【未経験者が半年でヘラ王を目指す連載】として掲載してきた、初心者がへらぶな釣りに挑戦して半年でキングに上り詰める下克上企画。前回は、女子高生アングラーを招聘して、手頃なライバル役として活躍してもらおうと安易に考えていたら、その女子高生アングラー「千葉百々絵(ちばももか)」ちゃんのポテンシャルが高くて、連載主人公の座が下剋られそう! まさかなの展開の続きとなります!
のほほんとしてそうなへらぶな釣りなのに、どうにも泥臭いバトルに発展した事情については、前回記事を熟読のこと。
あらすじですが、へらぶな釣りの楽しさを、主人公たる記者がこの秋に開催予定だったへらぶな釣り大会で王者を目指して奮闘する様子を連載するというありきたりな内容を、ちょいと路線変更することにしたんです。
なにせ、コロナで予定の大会が中止になってしまったこともありましてね! で、それならばと、今、話題沸騰中のJKアングラー「千葉百々絵(ちばももか)」ちゃんを呼んで連載を盛り上げようと思ったら、ももかちゃんの釣り力がすごくてですね、これなら主人公は記者じゃなくていいんじゃね?ってなったところで今回の記事なのであります。
【Profile】
千葉百々絵(ちば・ももか)
あの秋丸美帆さんと同じDAIWAのフレッシュアングラーに選ばれ、ただいまメディアでの露出も急上昇中の釣りガール。女子高生ながら、鬼のような釣行回数でその頭角を表しつつある期待のアングラー。ルアマガプラス でも「ももかの100+100(百々で)魚種釣紀」の連載準備中。津本式公認技師でもある。
へらぶな釣りの楽しみ。ビギナーコース。「速掛けバトル」
さて、記者がへらぶな釣りへと初めてアプローチした際、1尾目にたどり着くまでに手間取ったのでありますが、ももかちゃんは、初見数分でなかなかのサイズのへらぶなをさっくりゲット。
それを見て、釣り歴40年のオジサンの小さな自尊心が砕け散ったわけです。が、追い打ちをかけるように、当連載、当記事、当記者の指南役でもある、へらぶなプロ「田邉忠史」は奥底に黒い笑いを噛み殺しつつこう言うたのです。
田邉「じゃ、フカポン。ももかちゃんと、せっかくだからYouTubeの撮影をしている利根川さんと僕との4人で、速掛け対決しましょうよ」
ももか「それ、楽しそ〜」
へらぶなの速掛けバトルとは、その名の通り、よーいドンで釣りをスタートして、決められた枚数を先に釣った人が勝ちという単純なゲーム。へらぶな釣りは、ビギナーズラックが起こりにくい釣りで、決められた時間内の総匹数や総重量数となると、ビギナーは正直、技術のある人にたちうちできません。
ですが速掛け勝負の場合、基本的に”実力差はでる”ものの、運の良さが加わると、万が一が起こりうる可能性を秘めています。その万が一は、「先に1尾釣った人が勝ち」といったように、釣り上げる尾数が少ないほど可能性が高まるのであります。
つまり、ビギナーとプロが勝負しても、「あ、天和だった!」「一巡目で断么九リーチだったんで」という具合に、ビギナーが勝つ可能性があるゲームなのであります。とはいっても圧倒に経験者有利なのは変わりません。田邉プロや、利根川名人が遅れをとる可能性は低いですが、初めて釣りをやるももかちゃんと、初めて数回の記者との差は、あるようで無いわけでございます。
田邉プロ的には、フカポンが女子高生に負ける可能性が比較的高いことに価値を見出したようです。もちろん、小生もその巧妙な罠については理解していましたが、初回と3回目でも差は出る。よもや、ももかちゃんには負けまい。いいや負けまい。とその誘いにのったのであります。
勝負は何度か繰り広げられました。
田邉プロはさっさと釣り上げてイチ抜け。その実力差を見せつけてご満悦です。イチ抜けした時点で勝負は基本的に終了なのですが、暗黙のルールで有耶無耶に釣りが続けられ、数度の勝負で何故か、ももかちゃんより小生は先に釣り上げられることができないのであります。
あれ? おかしいぞ? イチ抜け勝負とはいえ、そのあとのなし崩しゲームで、ももかちゃんを上回ることができません。
じゃ、最終戦で優劣を決しましょう!
田邉「じゃ、フカポン。最後は3枚速掛けバトルで!」
ももか「よーし! 負けません!」
フカポン「小娘ぇ! 調子に乗るのはそこまでだぁ!」
3枚。そう3枚速掛け。ふふふ。1枚ルールならば、ラックもあろう。しかし、3枚。それならば、実力が勝利の天秤に大きく影響します。ももかよ。聞け、ももかよ。ヲマイさんがいくら、神童と言えどそのルールならば一日の長があるワイが遅れをとるはずがなかろう。ヲマイの快進撃もそこまでだ!!
