ビッグクローラーベイトの流行も一段落?し、多くのメーカーから様々な羽根モノがリリースされています。その一方で、スモールサイズの羽根モノも色々と登場しており、人気クローラーベイトのダウンサイジング版やトーナメンター自身が欲する武器など、様々なスタイルで開発されています。そんな中、メガバスが投入したのは、やはりというべきかその高い技術力をフル導入した最新&最先端のスモールクローラーベイトでした! 新製品スクープでも話題となったアイテムがいよいよデリバリー開始です!
アイウィングフライ
●全長:66mm●重さ:3/8oz●タイプ:フローティング●カラー:全14色
2019年にアイウィング135をリリースしたメガバスが、今年は羽根モノをコンパクト化!
ITOエンジニアリングブランドからリリースされたのがこのアイウィングフライなんです。
しかも単に小さくなっただけでは有りません。
メガバスらしさが濃縮されたこのルアーは、従来の羽根モノのキャスタリビリティを超え、あらゆるシチュエーションで様々な演出でバスを誘えるとか。
今回はその秘密、そして実際の使用感を紹介します。
ハネモノがコンパクトでなぜ飛ぶのか
圧倒的な飛距離をうたうアイウィングフライ。
その秘密はやはりというべきか、メガバスのお家芸とも言える重心移動システムの最新作・LBO2を採用しているからにほかなりません。
ですが、そもそもトップウォータープラグに重心移動システムを搭載することは本来あまり一般的では有りません。
その理由の一つとしては、ペンシルベイトやポッパーなどで、アクションのための重心がルアー後方にあり、そもそも後方から重心を移動させる必要が無いということ。
もうひとつが、スイッシャーやクローラーベイトなどに関して、水面に対して水平に近い姿勢で浮いていないと求める動きが出しにくい上に、ヘッド部分を下げた姿勢にし、重心位置を前方に持っていくためのきっかけとなる機構、言わばリップ的な役割を持つパーツを採用しにくいというのがその理由です。
僅かな傾きで前方にウェイトが移動するLBO2は、まさしくこの問題を解決するための最善策だったわけです。
こうして重心移動を搭載したコンパクト羽根モノのアイウィングフライ。
実際の立ち上がりやキャストフィールに関しては、使用感インプレッションの項目にて紹介します。
アクションレスポンスの実現1:シャフトベアリングバランサーと円筒形ボディ
かつてのクローラーベイトといえば、コアな使い方を除けばバシャバシャとそれこそクロール泳法のごとく水面を騒がせつつ泳がせるルアーとしての認識が一般的でした。
ところが近年流行したビッグクローラーベイトの影響もあり、とにかくアクションレスポンスに優れていることが重視されています。
もちろん、アイウィングフライはこの点もクリア。
LBO2を固定重心としてみたとき、前後に伸びる細長い形状のウエイトであると言えますよね。この重心設計というのがロールアクションに最適であり、ヴィジョン95から脈々と続くシャフトバランサーシステムの発展形である「シャフトベアリングバランサー」なんです。コチラに関しては、ORCバーニングシャッドの解説でも触れています。
加えてアイウィングフライは、ロールアクションを出しやすい円筒形に近い断面形状です。
左右の羽が交互にしっかりと効率的に水の抵抗を受けることで、クロールアクションから左右へゆらゆら揺れるアクションまで、幅広く機敏に対応するように設計されているのです。
アクションレスポンスの実現2:エラストマーウィングとボディデザイン
パッと見てわかるアイウィングフライの特徴として、エラストマー製のウィングがあります。
金属に比べて比重も軽いのでロールアクションのレスポンスを妨げることもなく、キャスト時の重心の分散も最低限で済みます。
さらには余計なフラッシングも発生しないため、フィネスアプローチにも適しているという利点まであるのです。
なお、エラストマーは金属よりも柔軟性に富む素材のため、大きな抵抗をアクションに変換するためのパーツとしてはあまり適していません。
このあたりの塩梅は、シグレやビートルXといったエラストマーウィング製品を多く展開してきたメガバスだからこその設計になっているのかもしれません。
ちなみに羽に文字が刻まれているのもメガバスらしいですよね。
また、LBO2の持つアクションレスポンスを活かすためのボディ形状も注目です。
ラインアイの下には、着水の衝撃で水面に潜った状態から素早く浮上させるために顎下がカップ形状になっています。
