各メディアで大人気のアングラー・みっぴこと、秋丸美帆さんのルアーマガジンソルトでの連載記事も3月号でいったん終了。連載は終了しますがルアマガプラスや本誌でもまたご登場いただきますからファンの方はご安心ください。小生、約5年の期間、連載取材を担当させていただきました。が、その間、魚が釣れなかったことは皆無という連載無敗記録を打ち立てた、みっぴの真の釣りのうまさ、テクニックをこの区切りに少しだけ解説したいと思います。ビギナーだけでなくベテランも納得なシンプルな秘密が隠されています。
すきこそモノの上手なれ!
さて、最終回くらい、ちょっとド派手な感じでと思っていたら、「じゃぁ、人気の釣りということでヒラメで」とドS編集長のドS要求が飛び出します。
ヒラメ釣りが地味というわけじゃありませんが、5年も続いた連載の最終回としては、ちょいとドSかつ、最終回にしては地味じゃあねぇかということで、ならば、宮崎県サーフ12月以降、冬の釣りの風物詩となる、オオニベ釣りと絡めたいと提案したところ、なんとかOKが出ました。
オオニベは夢がありますからね〜。全長1mをゆうに超える大魚をショアから狙うことができますから、まさに憧れの魚です。これはテーマとしては悪くないでしょう。
時期的にはオオニベはタイミングさえ合えばワンチャンス。でも、地元で協力してくれた、ニモさんこと山脇愛子さんの事前情報は取材タイミングではまだ早いとの分析。広い地元サーフで日に1〜2尾見れたら万々歳の状況だという。ぉぅ、これは初のボウズフラグが立ったか? とドキドキ。
もう一方のターゲットであるヒラメも、暖冬傾向ということもあり、近々で釣れている情報は無くはないが少ないという話。とはいっても、みっぴさんも多忙です。決められた1泊2日のスケジュールでこれをこなさなくてはなりません。今回の取材も、スタッフ合流とのタイミングを考えても、初日は昼から夜まで、2日目は朝から日没までの1日半が限界です(だいたい1泊2日で取材が組まれます)。
ヒラメ釣りはご存知の方も多いかと思いますが、ヒラメ専門のプロでも、取材となると色々な好条件が重ならないと釣果が望めない難易度の高さを誇る魚種です。
そんな先行きに不安を残すターゲットですが。サーフフィッシングの醍醐味であり魅力は、広くて気持ちの良い砂浜で、ジグなどのルアーをおもいっきりぶん投げてストレス解消できる豪快な釣りであること。
秋丸さんもご多分に漏れず、現地に到着すると余計なことをせずにすぐに釣りに没頭されます。この、釣りに対する姿勢がまず、ポイントかと思います。釣りが好きなんですよね。根源的に。これは非常に大事な魚を引き寄せるテクニックだと思います。
でも、実はそんな精神論よりも明確な、秋丸さんが魚を釣り上げる明確で、プロアングラーの中でもトップクラスと言える技術があります。いや、長年、取材をしてきてこのテクニックに関しては秋丸さん以上の人を正直知りません。
ルアーを誰よりも長く「機能」させる技術!
それは、単純明快ですが誰にでも出来る技術ではないと思っています。はい、釣りをしている時間です。単に、制約のあるスケジュールではありますが、みっぴさんのルアーを投げている時間と引いている時間は、ちょっと半端ないです。
今回の取材、初日は食事を軽く済ませて13時過ぎから釣りをしました。そして日が暮れる17時までの、まずは4時間。まったく休憩をせずにルアーを投げ続けました。まぁ、4時間程度ならと思われるかもしれません。
でも、翌日、6時半のスタートから13時半まで、7時間半、ほぼノンストップで休憩なしでルアーを投げ続けていました。幸いその間に良型のヒラメを釣り上げて見事取材は成立。連載無敗記録を更新して終了することになったのですが、お昼も、無理やり拉致して休憩させないと、ずーっと釣りをしているんではないかという集中力です。決してこちらサイドで強制しているわけでもないのですが、とにかく釣りを辞めません。
お昼休憩後も、飛行機を意識した納竿のタイミングとなる17時過ぎまで、休まずルアーを投げ続けました。
なので、潮が悪いだとか、止まっただとか関係ありません。その時々の最善を探して、ポイントを変え、とにかく投げ続けます。水にルアーを通している時間が圧倒的に長いのです。
これは、このオオニベ&ヒラメ釣行のときだけの話ではありません。他の釣りのときも案内役のアングラーの方が舌を巻くぐらいの集中力で、とにかく釣りをしている時間が長いのです。何度も言いますが、ルアマガスタッフは強制労働を強いているわけじゃありません(笑)。むしろ、休んでくださいとアドバイスしているくらいです(いや、こっちがヘタってます)。
でも、ありがたいことに、短い時間で結果を出そうと、とにかくテンポよく釣りを続けられるのが常です。やれ「時合じゃない」。やれ、「ベイトが入っていない」と諦める人が多いなか、まさに、そういう不毛なタイミングにターゲットを釣り上げることも何度もありました。
まさに、これは釣りの上手さであり、極上のテクニックだと感じる次第です。効率の良い釣りも大事ですが、ルアーをとにかく水の中に入れて機能させる。つまりキープキャストする技術は、釣りにおいて根幹的に大事なテクニックだということを学ばされたのが、まさにみっぴさんの釣りなのです。
さぁ、そんなみっぴさんも、釣り人としてベテランの域に達してきた感があります。これからの活躍は、ただ、釣りを魅せる伝道師としてではなく、もしかして釣るための技術を伝えるそんな役割を担っていただくことになるのかもしれませんね。
長らく、ルアーマガジンソルト誌の連載を支えてくださったことに感謝しつつ、これからも多くの釣り人に釣りの楽しさ、夢、そして釣るためのテクニックを伝えていってくださればと思います。では、近いうちのルアマガソルト、そして当サイトへのご出演お待ちしてまーす!