霞ヶ浦のゴミを釣り人みんなで大掃除!「53Pick Up! 秋の陣」に参加してみた!



今回で48回目を迎える釣り人を中心とした霞ヶ浦の清掃活動イベント、霞ヶ浦クリーン大作戦「53Pick Up!(これでゴミピックアップと読みます)」。日頃お世話になっている霞ヶ浦水系に恩返しをするため、ルアマガ編集部員の大場が実際にこのイベントを体験してきたぞ! 誰もが気軽にフィールドへの感謝を行動に移せる「53ピックアップ」は全国各地のフィールドで開催されているので、皆さんも参加してみてはいかが!?



思い立ったが吉日。とりあえず行ってみた。

みなさん、こんにちは!

度重なるデコにも負けず霞ヶ浦水系に足繁く通っては、帰りの釣具屋でルアーを買い漁る「散財系ドMアングラー」の大場です!

今回、11月8日に開催された霞ヶ浦の清掃活動イベント「霞ヶ浦クリーン大作戦『53Pick Up!』秋の陣」に参加してきたので、その様子をご紹介しようと思います。

「日頃釣りをしているフィールドのために何かしたいという気持ちはあるけど、そんな時間があったら1分でも多く釣りをしていたい!」

このような考えの人はいませんか?

というか、正直それは

そんな私のような考えでいる人にこそおすすめしたいのがこの「53Pick Up!」イベント!

年に2回だけ、午前中のたった2時間程度をお世話になっているフィールドのために使うくらいならできそうな気がしませんか!? ゴミを拾って、清々しい気持ちで気分よく午後に釣りを楽しめばよいのです!

なんなら、朝マズメにちゃっかり釣りをしてからイベントに参加する猛者もザラにいますからね!

「53Pick Up!」とは?

写真は第15回 高滝湖 53 PickUp! 夏の陣 2011の様子。(水辺基盤協会HPより抜粋)

今では全国各地の水辺で行われている「53Pick Up!」のゴミ拾いイベントは、1996年に霞ヶ浦で始まった釣り人による清掃活動に端を発しています。当時から霞ヶ浦に不法投棄されるゴミの量は目に余るものがあったそうです。その後、釣り人が釣り場や魚たちを守るために始めたこの清掃活動は、2005年に特定非営利活動法人(NPO法人)「水辺基盤協会」として認証され、現在まで活動を続けています。

若干緊張しつつ会場に到着!

11月8日、イベント当日。

ひとりだとなんだか心細いなぁと妻を誘ってみましたが、その日は用事があるらしく、結局ひとりで会場に向かいました。

小心者なので未知のイベントにひとり飛び込むのはちょっと緊張。

会場は土浦市にある「霞ヶ浦総合公園」です。

コロナ禍にも関わらず約300人の有志が集まりました。
参加者全員がマスク着用、手の消毒、検温、接触確認システムの「いばらきアマビエちゃん」への登録を行い、感染防止対策が徹底されました。

9時集合でしたが8:30には既に多くの人が集まっていました。感染防止対策もしっかり行い、皆さんやる気十分です!

受付完了。SDGさんのロゴが入ったゴミ袋数枚とキッチンペーパー、軍手などが配布されました。ステッカーは清掃活動後の軽食の引き換えに必要です。参加した記念にもなりますね。

弊誌ルアーマガジンの人気企画「琵琶湖艇王」でもお馴染みの昭和電機グループさんのロゴが入った厚手のゴミ袋。
「なまずん太」!? この参加証ステッカーを集めているコレクターがいるとかいないとか。

いよいよゴミ拾いスタート!

開会式などはなく、受付を済ませた人から各自好きな場所に行ってゴミ拾いを開始します。

会場の写真を撮影し終えた私もいよいよゴミ拾い開始! やるからにはこのSDGゴミ袋3袋をいっぱいにして帰ってきてやるぞ!

ここに「陸王」ならぬ「ゴミ王」バトルが静かに勃発したのです(ひどいネーミングだ……)!

※「陸王」は弊誌ルアーマガジンが企画する陸っぱりバス釣り対決企画。

レギュレーションは以下の通り。

【ゴミ王レギュレーション】
・時間内に集めたゴミの量の総重量をひとりで競う。
・ゴミのキーパーサイズは1cm以上。
・SDGゴミ袋3袋でリミットメイクとする。
・競技時間は9:00〜10:50。
・競技エリアは霞ヶ浦全域。車での移動も可とする。
・使用できる道具はゴミばさみなど自由。
・軍手は常に着用のこと。

勝負は約2時間、頑張るぞ〜!

あたりを見回すと集団でおしゃべりしながら楽しそうにゴミ拾いをする参加者の姿が。

初参加ということもあり、正直、これはひとりだとちょっと寂しいぞ! みんなでわいわいやったほうが楽しそうです。皆さんはぜひ、ご家族やご友人をお誘いの上ご参加くださいw

もちろん、ひとりで黙々とゴミ拾いをされている方もたくさんいらっしゃいますので、ご心配なく!

ゴミが見つからない!?

