老舗靴下工場が開発した釣り人用ソックス「rootwat socks」は水中を歩くウェーディングマンにぴったりだった!



2020年、フィッシングシーンに新たに参入するブランド「rootwat socks」が展開するのは「靴下」。“メリノウール”や“美濃和紙”といった素材を使い、釣り人向けの高機能ソックスを展開する。基本的にはトラウトフィッシングにおける“ウェーディング”や“ウェットウェーディング”向けではあるが、その性能はあらゆるフィッシングシーンに快適性をもたらしてくれそうだ。



長良川の中洲にある靴下工場「東洋繊維」の新たな試みが「rootwat socks」

岐阜県は長良川の中洲にある「東洋繊維」は操業80年の老舗靴下工場。百貨店専門店からトップアスリート用まで様々なジャンルの靴下を製造しているが、特徴は製造におけるすべての工程を自社でこなせるというところ。国内でもめずらしい一貫工場だ。「rootwat socks」は同社が展開する新たな靴下ブランドであり、3代目である水谷陽治さんが専務を務める。

代表の水谷陽治さんはかつて、スノーボードを通して繋がりのあった福山正和さんと共にスノーボード用の高機能ソックスを開発したこともあった。

【Profile】
福山正和(ふくやま・まさかず)
源流や渓流の釣りを得意とする、メガバスプロスタッフ(トラウト)。群馬県水上地方の山岳渓流や本流をホームグラウンドとしているが、近年は北海道や東北など各地への遠征釣行にも力を入れている。プロスノーボーダーとしての肩書きも持ち、ファッションブランド「MofM(manofmoods)」の代表も務める。

水谷「今、福ちゃん(福山さん)はスノーボードと同じくらい、いやそれ以上に渓流ルアーにのめり込んでいるんですよね。で、とくにウェットウェーディングスタイルを追求しているそうで。“渓流を歩く釣り人用の靴下”を開発して欲しいと。難しい注文がたくさん出てきましたが、挑戦と受け止めて作ってやろうと思いすぐさま開発に着手しました」

福山「陽治(水谷さん)にお願いしたのは、以前もスノーボード用の靴下を一緒に作っていて、無理難題を押し付けても、いいものを仕上げてきてくれたんですよ。東洋繊維には長年培ってきた職人さんの技術と、製造力があるし、何より名川・長良川の中洲に工場がありますからね」

長良川の豊かな自然や水から恩恵を受けて育った水谷さんは、地元で作られる美濃和紙や尾州ウールという素材に目をつけ、それを取り入れたソックスを作ろうと考えた。そして、それが形になった。

水谷陽治さん(左)と福山正和さん(右)。かつて2人は熱心にスノーボードに打ち込んでいた。その後、福山さんはプロスノーボーダーとして活躍することに。

“ウェーダースタイル”と“ウェットウェーディングスタイル”

濡れないための「ウェーディングスタイル」

濡れない”ためにウェーダーを着用し、川を遡行するのがウェーディングスタイル。ウェーダーがあれば気軽に川に入れるので、シーズン中をこのスタイルで通すアングラーも多い。

濡れることが大前提の「ウェットウェーディングスタイル」

濡れる”ことを前提とした遡行スタイル。速乾ハーフパンツ、速乾タイツ、ゲーター、クロロプレンソックス、ウエーディングシューズなどの組み合わせで入水。ウェーダーよりも身軽で動きやすく泳ぐことも可能なため源流釣行では定番のスタイルともなっている。また、ウェーダーに比べて水圧を逃しやすく浸水することもないため、比較的安全な装備でもあるのだ。



美濃和紙 ハイブリッドソックス 

ウェーディングにもウェットウェーディングにも向く

美濃地方で古くから親しまれてきた美濃和紙を取り入れたソックス。古くから日本家屋のふすまや障子に使われてきた素材で、圧倒的な通気性吸湿性、さらには保温性にも優れる部分に着目。

まずは、1枚の美濃和紙を細くスリットし1本の糸に撚り糸する技術で、薄くて強い美濃和紙本来の強度をいかんなく発揮する和紙糸を作り上げた。

それを使い、コシのあるヘタらないループ編みで作られるソックスは、水に濡れても足とシューズの間に中間層を作ることで、濡れ感を軽減してくれる。速乾性があり、乾きやすいというのも大きな特徴。

また、多孔質性能を持つ和紙から作られた和紙糸は、まるで備長炭のごとく匂いを吸着することで天然の消臭効果も持ち合わせる。嫌な臭いも気にならない。

和紙ハイブリッドソックスのショートタイプ
和紙ハイブリッドソックスのミドルレングスタイプ


尾州メリノウール ハイブリッドソックス

厳冬期のウェーディングに最適

紡績、染色、撚り糸の工程をすべて尾州の技術者ちが担当する完全オリジナルの最高品質メリノウール糸を採用。南半球の穏やかな気候で育てられたメリノ種より厳選された18.5μという細く柔らかいメリノウールと強度を補うためのナイロンをブレンドしている。

強度のあるメリノウール糸は、保温性吸湿性消臭性を併せ持ち、秋口や春先の冷たい水に浸かるウェーダー内の足元をサポートしてくれる。さらに、通常のスポーツソックスに比べて、約2倍のループ高を誇る特殊パイル編みを採用しているため、足裏への衝撃をやわらげ、遡行の疲労感も低減してくれる。

尾州メリノウールを取り入れたショートタイプ
尾州メリノウールを取り入れたロングタイプ

ウェットウェーディングに最適な“足下の”アウター&インナー 

ウェットウェーディング専用のアウターソックス ※鋭意開発中!

濡れても保温性が高く、クッション性の高いクロロプレン素材を採用。足裏にはいくつもの穴を空け(パンチングネオプレーン)通水性を高めつつも、砂や砂利が進入しない仕組み。

クロロプレン用インナーソックス ※鋭意開発中!

まったく水を吸水しないナイロン素材を採用した、ウェットウェーディングに最適なインナーソックス。爪先とかかとには撥水ポリエステルをパイル編みにすることで、補強と共に歩行時の爪先とかかとにかかる負担を軽減してくれる。

また、足底サポート機能によりフィット感を高めつつ、長距離歩行時の足裏へのストレスも軽減。濡れても濡れ感を感じさせない仕様は、クロロプレンソックスと併用することで夏場のウェットウェーディングを快適にしてくれる。

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