sushi bar にぎりて」さん。このお店の素晴らしいところは、津本式を売りにする飲食店の中でも、非常にリーズナブルに食べれることはもちろん、オーナーシェフやヘッドシェフの「津本式」への理解度が格段に高いことです。津本式の凄さを気軽に体感できるお店として、ご紹介したいと思います。そして、津本式のお魚の楽しみ方、お寿司の楽しみ方を僭越ながらお伝えさせていただきます。

【ちなみに】1月20日に魚食革命『津本式 究極の血抜き』完全版 (ルアマガブックス 7/内外出版社)発売されていますので、 よろしく願いします。2月5日には3刷! ハイペースで重版出来の注目本です!

可能であれば電話で予約を! 津本式は夜メニューですぞ!

西新宿にお店を構える「sushi bar にぎりて」さん。JR新宿から徒歩8分程度。大江戸線・西新宿駅D5出口から徒歩1分。気軽に入れる店構え。

さて、まず、注意点としては津本式の熟成寿司は、夜のメニューになっています。昼間のリーズナブルなランチメニューもかなり美味しいのですが、熟成寿司をお目当てに向かわれる方はご注意ください。夜は17:30分からの営業です。

最近は津本式の認知度も上がり、そのお魚を使ったお寿司がリーズナブルにいただけるとあって人気店となっています。ですので、予約をされて行かれることをおすすめします。(〒160-0023 東京都新宿区西新宿7丁目9-15 新宿ダイカンプラザビジネス清田ビル ☎03-6908-5178)

お店は、カウンター席のみになっている。立喰の表記があるが、現在は椅子がならべられているので、座ってお寿司をいただける。

オーナーシェフは土屋景一さん(右)、左がヘッドシェフの保野淳さん(左)。おふたりとも、津本式食材を扱うにあたり日々研究を重ねている「津本式ヲタク」。


予算は6000〜8000円。お酒をいただいても10000円でお釣りがくるリーズナブルさ。初見さんは「おまかせ」がおすすめ。

予算感としては、6000〜8000円。お酒をいただいてもそれくらい。少し飲まれる方でも10000円程度でお腹いっぱいになるかと思います。メニューから指定して注文することもできますが、記者的には「おまかせ」をオススメ。

単品のお値段は、こんな感じ。それぞれ2貫ずつ提供され、異なる味付けになっているのが特徴。津本さんが直接仕立てたお魚を使ったお寿司と、津本式の完全マスターとも言える両シェフが津本式で仕立てたものなどが並ぶ。

ただし、「おまかせ」の中に、「頃を見計らって“ガラスープ”を出してください」と付け加えておこう!



まずは旨味の洪水に舌を任せよう!

さて、「おまかせ」を選ぶと魅惑の熟成寿司が、入荷された魚から見繕って順序良く提供されるはずです。そして、初めて津本式仕立ての魚を味わう方は、きっと驚かれることでしょう。

そう、それもそのはず。津本式はその精度の高い血抜き技術により、魚の臭みを高次元でとりのぞき、なおかつ魚本来の旨味を強く発現する仕立てなので、ちょっとではなく、劇的に美味しいのであります。断言します。味音痴の記者でさえ、のけぞる違いですからワカラナイとかアリエナイ!

ただ、ある意味、その旨味のパンチの強さに最初は戸惑うかもしれません。え? 魚ってこんな味だったのという違うカルチャー、世界線に引き渡されるからです。

熟成サバ5日仕立て。

にぎりてさんでは、長期保存が効く津本式の利点を活かした「熟成寿司」を提供していますが、単純に寝かせるだけでなく、その魚の旨味のピークをコントロールされています。その見極めこそが、両シェフの技術なのであります。

醤油などは、美味しさが引き立つ量を加減して塗られているので、そのままいただくことが可能です。

ですので、ある意味、めちゃくちゃ主張が強いです。旨味の主張が強いんです。で、実際、こんな感想をもらしている方がいました。

「美味しくて、びっくりして、全部美味しいから、えとなんだろ、ある意味魚の種類の違いがわからなかった….」

はい! これ! 熟成魚あるある! そうなんです、旨味の主張が強すぎて、戸惑いから見失う人もいらっしゃいます。でも落ち着いてください。その旨味に寄り添うように、本来の魚の風味が隠れています。いや、隠れていません。すでにそこにいるのに、旨味がキラキラしていて最初はそっちに目がいっちゃうかもしれません。

安心してください。にぎりての両シェフは心得ております。

にぎりてのお寿司以外の超絶おすすめメニュー。ガラスープ。これね、ちょっと驚くと思いますよ。端的に津本式の凄さを実感できる一品です。(写真はチョウザメスープですが、ガラスープはグランドメニューにあります)

実は、このあたりをしっかりと具現化できるか否かが、津本式を扱う上でポイントだと記者は睨んでおります。その魚の持つピークを把握してコントロールできないと、逆に言うとネタが台無しになっちゃうんですね。魚の個性を殺してしまいかねないんですね。ただ、さほど気を使わなくても、美味しくなっちゃうのが津本式のいいところでもあるんですが…..。

台無しになる理由も、実は津本式を研究していくとわかっていくことなのですが、それは論文級になってしまうので控えます。いずれ、こちらのシェフに少しずつ語っていただきましょう。

再訪して、魚食アナザーワールド。津本式が開いた扉の向こうへ!

ということで、最初は、本来の姿に気づかなくともよいと思います。旨味の洪水におぼれてくださいませ。四の五の理屈をならべなくても美味しいと感じていただけるはずです。そして、おそらく、リピートしたくなると思います。リピート時に、少し心を落ち着けて、その旨味に寄り添う本来の魚の味を見出してください。

必ずあなたの舌は、魚本来の美味しさを見つけるはずです(クワッ!)

くどいようですが、なにせグルメから程遠い記者でさえ、そのアナザーワールドに引き込まれてとりこまれちゃったくらいですから、皆様の舌ならば大丈夫です。ですので、肩肘はらずに食べにいってみてくださいね。間違いなく、津本式に興味が惹かれるはずです。そして、また食べにいきたくなると思いますよ。

新鮮でなければ本来なら臭みが強すぎて生食できないトビウオも、津本式を施せば熟成ワールドに突入する。旨味の三重奏に指揮者たるトビウオが美味しさを奏でるのであります。
ちょいと変わり種の、あんかけお寿司なんてアレンジも。こちらは黒ムツ。
津本さん仕立ての奥日向サーモン。サーモン類は、津本式の美味しさを顕著に際立たせるネタですので、ぜひとも食べてくださいね。サーモン嫌いの人に特にオススメします。別物ですから。