さて、勢いよく会場を飛び出したものの、土浦方面の土地勘がない私は、右に行くか左に行くかでまず悩みます。

1度だけ近くの備前川で釣りをしたことを思い出し、その方角へ向かいながらゴミ拾い開始!

「ゴミなんていくらでも見つかるだろう」とたかをくくっていたのですが……

意外と見つからない!

どうやら先行者に先を越され、人通りが多い場所のゴミはあらかた取り尽くされた模様。

先行者の行動予測とゴミが溜まりやすい(or捨てられやすい)エリアの選択。

まさかゴミ拾いでバス釣りのスキルが試されるとは。おそるべし「53Pick Up!」。

いきなり苦戦を強いられる中、なんとか待望の1尾目1つ目のゴミをキャッチしました!

ぎりぎりキーパーサイズか!? 先行者がいるエリアでなんとか1つ目を絞り出し、ホッとひと安心。




救世主現る!

ランカーサイズのゴミを探すもその後が続かず、ゴミ袋3袋のリミットメイクなど不可能ではないかと思われたその時!

かなりの大物を発見。

袋の中いっぱいにキャットフィッシュの骨が。このようなことはぜひやめて頂きたいです。

しかし、中身は大量のキャットフィッシュの骨。どのような経緯でここに遺棄されたかはわかりませんが、とても残念な気持ちになりました。

動物の死骸は持ち帰れないルールなので、あえなく諦めます。

「これひどいですよね〜」とマスクをつけた通りがかりの参加者に声をかけると、なんだか見慣れたお顔。

なんと草深幸範プロでした〜!

草深「あっちで(川村)光大郎くんと(佐々木)勝也くんもやってるよ〜」

ということで藪漕ぎをして備前川河口付近の川べりに出ると……

川村光大郎さん、佐々木勝也さん、そしてそこには大量のゴミが!

さすがバスプロ。湖流によってゴミが溜まりやすいエリアを熟知しているようです。

バスはいるべき所にいる。ゴミも溜まるべき所に溜まる。

バスプロは釣りだけでなくゴミ拾いも超一流!! 参りました!

やっぱりみんなで一緒に拾った方が楽しいですね〜! 大変お世話になりました!

水辺のゴミってどれくらい集まるの!?

バスプロの皆さんの手助けもあって(というかホボ、おんぶに抱っこ状態で)リミットメイク達成!? ゴミを集めるコンテナがある受付会場横の駐車場に戻ります。

参加費が1人1000円かかる「53Pick Up!」ですが、コンテナにゴミを詰めて運搬処理するだけでもかなりの費用がかかっているとのこと。参加費は、ゴミの処理コストが想像以上に莫大であり、水辺への不法投棄が罪悪であることを周知するためのものでもあります。

参加費はその他、安全にゴミ拾いをするための軍手やゴミばさみ、ゴミ袋の配布、軽食代、障害保険料などに充てられています。

多くの運営の方々によって支えられているこのイベント。感謝しかありません。ありがとうございます。

そして、今回参加者によって運ばれてきたゴミがこちら!

運営の方曰く、「いつもより少ない方かな〜」とのこと。
大物はこちら。こんなビッグフィッシュ賞は必要ないで〜!

ゴミ拾いの後は昼食のおにぎりとお茶、そして記念のタオルを頂きました!

「53Pick Up!」を体験してみて思ったこと

さて、今回参加させて頂いた「53Pick Up!」ですが、みんなで自分達のフィールドを綺麗にするという取り組みは、やり終えてみてとても清々しい気持ちになりました。

また、ゴミの中には上の写真のような釣りとは関係のないゴミが多い一方で、釣り糸など明らかに釣り人が出したゴミも数多くありました。

この活動をどのように捉えるかは人それぞれだと思います。

私自身は自然環境のためにちょっといい事ができたなと内心思っています。

環境保全に関わる様々な取り組みは、それを偽善的だとか環境意識高いアピールだとかビジネス目的だとか言う人が、もしかしたらいるかもしれません。

そういった側面ももちろんゼロではないと思いますし、正直、私自身も今後釣りをしていく上での免罪符にしている部分はあります。

考え方・捉え方は人それぞれですし、本来個々人の思想は自由です。ただ、今回の取り組みで「霞ヶ浦のゴミが減った」ということは紛れもない事実。

この参加者の「行動」とそれによる「結果」だけに目を向ければ、純粋に素晴らしいことだと思うのですがいかがでしょうか。

より広範囲で見れば、霞ヶ浦のゴミが別の場所に移っただけで地球全体のゴミの量が減ったわけではないですから、ゴミ自体の削減も大きな課題。これはまた別の次元の話ですね。

そして何より、参加者自身がこの「53Pick Up!」から大きな活力をもらっていることは、コロナ禍にも関わらず300もの人々が自主的にこのイベントに集まっている事実からも垣間見られた気がしました。

当然私はイベント終了後、近くの流入河川に直行し、半日釣りを楽しみましたよ!

釣果はお察し下さい……

「53Pick Up!」の詳細はこちら

NPO法人水辺基盤協会主催の「53Pick Up!」活動は日本全国のフィールドで開催されています。下のリンクからぜひチェックしてみて下さいね!

釣り場でゴミを捨てるのはやめましょう!