ニッチなネタも掘り下げて記事にしちゃうのがルアマガプラス。釣り界のニッチ分野、フライフィッシングの新製品を紹介します。でもフライフックって、実はバスとかのダウンショットなんかにも使える結構面白い形状が揃ってますので、注目して損はないですよ〜。
この形状の太め軸のフライフックを待ってました!
2130V-BL DRY&NYMPH【バリバス】
新しく発売された2130V-BL(バリバス)の特徴は、海外の大型トラウトのファイトにも耐えうる、やや太めの軸を持っていて、フッキング率、貫通率を高めるV-CUTとよばれるポイント形状のバーブレスフックであることでしょうか。
実は! このスタイルのフライフックを記者はちょっと待っていました。コンセプトも形状もやや違いますが、TMC-103BL(ティムコ)という優秀なフックがありまして、こちらはドライフライ特化の細軸仕様。これに近い形状でもう少し太め軸のフックが出ないものかと思っていましたので、そこのニッチな需要に少しハマったか? とこの新作フックを見たときに小躍りしました。
私的考察 あえてTMC103BL(ティムコ)と比較してみる
先に比較対象に上げましたTMC103BL(ティムコ)は、オープンゲイプ気味の形状で、なおかつ細軸ということもあり、少々気難しいバイトをするようなスレマス相手にも、比較的雑なアワセでもフッキングしてくれる幅の広さがありました(実際はダウンアイの兼ね合いもあり、めっちゃくちゃオープンではないですが)。
ただし、細軸オープンゲイプのデメリットもあるので、北海道や海外、大型のマスが潜む管理釣り場のトラウト相手にはやや心もとなさがあったんです。逆に、本州のヤマメ、イワナには抜群の相性だったと認識しています。
シャンクも標準的長さでしたので、一般的なパラシュートフライや、ソラックスダン系のパターンとも相性がよいデザインだったと言えます。
今回新発売された、VARIVASの2130V-BLは、アイとポイントの関係から、どちらかというとオープンというよりはクローズドに近い形状ですが、ゲイプ幅の確保(広め)とポイント長の短かさで、フッキング能力の確保がされています。
クローズド気味(エントリーアングルθ)になるとフッキング率が低くなるデメリットを先の形状でフォローしているわけですね。
が、逆にこれだとフッキング時の負荷を受け止めるためのフックの強度が必要になるはずです。が、そこをフックの軸を太くすることでフォローしているのがわかります。
太軸になると細軸よりは若干貫通力は低下しますが、そこは貫通力の高くなるV-CUTの採用、そして、バーブレスであること、ポイントの向きなどでフォローされていますので、結論として非常にバランスの良い設計になっているのですね! ただショートシャンクですので、どっちかというと、ピューパやエルクヘアカディスのような、こじんまりしたフォルムのほうが、パターン的にはしっくりくるかと思います。
もちろん、パラシュート系も巻いたら巻いたで、フォルムがコンパクトになるので、逆に良くなると思いますよ。
あと、ニンフはもちろんですが、ソフトハックル系のパターンなどとの相性も良いと思いますので、やはり汎用性は高そうです。
こちら、バーブレスですが、設計者はバーブレスを使い続けて知り尽くしたテスターにより監修されていますので、バーブレスでありながらバレにくい! と、いうかバーブレスってそもそもバレないのですけどね! そればかりか、貫通力のアドバンテージで結果、釣果が上がるのであります。
ということで、なかなかおもしろいフックですので、早速、実戦で投入してみたいと思います。