ももか「ということで、はじめますよ〜。よーいドン!」
フカポン「はやいな! いきなりだな! しかし! 負けられない戦いがここにある!! 全集中、メタボの呼吸。壱の型『腹揺らし!』」
ももか「えーと、じゃあ、『桃の呼吸』!!」
え? なにそれ、かわいい呼吸だねぇ。感心してる場合じゃなかった! そんなんで、百戦錬磨のヲッサンを倒せると思ったか小童ぁ! じゃなかった、娘っ子よ!
そう。オジサン、女子高生に対してガチで望んだのであります。いくら田邉プロが考えたフカポンを貶めよう作戦だとしても、本気でやれば俺は負けない。ここで負けていては「ヘラ王」なんて100年経っても無理だぜ。
勝負は大人気なく釣りに集中したこともあり、2枚オジサンが先行します。HAHAHAHAHA!! でなおしてきな! 気勢を上げるフカポン! しかし、ももかちゃん。伊達にSFAじゃぁありません。あっという間に並んだかと思うと….
ももか「3枚目、釣れました! 勝ちぃ! フカポンさ〜ん釣れてますか〜!」
田邉プロと、利根川名人が肩で笑っているのが見えます。ヲイ、見えてんだよ。そんなにおかしいか。そして、ももかよ。素晴らしい煽りありがとう!!
フカポン「ちょっとまったぁ!! ちゃんとそのハリ口の中に掛かってんのかぁゴルァ!!」
へらぶな釣りは紳士淑女のスポーツ。ハリはちゃんと口の中に掛かっていないとカウントしてはいけないというルールがあります。そして、結構、外掛かりしてノーカンなことがあるんです。そこを突いた大人気ない悲痛な叫びが神扇池に響き渡ります。見苦しいったりゃありゃしないね。
田邉&利根川&ももか「掛かってますよ♥」
フカポン「でしょうね!!(涙)」
1位は田邉プロ、2位利根川ちゃん、3位ももかちゃん、最下位フカポン
田邉。田邉よ。なんか仕組んだな。こうなるように糸をひいたのはお前さんだろ?
田邉「実力ですよ。さすがはももかちゃん!!」
あれだろ? 仕掛けとか、ちょっといじくったんだろ。怒らないからそっと教えてみ?
田邉「ももかちゃん、フカポンと同じ仕掛けだよ」
エサ。エサの配合が違うんだよな?
田邉「同じエサつかってたじゃないですか」
YouTuberの利根川さんも助け舟を出す。
利根川「ももかちゃんの勇姿は、YouTubeで! 動画が証明してくれるから!」
利根川よ。その件だが、動画は今回は無しでいこう。うん、そうしよう。
ももか「楽しみです!ありがとうございます!」
ももももももか、話を聞こう。大人の話を聞こうな? な?
こんな不正は認めない。トランプみたいに、ダダをこねてやる!
フカポン「わかった。今回は負けを認める。だが、実力で負けたわけではない。3枚速掛けという実力差がでにくいルールだから負けたんだ」
あれ?少し前に、実力の差が勝負の天秤に影響するなんてしたり顔で解説してなかったっけ? それにわかりやすい実力差通りの順位じゃね?
フカポン「次回の勝負で、再戦を求む。そう、あれだ。ちゃんと実力差が図れるルールで勝負しよう。それまでは負けは認めない」
田邉「それだと、ももかちゃんせっかく勝ったのに….。負けたら罰ゲームでもないとつりあわないでしょ」
師匠、師匠と呼んでいた田邉プロだが、もう前回から呼び捨てだ。おう、田邉よ。なんだよ、笑みを噛み殺したような顔してうれしそうかつ、その邪悪な提案は?
フカポン「万にひとつ、実力で負けるはずはなかろう!! 釣り歴40年ですよ? このワシが負ける? 負けたら10kgダイエットを敢行してやろうじゃないか!」
いや、もう既に負けてるんだけどね。見苦しいったらありゃしない。
ももか「じゅ、じゅっきろですか! だ、大丈夫ですかぁ?」
あ、うん、ちょっと言い過ぎたかも。でも負けるわけないから大丈夫だよ、ももかちゃん。たぶんだけど、記事書いてるのは某アメリカ大統領選挙前だけど、なんだかんだでトランプが勝っちゃうと思うから、たぶんおじさんも勝つよ!
試合はこの記事を書き終えたすぐ後の週末。
さぁ、結果はいかに。結果次第ではこの連載はこれで最後かもしれません….。いや、冗談です。書きますよ….。どっちにしろ、田邉よ。俺はお前を絶対に許さない。通信教育で会得した北斗神拳でふるぼっこにしてやるから、RIZINのリングを用意しとけ。