バス釣りの手数が3倍!? 絨毯爆撃キャスト『フリッピング』の奥義を“フリッパー”馬路久史が解説!



スタンダードなキャストの精度はバス釣りにおいて重要である。しかし、状況によってはテクニカルなキャストが要求され、それが釣果を左右することもしばしば。故にあらゆる投法をマスターすれば、釣果上昇は約束されるはずだ! 今回はケイテック代表であり、フリッピングに最適な7.6フィートロッドを一挙に5種類もリリースするほどフリッピングを愛する馬路久史さんに、その要諦を解説いただきます。



教えてくれるのはケイテック代表・馬路久史さん!

【Profile】
馬路久史(まじ・ひさし)
ケイテックの名を世界に轟かせた故・林圭一氏の右腕であり、現在の同社代表。ケイテックからリリースしたカスタムロッドのレングスはすべて7.6フィートというほど、フリッピングを愛してやまない生粋のフリッパー。

フリッピングとは?

シャローのベジテーション攻略に特化した「絨毯爆撃釣法」

フリッピングとはリールの性能にほとんど頼らずキャストを繰り返す、対近距離カバー攻略方法。かつては専用リールがリリースされるほど一世を風靡したテクニックだ。ベジテーションカバーの豊富な釣り場では愛好家=「フリッパー」が多く、国内では牛久沼などが名所に該当する。

故・林圭一氏は国内におけるフリッピングの伝道師であり、その意思を受け継ぐ馬路さんはフリッピングにこうキャッチをつけた。

馬路「そうですね、言うなれば『絨毯爆撃釣法』とでも言いましょうか」

その意図とは!?

釣ることを突き詰めた近距離戦の完成形

メリット:キャスト数が3倍に! スポットのチェックはテクトロ級!?

フリッピングは手返しが抜群に良く、熟練者であれば通常のピッチングの3倍ほどキャスト数を増やすことが可能。さらに、引き手によるラインコントロールで弾速と距離感を自在に操ることができるため、アプローチの精度が非常に高い。

馬路「シャローのベジテーションカバーに潜むバスは状態的にアクティブでない場合が多いので、正確かつ着水音を抑えることができるフリッピングは、そのナーバスな魚を食わせる能力も高いです。手返しの良さから撃ち漏らしも少ないので、カバーできるスポットの多さはテクトロに近いとも言えます。ベジテーションエリアをテクトロすることはできないので、個人的には唯一無二のアプローチですかね」



コツは正しい道具選定!

フリッピングロッドといえば、7.6フィートが名レングスとされる。前述した通り、ケイテックのカスタムロッドもすべてそのレングスに統一されている。

ちなみにフリッピングにオススメのラインはナイロン30ポンド。「しなやかで扱いやすく、傷に強いので」と馬路さん。

馬路「フリッピングの場合、キャストできるディスタンスはロッドの長さに比例します。だからこそ、フリッピングロッドはロングレングスが重宝されるんです」

ディスタンスはロッドのレングスが握る

馬路「フリッピングの有効射程距離はロッドの長さの倍くらいです。ですから、7.6フィート(2.29メートル)のロッドを扱う私でディスタンスは最長3メートルほど。残りの1メートルは打ち込んだルアーをボトムまでフォールさせるための余剰になります」

馬路「ただし、ロッドは長くなるほど重くなるので、丸一日フリップしようと思ったらなるべく軽いモノを使ったほうがよろしいかと思います」

フライパン返しの要領で

フリッピングは、その手首の使い方がパンケーキをひっくり返す(Flip)の所作に似ていることから命名されたという。

手首をうまく使うのが正確なキャストのコツとなる。イメージはフライ返しだ。

アプローチはサイトフィッシングのごとく繊細!

フリッピングでのアプローチはサイトフィッシング並みに神経を集中させるという馬路さん。

馬路「実際にバスが見えてるわけじゃなくとも、バスがどこにいて、どの方向を向いていて、どうアプローチしたら食わせやすいかをイメージして毎投アプローチしています」

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