【大会出てみた】賞金150万円! エリアトラウト孤高の大会・ヴァルケインスーパーカップ



2020年2月23日。優勝賞金150万円をかけたヴァルケインスーパーカップ(通称・ヴァルカップ)初戦が開催された。数あるエリアトラウトトーナメントの中で、最もエキサイティングで、最も公平で、最も楽しいと噂されている大会だ。使用可能なルアーはヴァルケイン製のみと、参加条件はイーブン。そんなヴァルカップに、ニンジャことセンドウタカシさんが初参戦!



【Profile】
センドウタカシ

魚種の壁を突破して釣りの楽しさを追求するアングラー

通称ニンジャ。本業のバスフィッシングでデカバスを求めて全国を釣り歩いている。近年はエリアフィッシングの奥深さにどハマりしてしまい、強すぎる好奇心で、エリアゲームの謎解きに人生を奪われつつある。

大会は栃木県宇都宮市にあるアルクスポンド宇都宮で行なわれた。アルクスポンド焼津とならび、魚影の濃さと子ども料金の格安さで、気軽な家族連れからトーナメンターまでが楽しめる珍しい釣り場だ。



大会って意外とフレンドリー、想像以上にドラマチック!

対戦相手と隣同士で戦うエリアトーナメントにはドラマがある。バスアングラーとして知られているセンドウタカシさんが近年エリアゲームに「どハマリ」している理由も、エリア理論の奥深さだけではない。エリアにはエリア独自の出会いや温かい人間関係があるからこそ、センドウさんはエリアにハマっている。特に隣同士で戦うエリアトーナメントの人間模様は、想像以上に友好的で、かつドラマチックだ。

エンドウマサシさん(左)

クジ引きで決定されたセンドウさんの対戦相手はエンドウマサシさん。センドウさんよりひと回り以上若いが、ヴァルカップ入賞常連者だ。

実はセンドウさんとエンドウさん、今回が初対面ではない。遡ること10年以上昔、エンドウさんがまだ中学生だった頃、霞ケ浦水系にバス釣りに訪れた際に、二人は偶然出会っている。

エンドウ「憶えていますか〜」

センドウ「あっ! 橋の上で一緒にタコ焼き食べた中学生だよね。大きくなったね〜!」

そんなドラマがいきなり! エンドウさんの胸を借りつつ、必勝を誓うセンドウさん。勝敗はどちらの頭上に輝くのか!?

【実録】2020年ヴァルカップ予選の具体的な流れ!

1回戦 A組B組

合計114名の参加者をくじ引きで「A組」と「B組」に分類。対戦はA組の選手から開始。B組選手たちは最初、A組選手たちの審判を務める。

20分で立ち位置を変えて2ローテ、合計40分間の戦い。

1対1のタイマン勝負で相手よりも多くの尾数を釣った選手が2回戦へと勝ち上がる。

センドウさんは「B-6」つまり審判からスタート。審判は実に簡単。レギュレーション通りにネットインしたのを確認したら「ヒット!」のコールとともに所定の用紙に尾数を明記するだけ。頭脳戦とも言われるエリアゲームは、審判の時間にほかの人の戦略を観察できるため、審判の時間が楽しいと感じている選手も多い。

敗者復活戦

1回戦で参加人数の半数が脱落。その高い壁の救済措置としての敗者復活戦。10分×2ローテ、合計20分の戦い。勝ち上がり人数は合計参加人数によって毎回異なる。

2回戦 A組B組

15分×3ローテ、合計45分間の戦い。3人1組のグループでの戦い。3人から1人だけ勝ち抜けて、3回戦へ進むことができる。

3回戦/準決勝

15分×2ローテ、30分間の戦い。1対1のタイマン勝負。

決勝

20分×2ローテ、合計40分間の戦い。5名での対戦。ちなみに決勝に残った5名はもちろん、上位10名はヴァルカップの決勝大会出場の権利が与えられる。

さあ、目指せ1回戦突破! 乱打戦の先に、勝利の女神が微笑んだのは…!!

「おそらく1尾の違いが勝敗を分ける試合になると思います。バス出身の自分は、ほかのアングラーほど上手くありません。だからこそ手返し勝負で、ベイトタックル メインで挑みます」。試合前センドウさんはそう話していた。

スプーンの一定巻きがセオリーの中、センドウさんはベイトタックルで独特な釣り方を展開。

着水後フォール中にフリップを入れて、魚に注目させたままボトムまで落とす。着底後何度かボトムバンプ。バンプ後の巻き始め…ハンドル1〜2回転目くらいで ズドンと食わせる。

まさに真剣勝負! タイマンバトルは息をつかせぬ展開に…。

センドウさんが釣ると、エンドウさんも釣る。二人とも2〜3分に1尾のペースでキャッチ…完全なる乱打戦だ。ミスをしたほうが負ける。そんな緊張感が走るなか、パチンと大きな音が響いた。

センドウさんのPEラインが強風に煽られてガイドに絡み、ラインブレイク。この瞬間に勝敗は決まった。

その後も闘志を消さずに戦い抜いたセンドウさんだが、トラブルに見舞われて勝てるほど甘い試合ではない。結果は14尾対15尾の1尾差でセンドウさんが敗退。タックルトラブルが敗因…とはセンドウさんはひと言も言わなかった。

試合後センドウさんはエンドウさんと硬い握手を交わして、自分の無念を託した。

無、無念…! センドウさんだけでなく、敗者にも爽やかな満足感が訪れるのは何故なのか? なごやかな雰囲気は、ヴァルカップ会場を終始包んでいた。

その後、センドウさんの無念を背負って戦ったエンドウさんは、なんと! 見事5位入賞を果たした。114人中の5位。見事な結果といえる

1位クスノキさん。2位オカノさん。3位サカイさん。4位ヤマモトさん。5位エンドウさん。おめでとうございます。




強豪トーナメンターを追い込んだMVPルアーはコレだ!

ハイバースト3.6g(ヴァルケイン)

ハイバースト3.6g(ヴァルケイン)

ハイバースト最重量モデル。ハイアピールのハイバースト・シリーズのなかでも超強気スプーン。今大会でセンドウさんが一貫して使い続けたのがコレだ。使い方を少し変えるだけで、無限の可能性に抵触できる奥深いスプーンとして人気が高い。

デュオ ルアー ハイバースト イエロー・オレンジ/ブラック No.20 スプーン
原産国:日本
重量:3.6g
¥484
2020-04-02 14:26
1回戦で対戦したエンドウさん。また、どこかのトーナメントで再会して対戦できる日を楽しみに、両者ともに腕を磨く日々が続く。

ヴァルケイン(Valkein)の記事はこちら


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