ヘラ釣り! 実際の釣りからビギナーが思う楽しみ方。自分の釣り座を作るまで【未経験者が半年でヘラ王を目指す連載 #03】



前回の記事では、あまりにもやってみて面白すぎたヘラブナ釣りの魅力をかかり気味にまずは紹介させていただきましたが、今回は、ヘラブナ釣りの様子から順を追って、どんな釣りか。どんな部分が楽しいのか。ビギナー目線で、何に注目したのかについて解説します。まず、釣座。つまり、ヘラブナ釣りをするためのスペース作り。これが、結構ワクワクするんすよ!



ヘラブナ釣りビギナーの登竜門。「管理釣り場」にまずはエントリー

今回、お邪魔したのは、埼玉県幸手市の市営釣場「神扇池」。コーディネーターは、DAIWAのテスターでもあり、この池のチーフアドバイザーでもある田邊忠史さん。ヘラブラ釣りのプロアングラーです。

【Profile】
田邊忠史(たなべただし)

幸手市営釣り場神扇池で、チーフアドバイザーとして活躍する、ヘラブナ釣りのプロ。DAIWAのテスターとしても活動し、教え上手の褒め上手。今回の取材のち、すぐに筆者はヘラブナ不足になり、神扇池を再訪したのですが、その後も、早くおいで、早くおいでとLINEを送りつけ歯噛みさせる策士。いや、行きますって。暇できたらすぐ行きますって。

神扇池は、古くからヘラブナ釣りファンに愛されている管理池で、メッカと言われる埼玉県東部の象徴的なフィールドとも言えます。ですので、新コロナ自粛開けすぐでしたがお客さんも沢山。でも、ソーシャルディスタンス完璧、換気フルオープンで無問題ですよ(笑)。

神扇池ですが、一般1日券で1,800円、半日券で1000円。学生は1日800円、半日400円と、大人が遊ぶには震えるほど安い。学生の春夏冬休み中は50%引き。他にも割引制度あり。市営ということもあって特別安いですが、それ以外の私営釣り場でもリーズナブルな価格帯ですよ。

そちらに、当方のヘラブナ釣り記事連載の第1回目で紹介させていただいた、「へらブナつりセット旋(めぐる)」洗面器+エサセットだけを携えてお邪魔することにしました。他にはなーんも持って行ってないです。

ここで思ったのは、専用のバッグくらいは欲しいな。と。このセットは既にかなりコスパの良いヘラブナ釣りエントリーセットだとは思うのですが(製造元を尋ねたら、為替次第では赤字になるくらい儲けがないまさに啓蒙商品だったので、「売れて欲しいけど、ふふふ。苦しいのよね。これでヘラブナ釣りを始めてくれたら、ヘラブナ釣りの楽しさを1人でも多くの人に知ってもらえれば本望です….」とか社長さん遠い目をしてらしたのを忘れません)、+2000〜3000円くらいの専用で一式が収納できる何かがあれば、良い気はしました←製造元に鞭打つスタンス。

あ、メーカー完売したそうなので、この優良セットを手に入れられるのは小売店、ネット販売の在庫のみですよ! おはやめに!

釣り座選びにもコツが

神扇池は上記の写真のような桟橋が張り巡らされており、釣座スペースが設けられています。魚が集まりやすい1級のポイントみたいなのもあるようですが、カリカリの大会にでも出場しない限り、どこに座ってもいい気(釣果に大きな差はない)はしました。

田邊「あ、でも、風を背に受ける場所に座った方がいいですよ」

おお、なるほど。追い風になるような場所を探すのですね。さて、とりあえず今回は撮影もしやすい池の端に陣取って釣りをすることにします。

場所によるかと思いますが、神扇池はゴルフの打ちっ放し場のように釣り座が区画別けされていて、そこに釣り場に用意されているスノコを設置します。スノコにはセットにもついてる万力や、座布団などを設置でき、まず、自分の快適スペースを構築するという、前座作業があります。

アドバイザーとして田邊さんは控えていましたが、敢えて最初はアドバイスをあまり受けず、ほんのり予習してきた感じでそのスペースをこしらえていくことにしました。座布団に関してはセットにありませんので、今回は釣り場に借りることに。

神扇池ならそのあたりもお願いするとお借りすることができます。座布団をひいて、竿を置く万力もセット。セットのロッドを取り出して仕掛けを竿先に結びます。チチワ結び? ルアーマンにはあまり利用する機会のない結びですが、ちゃんとこーしろ、あーしろとセットの説明書に書いてありますので、しっかり読んでやれば誰でもできます。仕掛けはハリまで全部セットされているので、ウキを装着して万端です。

とりあえずここまでは意外に簡単です。記者は釣り経験者ですので、そもそも、ここまでは全く問題なし。仮に釣りを一切したことのない人でも、さほど難しくないはずですし、よほどのシャイボーイでもない限り、いっちゃいましょう! 頼っちゃいましょう!

