【艇王ザ・ベストバウト】カナモ×ゲーリージャンボバズ=サヨナラ満塁ホームラン!!【大逆転勝利】



ルアマガモバイルの看板企画『艇王』は基本、プラクティスなしのぶっつけ本番。ゼロからバスを探し出すという、バスアングラーの本質が問われる勝負だからこそ記憶に残るドラマを数え上げたらキリがありませんが…前回の17陸王レジェンド同様ウイニングパターンのインパクトが極めて強かったもうひとつの試合をご紹介いたします。

艇王とは?

2012年のプレ艇王(エキシビジョンマッチ)ルアー・マガジン・モバイルの超人気企画。2012年のプレ艇王(エキシビジョンマッチ)を皮切りに、2019年まで全31試合を行なった。

名前の通り、『陸王』の艇(ボート)版だ。過去アベマTVとのコラボ企画では出場選手のバスボートを使用した特別編もあるが、その基本コンセプトは、誰もが使用できるレンタルボートを駆ってのガチバトル!! モバイルの速報性を生かし、試合の模様は現場からライブ配信!! 各選手のボートにスタッフが同船し(もしくは取材艇を手配)、その一挙一動をリアルタイムでアップする。

年三戦の予選を実施して、各試合の勝者が最終戦となるチャンピオンカーニバルで競い、その年の艇王タイトルを目指す。2020年も実施を予定しているが、現時点で出場選手は非公開である。



アベマTVによる、初の艇王動画ライブ配信!!

2016年の艇王チャンピオンカーニバルは、ルアマガモバイルのターニングポイントともなる試合でした。

というのもこの試合、アベマTVの釣りチャンネルとコラボして文字通りの生中継が行なわれたからです。

選手の一挙一動すべてがリアルタイムで見られるというのは前例のない企画であり、なかの人間である自分ですら、とても興奮したのを覚えています。

スタートから結果発表まで、初日は約10時間、2日めは9時間、ぶっ通しですよ。

しかも決勝を戦うのは青木大介さん、奥田学さん、金森隆志さんという超豪華な顔ぶれ。盛り上がらないワケがありません。

ところが、こちらの期待に反して開催場所である新利根川がトーンダウン。時期は9月末でちょうど季節の変わりめ&稲刈りが終わりを迎えるタイミング。しかも前週に台風が通過したばかり、かつ秋雨前線停滞中…松屋ボートの若旦那によれば水温低下と“稲渋”の影響で活性が下がっているとのことでした。

実際、初日にリミットメイク(3尾・キーパーサイズ25cm)をはたしたのは青木さんのみ。2尾ながらキッカーを混ぜた奥田さんが暫定首位で折り返すこととなりました。

初日の結果は、1位・奥田さん(1940g/3尾)、2位・青木さん(1090g/3尾)、3位・金森さん(750g/1尾)。

はたして初日のスコアから、まさかあれほどドラマチックな展開を迎えることになるとは、その主役である金森さん本人すら予想していなかったことでしょう。

初日の後半に入り、風が吹き始めたタイミングから「見えてないんで」とバズベイトを投げ始め、結果的に3バイト1フィッシュ。2日めにつながる唯一のヒントだからこそ、そこに迷いは生じなかったのかもしれません。

レジェンド陸王は船に乗っても強かった

「まぁ、最下位は最下位なりに、逆転サヨナラ満塁ホームランを打てるよう素振りだけはしっかりしておこうと思います(笑)」

これは、初日を終えたあとのインタビューで金森さんが口にしたセリフです。

リミットを揃えているとはいえ、青木さんのスコアが伸び悩んでいることから、フィネスと撃つ釣りは機能していないはず。奥田さんはおそらく2尾のクォリティフィッシュを自分にはないパワーゲームで釣っているのではないか。

中間発表で伝えられたライバルのスコアと初日の結果から、金森さんはこう解釈していました。

そして実際に釣りをしていてハッキリとわかったことがもうひとつ。

ベイトフィッシュが、浮いているということ。

迎えた2日目、朝からひたすらジャンボバズをキャスト。

金森さんが2日めに使用したジャンボバズ(ゲーリーインターナショナル)。飛距離を稼ぐため、使用済みのファットウィップクローラー(レイドジャパン)をカットして装着。フッキング率を高めるためT・Nトレーラーフック#1(ハヤブサ)をセット。

そして4時間、ノーフィッシュ。

しかし、霧が晴れて徐々に水温が上昇し、ベイトフィッシュ(イナッコ)が浮き始めると…ついにその時がやってきました!

11時半からの実質90分間で、この1640gのキッカーを頭に6尾の猛攻!!

2日間のトータルウェイトは4960g(4尾)、2位の青木さんに1800g以上の差をつけての勝利。

それは私立金之森学園の、実に鮮やかな逆転サヨナラ満塁ホームランでした。

本戦から約1年半後、金森さんが考えるバズベイトの理想形『マスタブラスタ』がレイドジャパンからリリース。アームに履かせたアルミパイプとペラが回転時に発する接触音は、まさしく“”アタリ”が取れたバズベイトのそれです。


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