ベイトキャスティングの「超ロングキャスト法」。『タイミングとアキュラシー』を考える。Fishman@上宮則幸



前回、上宮さんにはベイトキャスティングの超ロングキャストを実現するための、ひとつめのコツとして「バックラッシュ」をしないこと、そのための練習法について語っていただきました。今回はその『ベイトキャスティングでの超ロングキャスト法』の第二弾。上宮さんが重要視するキャスト時の『タイミングとアキュラシー』について解説いただきましょう。

【Profile】
上宮則幸(かんみやのりゆき)
ロッド開発中に『もっと投げやすく、もっと遠くに』を追求することでロングキャストとアンチバックラッシュに開眼! 釣るより投げることに夢中になるあまり、『釣れないおじさん』になってしまいました(笑)。ベイトキャスティング用ロッドの専門メーカーFishmanのテスターを務める。

前回記事の復習『シャドウ』のやりかた!

今回は前回の最後に触れた『タイミングとアキュラシー』をお題に語ります。おっと、その前に『シャドウ』は実践されましたか?まだと言う方は、まずこちらをどうぞ!

「すでにマスターしたよ」と言う方には、これからの内容は全て簡単に理解していただけると思います。

タイミングとアキュラシー

シーバスフィッシングにおいて、ベイトタックルによるロングキャスティングの最も重要で基礎的な要素、それが『タイミングとアキュラシー』だとわたしは考えます。

『タイミング』に関しては誰でもすんなり理解が出来るのではないかと思います。とりわけベイトキャスター同士の話題には「テイクバックの切り返しのタイミングが~…」とか「リリースのタイミングを~…」とか語られることが多いですよね。

わたしのところにも個人的に、あるいはベイトロッド専門メーカー『Fishman』を通して、前述した切り返しやリリースのタイミング等々の『タイミング』に関するご相談が非常に多いです。

時計のイメージは捨てちまえ!

一般的にそれらの問いに対しては円形の時計の文字盤を引用して「だいたい2時ぐらいまでテイクバックして~…」とか「10時ぐらいの位置でリリースして~…」と言った解説を目にすることが多いです。

そう言うわたしもかれこれ30数年前に父親から買ってもらった釣りの書籍でその挿し絵を見た覚えがあります。しかし、それをそのままコピーしようとして上手くいった人は居るのでしょうか?

この記事の読者の方々のほとんどが、現在のレベルに関係なく向上心を持って『もっと遠くへ!』を目指してベイトキャスティングの練習に時間を割いていることと思いますが、もしその練習中に頭の中に時計の文字盤を思い浮かべて励んでいるのであれば、そのイメージは遠回りに繋がりかねないのですぐに捨てて下さい!

理由は簡単です。ルアーのウエイト、リーダー垂らしの長さは現場では常に一定ではないためです。またウエイトが同じであっても、ルアーのボリュームの違いで竿の曲がりは変わってきます。スイング中にルアーが受ける空気抵抗が違うので….。そういった様々な要因で各タイミングは微調整を余儀なくされるものです。



『シャドウ』のススメ

そのタイミングを理解するためにわたしが考案したのが、冒頭紹介した『シャドウ』です。

見ているだけだと簡単そうですが、このトレーニングで得られる事とは?

・バックスイングからフォロースルーへのスムーズな切り返しのタイミング

・ベストなリリースタイミング

・そして、フィニッシュ後のティップのブレを抑えるデリケートな竿裁き

です。

実際にシャドウをやってみてどうでしょうか? 最初は垂らしを短くしてもルアーがバタバタと落ち着かなくリズミカルに繰り返せないと思いますが、その『バタバタ』が実際のキャスティングの乱れに直結してしまいます。

それぞれのコツは全て動画内で説明している通りですが、ひとつ補足させていただくと、垂らしを短くしてもバタバタが止まらないと言う方は、ルアーウエイトを軽くすると上手くいくと思います。

『アキュラシー』=スイング動作の正確さ

実際にシャドウをやってみた方は誰でも直ぐに気がつくと思いますが、少し足下がぐらつく程度でも、淀みのないスムーズなシャドウを繰り返す事は難しくなります。

言わんや、ルアーが描く軌跡が安定しなければ更にロッドはバタつき動作はすぐに破綻してしまうでしょう。動画のように1.5メートルを超える垂らしでルアーウエイトも重くなると、それがより顕著なものになります。そこで大切になってくるのが、『アキュラシー』=スイング動作の正確さです。

このシャドウでは、動作のスムーズさを保つために否が応でも、そのアキュラシーが求められます。はじめは50cm程度の短い垂らしで、タイミングとアキュラシーを意識してシャドウにトライしてみてください。そして馴れるに従って垂らしの長さやルアーウエイトを変えてみて、それぞれの条件でスムーズに淀みなくシャドウを繰り返すことが出来るようになった頃には、実際のキャスティングでもロッドテイップの不要なブレは自然に無くなってしまうでしょう!

ここまでマスターした方は是非こちらの動画を参考に予習をしていて下さい。次回はいよいよベイトロングキャスティングの核心に迫ります。

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