オフショアキャスティング用ロッド、NEW「スパイク」開発者が語る重要な進化点



ロッドメーカーとして高い製造技術力を誇るテンリュウ(天龍)は、ルアーからエサ、ソルトウォーターからフレッシュウォーターまで、幅広いモデルラインナップを取りそろえる老舗です。その中でも、オフショアキャスティング用ロッドとして多くの愛用者を持つ「スパイク」シリーズが、満を持してフルリニューアルを果たしました。前作から何が変わったんでしょうか? 開発を担当した舟木雄一さんが、その進化点をアツく語ってくれましたよ。

新生「スパイク」は全5モデル! ヒラマサ・ブリ対応の「Yellow Tail」と、キハダ用の「Tuna」の2ラインを用意

最初に、NEWスパイクのシリーズラインアップを確認しておきましょう。今回リニューアルで発売されるのは5機種です。

大まかに分けると、5機種中、3モデルは青物用の「Yellow Tail」、2モデルがマグロを想定した「Tuna」のサブネームが付きます。

アクションは全モデル共通でレギュラーなのですが、青物用の「Yellow Tail」はルアーの操作性を高めるためにパリッとした、張りのあるフィーリングを追求しているようです。

一方、マグロ用の「Tuna」2モデルは、マグロのパワフルなファイトをいなす、もっちりとした粘り強い使用フィールが特徴となっているようですよ。

●SK822S-MH(Yellow Tail)

●全長:8ft2in ●継数:2 ●アクション:レギュラー ●仕舞寸法:184㎝ ●ルアー重量:最大100g ●最大ドラグ:10kg ●自重:325g ●価格:52,000円(税込)※写真はプロトタイプです

YellowTailは5機種中3モデル。サーフェスルアーを1日中操作し続けられるよう、張りを持たせたブランクスセッティングとなっている。

●SK802S-MHH(Tuna)

●全長:8ft ●継数:2 ●アクション:レギュラー ●仕舞寸法:171㎝ ●ルアー重量:最大120g ●最大ドラグ:12kg ●自重:370g ●価格:53,000円(税込)※写真はプロトタイプです

YellowTailとは逆に、柔軟性を持たせた「もっちりとした」ブランクス特性を持つのがTunaの特徴。相模湾のキハダなどにも最適なモデル。

NEW「スパイク」全5機種の詳細は、テンリュウWEBサイトでチェック!

最大の進化点は「C・N・T」の採用。トータルのパフォーマンスが大幅に向上した

では、こからは舟木さんに、実際にお話しをうかがいながら、スパイクのリニューアルを読み解いていきましょう。よろしくお願いします。

舟木「よろしくお願いします」

前作がリリースされてかなりの年数が経っていると思いますが、新しいスパイクのリニューアル自体は、どれくらいの期間を費やしたんですか?

舟木「ん~、丸2年は使いましたね。ガイドのセッティングなど細かい部分も突き詰めていたら、結構時間がかかってしまって…」

今作より新たに採用されたC・N・T(カーボンナノチューブ素材)が、NEWスパイクに多くのメリットをもらたらす。C・N・Tがどのような素材なのかは、テンリュウのWEBサイトで。

「Yellow Tail」と「Tuna」の2ラインありますが、両者に共通したリニューアルのポイントといったものはあったんでしょうか?

舟木「前作と、新しいスパイクの大きな違いの1つに、C・N・T(カーボンナノチューブ素材)の採用というのがあります。全モデルに採用しているんですが、この素材を新たに採用することで、新しいスパイクは飛躍的にパフォーマンスがアップしています。ひと言で言うなら”粘り強さと強度”の向上となります」

C・N・Tによる復元力(粘り強さ)を利用することで、大型の魚と有利にやり取りを展開できる。

粘り強さと強度、具体的にはどのようなことでしょうか?

舟木「粘り強さとは、復元力とも言い換えられるんですが、中空のカーボン製チューブに負荷がかかって曲がると、大げさに言えば円がひしゃげた状態となります。そこから、元に戻ろうとする復元力が粘り強さと表現されるイメージです。実際に使用されるときには、魚を寄せる力として実感される部分です」

舟木「アングラー自身の力とロッドの復元力の相乗効果で、しっかりと魚を寄せられる。前作と使い比べると、この性能が大きく向上しています。また、ブランクス自体の強度も向上しているので、大型の魚とファイトする際の安心感も大幅にアップしています」

細部まで徹底的に鍛え上げるために、開発には2年の期間を要した。

C・N・Tを採用することで、そんなにもパフォーマンスが向上するんですね。スゴイ…。

舟木「まだありますよ。ルアーの飛距離、キャスタビリティの部分でも進化を感じてもらえると思います。ここも、C・N・Tの採用大きく寄与しています。ブランクスにルアー重量が乗り、ロッドが大きく曲がる。そこからの復元力が高いので、ルアー飛距離の向上が期待できます」

舟木「また、アングラーへの負担も少なくなるので、1日中投げ続けることが多いこのゲームでは、大きなアドバンテージとなるはずです」



ガイドは、前作よりも番手を上げ、キャスト時の糸抜けの良さを追求

前モデルよりも番手を上げたガイドを採用し、キャスト時のラインの抜けを向上させている。

他に、前作から進化した部分はありますか?

舟木「ガイドですね。前のスパイクよりも、大きい径のものを搭載しています。これにより、キャスト時の糸抜けが格段に良くなっています」

ガイドを大きくすると、重くなるってことですよね?

舟木「おっしゃる通り重量増となります。なので、以前のブランクスだと厳しかった。新しいスパイクではトータルのパフォーマンスが上がっているため、1つ上の番手のガイドを使えるようになったんです。これも、C・N・Tを採用したおかげと言えますね。復元力の向上と大型化したガイドによる糸抜けの良さで、高い次元のキャストフィールを実現しました」

キャスト性能の向上も、NEWスパイクのリニューアルの大きなテーマだった。

グリップも刷新。「Tuna」ラインには、アシストグリップを新規採用

グリップも、前作とは変わっていますね?

舟木「そうですね、これも、キャスタビリティの向上を狙ったものです。具体的には、リアグリップを長くし、キャスト時にしっかりと引き寄せられるようにしています。それにともない、リールシートもアップロック式からダウンロック式に変更し、全体のバランスの最適化を計っています」

舟木「あと、これはTunaモデルだけですが、アシストグリップを搭載しています。ファイト中にしっかりとホールドでき、長時間のやり取りでも手の負担を軽減します。グリップを延長するという方法もあったんですが、それだとキャスト時にラインが干渉してしまうので、この形状に落ち着きました。コストですか? ええ、それなりに掛かってます(笑)」

左)リアグリップを長くし、キャスト時にしっかりと引き寄せられるようにしている。右)Tunaモデルにのみ搭載されるアシストグリップ。

キャスティングゲーム専用モデルとして、全体的な性能の向上を果たした新しいスパイク。

C・N・Tの採用が大きなトピックだが、ガイドやグリップなど細部にいたるまでブラッシュアップされており、前モデルからの買い替えももちろんだが、他からの乗り換えの候補としても十分検討すべきモデルとして仕上がっている。

動画、NEWスパイクで12kgのオモリを持ち上げてみた結果…

テンリュウのYoutubeチャンネルでは、新しいスパイクに10kgオーバーのオモリをぶら下げるテストのムービーがアップされていますよ。かなりハードな実験でヒヤヒヤする内容ですが、見てみる価値はあると思います。