また、テールも上向きになっていることで着水の勢いを横方向へ逃がし、水平姿勢への素早い復帰を促すデザインになっています。
使用感インプレッション
実際にフィールドで使用してきたので、その使用感を紹介します。
キャスタビリティ
内蔵ウェイトがLBO2のみなため、キャスティング時にはすべての重心が後方に移動していることになります。そのためか、驚くほど飛びました。
風の抵抗も受けにくく、まっすぐ素直に飛んでくれる印象です。
慣れないと飛ばしすぎてしまうかもしれません。現に自分は岸際に投げようとして、何度もオーバーランして木に引っ掛けてしまいました(笑)
アクションレスポンス
重心が前方に移動している状態での動き出しは抜群でした。
スローリトリーブでもしっかりとユラユラ動きますし、早巻きはクランクベイトのリトリーブ速度くらいまでは十分対応しているイメージです。ただ、質量が少ない分、あまりにも速いスピードではアクションが破綻してしまいますので注意が必要です。
一方、重心が後方に移動している状態だとさすがに泳ぎませんでした。
また、着水した勢いから巻き出すと比較的スムーズに泳ぎださせることができますが、着水→ポーズからのスローリトリーブでは重心位置を前に戻すことができませんでした。この場合、はじめに一瞬でもしっかりとした力を加えて重心を前方に移動させることを意識する必要があるように思います。
リトリーブ以外の使い方では、エラストマーウィングの持つ弾力が良い働きをしている印象でした。シェイクではより移動距離を抑えることが出来ている様に感じましたし、トゥイッチによるテーブルターン&スプラッシュもピンスポットでより強いアピール力を発揮してくれているように思えましたよ。
タックル考察
3/8ozのLBO搭載モデルということで、その遠投性のはかなりのもの。また、アクション時のウィングの抵抗はそれなりに大きいように感じました。
これらのことから、ロッドはF3~F4(ML~M)が丁度いいのでは無いでしょうか?
長さに関しては、ピンポイントキャストで移動距離を抑えて使いたいのであれば6ft前半、ロングキャストや遠方でのフッキングを想定するのなら7ft前後が良いように思います。
ラインに関しては好みでいいと思いますが、個人的にはフロロカーボンの相性が良いように感じました。
というのも、フロロは水に沈みやすいラインですよね。
投げて着水後のポーズ時に先行してラインが水面下に入ることで、ファーストアクションはより頭を下げる方向(水中)に引っ張られやすく、重心移動システム内のウエイトの移動が、よりスムーズに行えるためです。
また、ストレートリトリーブで使うのであればラインの重さは気になりにくいですし、シェイクやテーブルターン&スプラッシュでも、羽の抵抗があるおかげでラインの重さに引っ張られて余計に動いてしまう心配も少ないため、その他のトップウォータープラグに比べてなおのことフロロが使いやすいはずです。
太さですが、一般的なハードベイトタックルで使う範囲であればどんなものでも大丈夫そうです。
リールに関してはお好みで構わないと思います。
編集部的アイウィングフライ推奨タックル
・ロッド:ミディアムライト~ミディアムパワー(長さはお好み)
・リール:お好みで
・ライン:フロロカーボン(10~14lbくらい)
遠投を意識するなら610Mのバイブレーションタックル、ピンスポット攻略ならジャークベイトやシャロークランクを使うようなタックルが適していると思いますよ。
カラーラインナップにも注目!
機能やディティールはもちろんですが、王道から独創的なものまで、ラインナップされているカラーにも注目です!
和銀オイカワIWF
和銀ハスIWF
和銀ITOアユ
ALコリドラス
GG ピーコックバス
GGドラド
HT ITOワカサギ
カスミITO
GP シラウオ
PM シルバーアロワナ
パガーニライギョ
ネロデイトナ
GP ティーザー
マットタイガー
クローラーベイトの枠を超えた? オールマイティートップウォータープラグ!
シャローフラットや水面まで伸びたウィードエリアなどの広範囲を素早く探ることもできるし、オーバーハングやアシ際のシェードをシェイキングでネチネチと誘うことも可能。立木や岩盤などの縦ストラクチャーに着く魚をテーブルターン&スプラッシュでコールアップさせたりと、水面であればその使用範囲は多岐にわたります。
季節やエリア応じて柔軟に使い分ければ、必ずや活躍してくれるはずですよ!
店頭で見かけた際は是非手にとって見てください!