デカバスハンター・奥田学が提案する新次元スイムベイトフィネス「マイクロスイムベイティング」とは?



8月になるとバンタムシリーズの新作『Btベイト99SS』が市場投入される。わずか99mmのスモールボディを三連ジョイントで組み上げたルアー。監修したのは国内きってのスイムベイト使い手たる奥田学プロだ。今まさに、マイクロスイムベイティング元年が幕を開けようとしている。



稀代のビッグバスハンター・奥田学が導き出した“もうひとつの解答”

Btベイト99SS(シマノ)

【スペック】
●全長:99mm ●重量:7g ●タイプ:スローシンキング ●カラー:全12色 ●フックサイズ:フロント#8、リア#12 ●価格:2,600円(税抜き)●発売:2020年8月予定

よりベイトフィッシュに近い、サイズ、シェイプ、アクションの追求

ビッグベイトと呼ばれる、その名のとおりサイズの大きなスイムベイトは、使う季節やシチュエーションが限定されがちだ。この手のルアーを投げたことがあれば、バスが追ってはくるけれどバイトには至らず歯がゆい思いをしたアングラーも少なくないだろう。

それはもう大きさゆえの宿命であって、ジャイアントベイトを含め、四季を通じてさまざまなスイムベイトを使い倒してきた奥田学プロのことだから、デカいバスを圧倒的多数手にしてきた一方、目と鼻の先まで相手がルアーに近づきながら、すんでの所で見切られる悔しさも数えられないほど経験してきたに違いない。

とくにプレッシャーと水温がマックスまで高まるこれからの時期は、その傾向がより顕著になる。では、どうすればそのような状況下でも、リズムよく展開できる“巻き”の釣りでバイトの効率を高められるのか。

その結論こそが、マイクロスイムベイティングであり『Btベイト99SS』に他ならない。ルアーに対するバスのジャッジ、口を使わせられるか否かの線引きはやはりサイズに因るところが大きいと奥田プロは言う。

同じく奥田さん監修、全長19cmの『Btフォース(シマノ)』と並べてみるとコンパクトなサイズが一層際立つ。どちらもスイムベイトだが、威嚇行動に訴えるBtフォースに対し、Btベイト99SSはエサ。目的がはっきりと異なる。

奥田「だからといって小さくすればするほど良いかと言うと、そんな単純な話じゃない。それだと使いにくいでしょう、飛ばないし。しっかりディスタンスを稼いで巻いてくる、個人的にはそれがスイムベイトの釣りだと思っているからね。Btベイトのサイズは、バスがもっとも口を使いやすいマッチ・ザ・ベイトと操作性を両立する最適な大きさに落とし込んどるんよ

テールには柔軟性に優れた独自のソフトマテリアルパーツを採用。付け根のくびれた部分がジョイント同様に機能し、ボディアクションを伝達してチェイスからバイトへの“あとひと押し”をアシスト。3本同梱されている。

 
ヘッドの動きを伝達する三連ジョイント、捕食を促すソフトマテリアルのテール

99mmの小さなボディに、奥田プロの考える“スイムベイトかくあるべし”がぎっしりと詰まっているのである

アクションの基本はスローリトリーブ。ただ巻くだけで“ぬるっ”とした艶めかしいソラロームアクションを演出可能だ。食わせのハードベイトという点でバンタムシリーズのi字系『ジジル』と共通しているが、波動の強さやリトリーブ速度の対応幅においてBtベイトのほうがテンポよく探れる。

そしてBtベイト99SSを使ったマイクロスイムベイティングを完遂するため、奥田プロは専用のロッドまでも作り上げてしまった

今季バンタムシリーズに追加された『274L-SB』がそれである。





ゲームの質と精度を高めるには相応のタックルシステムが必要になる。

奥田「飛距離を出せるもんで、遠くに投げて、レンジコントロールしながらトレースしているときに、ノー感じだとやり切れんでしょう」

奥田プロが求めたのはBtベイト99SSが、『ちゃんと泳いでいることが分かるロッド』

バンタム274L-SB(シマノ)

スペック
●全長:2.24m ●継数:2※グリップジョイント ●仕舞寸法:196.8cm(グリップ長:226mm)●重量:107g ●適合ルアーウェイト:3~12g ●適合ライン:3~6lb ●テーパー:レギュラーファスト●価格:48,000円(税抜き)

スパイラルXは、軽さを維持したままネジリ強度とつぶれ強度を高めるシマノ独自の基本構造。ハイパワーXはネジレをさらに抑制する強化構造。どちらも最適なカーボンテープで巻き付けられた、ハイエンドブランクスの証である。

飛距離とファイト時のメリットからPEラインでシステムを組むのが奥田流。その想定でノントラブルなチタンフレームSiCリングのオールKガイド仕様となっている。

保管の際、274は長いと感じるかもしれないがグリップ脱着式のため仕舞寸法は6フィート6インチクラスと変わらない。

リールはステラC3000XG(シマノ)をセット。掛けた魚をいち早くカバーから引き離すためにもエキストラハイギア仕様が望ましい。ファイトのレスポンスをより高めるため、ハンドルノブを夢屋のEVAパワーラウンド型(Mサイズ)に変更している。

 
奥田プロの代名詞であり、陸王スピンの異名を持つ『274M』の系譜。ロングディスタンスという絶対的アドバンテージを与えてくれる7ft4in/レギュラーファストテーパーのブランクスは、感度が際立つエキサイトトップを採用したうえで、ベリーからバットにかけて驚くほど強靭な仕上りとなっている

ルアーの挙動を把握できるだけでなく、バイトに追従してオートマチックに掛けたかと思えば、ティップのソフトさとは裏腹に、50アップですら主導権を渡すことはない

逆の見方をすれば、最適なロッドでシステムを組みたくなるほど、この釣りは魅力があるということか…。

奥田「カバー際なんかを通したとき、そこにデカい個体がおれば結構な確率でそいつが食ってくるんよ。ヤワなロッドだとそこで負けちゃうでしょう。場合によっては、最初からPE0.8号にフロロカーボン10lbのリーダーで組むこともある。でも、そんな場面で竿が弱いとリフティングができんでしょ。このロッド、バットパワーは274Mと同じなんよ(笑)

バスを掛けたあとは、バットパワーでいなすことが可能。PEラインのセッティングであれば、ドラグきつめかつかなり強引なファイトであっても余裕で対応できてしまう。

 
ビッグベイトの対極にあるマイクロスイムベイティング。しかしその根底にあるのはやはり、ビッグバスへの渇望に他ならないのだ

“巻き”の最終手段

奥田プロはマイクロスイムベイティングをこう位置付けている。

それほどまで食わせに長けているということだ。ハードベイトの1カテゴリーとしてとらえ、自分の引き出しに追加できれば必ずや心強い味方として機能するだろう。

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