「初めてなんで優しくしてください田邊さん!(神扇池の場合はスタッフ誰でも対応してくれると思います)」

ん。なんかこんな感じかな。座布団セットに入ってないからいるなぁ…。でも大丈夫、神扇池では貸してくれます。でもね、ヘラブナ釣り用の座布団が結構イケてるんす!


練りエサ。びっくりしたんですがいい匂いです!!

とりあえず、座布団貸してくれは後で、アドバイザーである田邊さんにお願いすることにしますが、エサが気になりますやん? ヘラ釣りのたぶんキモ中のキモだとは思うのですが、今回はセットのものを使うことに。

用意された定価ベースで1,000円程度の、エサセットは埼玉県民の誇る、地元企業マルキユーのエサが同梱されています。それに洗面器とタオル。軽量カップも入ってます。至れり尽くせり。

パッケージに浅タナ両ダンゴと記載されています。よくわからないけど、シャロー(水深が浅い)向けのエサなんじゃないだろうか? とか妄想します。正解はわかってから解説します。今は細かいことはいいじゃないですか。

作り方が書いてますので指示どうりに付属の洗面器でエサを練り上げます。

この手のエサって手につくと、なんとも言えない匂いでちょっぴり汚いイメージ。でもですよ、びっくり。今のヘラエサってめっちゃいい匂いなんです。ああ、旧約聖書の天から降ってくるマナを集めて練ったような! いや、転生前はヘブライ人だったんで遠い記憶を呼び覚ましたんすよ(妄想)。冗談はさておき、食べれるんじゃないかというくらい、香ばしさが。

田邊「今は、バニラチョコレートの香り入りのエサなんてのも売ってるくらいなので(笑)」

へぇ。女性アングラーや子供にも抵抗なく扱えそうですね。ガチ勢になったら、もしかしてヤバイ臭いのエサと対峙しなきゃいけないかもですが、最初の導入はフローラルな体験ができます。

仕掛けの準備、釣座作りはせいぜい15分〜30分。さぁ、釣りだ!

仕掛けは2種類。今回は、重りを起点に二股にハリが装着されており、1本は長め、2本目は短いという仕掛けをチョイス。コレ、きっと「何々仕掛け」とか名称があると思うのですが、細かいことはいいでしょう。きっと、こういう状況ならこのタイプ、違う状況なら……みたいな仕掛けの使い分けがあると思うのですが、そこはおいおい学んでいきましょう。

いきなり専門用語に雁字搦めになる必要もありません。テキトーでいいんです。そう最初はね。

レシピ通りの水加減で練りこんだ、ヘラブナのエサをとりあえず紡錘型に丸めて、この2本のハリに装着。なんかすぐにバラけそうだなぁとか思いながらもエサを早速振り込みます。キャストは遠心力を利用してやればさほど難しくないと思います。

さぁ、記念すべき1投目!



いつのまにか、座布団を借りてますがご愛嬌。

あれ!? ウキにいきなり反応!!

ちゃんと、ヘラを寄せると、途端に、コイツのあたりは少なくなります。ご安心あれ。

ブルーギルちゃんでした。本命ちゃうやん。しかも、イキナリ、ハリを飲み込まれて困りました。ででも、しょっぱなのトラブルで、あ、これは早々にハリ外しが必要だなと実感。ちなみにセットには入ってません。ヘラ釣り用の拘りハリ外しでも選ばない限り、たいした出費ではないはずなので、次回購入物品リストにインしときました。

さぁ、本命のヘラを釣りますよ!

と、ゲーム開始まで大した時間はかかっていません。この手軽さは素敵ですね。とりあえず、目標のヘラをなんとか釣り上げて、初見さんとして、もう少しレポートしてきますよ。

しかし、初っ端はブルーギルではありましたが、ウキウキしてきましたよ! そう、次回はヘラブナ釣りの「ウキ」という道具による楽しさをじっくり紐解いてみたいと思います。なにがそう! なのかわかりませんが、ヘラブナ釣りヤバイんだって(語彙力無し)!