メッキは南方系のアジの幼魚の総称。成長すると釣りの中でも最もマッチョな釣りモノのひとつ「GT」として名を馳せる魚です。このメッキの引きの強さは幼魚時代からGTの片鱗を見せる強烈なもの。ここではそんなメッキを釣るための基本的な仕掛けやルアーローテ術、特に狙うべきポイントなどをご紹介します。
解説は「ビッグからスモールまで広くおまかせ」な中村豪さん!
【Profile】
中村豪(なかむら・たけし)
本来はオフショアジギングなどのパワフルゲームをメインに展開しているが、対極にあるアジングやメバリング、そして今回のメッキなどのライトゲームにも精通。スミス・フィールドスタッフを務める。
メッキ釣りは手軽でカンタンなライトゲーム!
秋が深まってくると楽しくなるのが「メッキ」の釣りです。メッキとはGT(ジャイアントトレバリー=ロウニンアジ)をはじめとした南方に生息する大型のアジ系の魚の、とくに幼魚のことを指します。
中村「幼魚とはいえGTというだけあって、そのゲームはかなりエキサイティングです。平均サイズは12~20センチというトコロですが、サイズの割りには非常にファイトが激しい。オカッパリで楽しめるので、気軽にチャレンジできるというのもオススメです」
タックルもライトゲームの流用でOK!
メッキ専用タックルがあれば理想的だが、最初はアジングやメバルゲームに対応したライトゲームロッドで十分。リールのサイズやラインの太さも、そのまま流用しても十分に楽しめる。
メッキ釣りの「テッパン」ポイント
その1:メッキは船着き場のスロープにつきやすい
中村「日中の太陽光で温められた入り江の奥の浅場は夕方には水温がピークに達するので、メッキが群れを成して入り込んできます。特にその入り江が船溜まりになっていて、スロープなどがあれば最高のポイントです」
スロープは浅いうえにコンクリート製なので太陽からの熱を吸収しやすく、他のエリアと比べても水温が上昇しやすく下降しにくいので、メッキにとっては居心地が良い場所です。また、魚食魚にとってはベイトフィッシュを追い詰めやすい場所でもあります。
その2:入り江の中でも潮通しのいい「出入口」をチェック!
中村「もうひとつ、入り江の出入口は周りより潮の動きが速くなって魚食魚が寄りやすい。いずれも夕マズメには水面付近が突然にぎやかになり始めるので、トップウォーターからのローテーションで攻めてみましょう」
メッキを釣るならまずは「トップウォータープラグ」から!
メッキは非常に好戦的な魚と言っても過言ではありません。トップウォータープラグにも激しくアタックしてくる攻撃性を持っています。そんなメッキを釣るために、ここではルアーの選び方をレクチャーしてもらいましょう。
中村「まずはトップウォーターからですね。僕はペンシルベイトを多用しますが、汎用性の高い水平浮きと、大型が選んで釣れる垂直浮きの2タイプを使い分けます」
ダイビングアクションが大型を誘う!【CB70PEN(スミス)】
シーバス用リップレスミノーから派生したトップウォーターペンシル。浮き姿勢は垂直立ちで、トゥイッチを加えるとダイビングアクションで水面を賑わせます。70mmと若干大きいこともあり、大型サイズやチヌにも実績が高いです。
微細ドッグウォークにメッキ悶絶!!【メバペンメバル(スミス)】
本来はメバル用のトップウォータープラグですが、トゥイッチすると細かいドッグウォークで水面を暴れ回り、コレがメッキに効果絶大! 特に反射板入りのネオンモデルへの反応が良く、もしもスレたらノーマルモデルへとチェンジしてみましょう。旺盛なメッキのアタックが復活するはずです。
トップの次は中層のメッキを攻略!
中村「トップの反応が悪くなったら、中層狙いのシンキングミノーです。常に細かいトゥイッチを加えながら巻き続けた方が、メッキからの反応は圧倒的に良いです」
水面直下を攻略できるマルチミノー【ウェイビーS 50mm(スミス)】
シーバスをはじめ、あらゆるライトソルトターゲットに対応するスローシンキングミノーの最小モデルです。姿は確認できるが水面を割るまでの活性がない、けれども食い気はありそう…そんな魚を水面直下で攻略できるシャローモデルです。
トゥイッチでメッキ、ただ巻きでコトヒキ【AKM48(スミス)】
ウェイビーSとは対照的なファストシンキングミノー。日中に表層レンジまで魚が上がってこない時は、若干沈めて細かいトゥイッチで攻略してみましょう。同じ場所でボトムレンジをただ巻きすると、コトヒキが食って来る可能性が大きくなってきます。
メッキには甲殻類パターンも! ボトムを探るルアーローテ
ボトム付近も探った方が良いでしょうか?
中村「もちろんです。回遊魚ですがエビやカニなど、ボトムを這い回る甲殻類も食べていますから。ボトムレンジを跳ね回るようなアクションのルアーや、メタルジグを素早くシャクってフォールさせるのも有効です。トップからボトムまで、いずれのルアーもトリッキーなアクションで操作するのがキモです」
ボトムを小突くようなワインドアクション【ボトムノックスイマーII(スミス)】
本来は渓流用のボトム攻略ルアーですが、ソルトウォーターでもその威力を発揮します。着底させても頭を下にして立ち上がるので、根掛かりしにくいのも絶大な利点。トゥイッチすると左右にダートしてトリッキーなワインドアクションを展開します。
素早く沈んで、素早く立ち上がる【メタルフォーカス(スミス)】
真昼間にメッキがまだ岸沿いまで寄り切らない時には、飛距離を出せるメタルジグで攻めてみましょう。ボトムに沈めてからの素早い立ち上がりで、沈み気味のメッキを上層まで引っ張り上げるパワーがあります。ただ巻きでもしっかり泳ぐのがメタルフォーカスの特徴です。