バス釣りにおいて、中層は手つかずのレンジであることもしばしば。水中の見えない世界を釣らなくてはならず、慣れないうちは有効な攻めを繰り出すのが難しかったりする。今回は、バス界屈指のオールラウンダー・五十嵐誠さんに、はじめての中層攻略におすすめなリグを2つ教えて頂きました!!
教えてくれるのは中層攻略のスーパーエキスパート!
【Profile】
五十嵐誠(いがらし・まこと)
2017年までJBトップ50に参戦。現在はJBマスターズプロとして野尻湖戦を中心に大活躍中。19年にルアーブランド「フォロー」を設立。がまかつ、SDGマリン(昭和電機)、ジャクソン、サンラインからサポートを受ける。ラグゼ ゼフィロス・シリーズの監修者でもある。
前回のおさらいはこちら
中上級者の登竜門! それが「中層」の釣りだ!!
「今回のテーマは『中層攻略』ですが…実際かなり難しい世界ですよ」と話すのは、JBマスターズメンバーの五十嵐誠さんだ。
【Profile】
五十嵐誠(いがらし・まこと)
2017…
前回は五十嵐さんに中層攻略における基本的な考えや操作、レンジ把握、タックルについて解説して頂きましたが、今回は中層攻略の初歩的なリグととされる「フリーリグ」と「ネコリグ」について解説して頂きます。
バスを低層側に追わせ、スローな動きで食わせる「フリーリグ」
五十嵐「バスがベイトの上に着き、捕食のために群れに突っ込みはするんだけど、なかなかエサを追い切れない。そんな状況で活躍するのが『フリーリグ』。おすすめの使い方は、シンカーが先に着底してからのフリーフォールでしょう」
誘いの流れは以下の通り。
①まずはフリーリグの高速沈降でベイトのいる水深まで沈める。
②バスにリグの存在を気付かせ、そのまま低層まで追わせる。
③シンカーが先に着底すると、ノーシンカー状態のワームが速度を落とし、ゆっくり沈む。
③のときにバスが追いつき、バイトするのだ。アクションに緩急を付けやすく、追わせて食わせる操作をしやすいのが強みである。
五十嵐「ルアーが着水したら、クラッチを切った状態で、竿先を軽くあおってラインを出す(指でラインを引き出してもOK)。そのまま底までフリーフォールさせ、シンカーが着底したら、今度はラインを張らずに待ちます。
ワームがノーシンカー状態で沈んでいるときが食わせのチャンス。ワームが着底したら、ズル引き、もしくは1〜2回のリフトを試してから回収する。これを繰り返します。
魚が当たるとラインがいずれかの方向に走るので、糸フケを巻き取ってから合わせましょう」
フッキングは「バスの向き」をチェックしてから動作に移るべし!
五十嵐「フッキングは至って簡単。アタリ(ラインが走るなどの変化)を感じたら、糸フケをしっかり巻き取ってからアワセる。
このとき、もし余裕があれば、バスがどちらに頭を向けているかを確認する。ラインが走る方向(=シンカー)に、ワームがある(バスいる)とは限りません。よってアタリを感じたら、まずは糸フケを巻き取り、シンカーを浮かせた状態を作る。これでバスの頭の向きを想像しやすくなります。このようにバスの向きを確認してからアワセに移行するといいかな」
五十嵐的!フリーリグおすすめルアー
3in試作クローワーム(フォロー)+ワームフックLDマスター#1/0(がまかつ)
五十嵐「ツメや足などのパーツが付いたクロータイプは、コンパクトボディながらバスに対して強アピールできる。ノーシンカー状態で自由沈降させるときは、エビが中層を漂う状況を演出しやすい」
鬼ヤゴオオオオン2in(ジャクソン)+ワームフックLDマスター #1/0(がまかつ)
五十嵐「2inの『鬼ヤゴオオオオン』を使います。通常はボディの前後にラバースカートが2セット装備されていますが、これを追加することで水の抵抗が高まり、よりスローにフォールさせられる」
五十嵐「使用するのはクローワームや虫ワーム。他にもギル型ワーム、スティックベイトなどを使うのも有効。野池などのカバー撃ちで使用するワームなら、基本的には何でもOKですよ」
また、五十嵐さんは14lbのラインに、3/8oz前後のシンカーを通し、先端にLDマスター(がまかつ)を結束する。
五十嵐「LDマスターは福島健プロが監修したオフセットフック。アイが大きいので、操作中にシンカーがワームに当たるのを防げる。つまりワームがズレにくいんです。フリーリグを組むのにぴったりです」
五十嵐的!フリーリグタックルセッティング
ラグゼ ゼフィロスB68ML-RF(がまかつ)
五十嵐「元々ライトプラッギング用ながら、超軽量な炭素素材・トレカT1100Gを採用することで、シェイキングなどの細かな操作を多用するワーミングでも使いやすい。掛けの釣りに対応する先調子で、しかもベリーからバットが強いので10g前後のシンカー(リグ)も全力で振り抜ける」
沈みは速いが、横の誘いは超ゆっくりな「ネコリグ」
五十嵐「ネコリグはフォールスピードが速いのが強み。ワームの先端にネイルシンカーを仕込むことで、フォール時は頭からストンと沈む。余計な水の抵抗を受けないから速度が出ます。それでいてフックがボディの真ん中付近に付いている。これにより、アクション時は水の抵抗を強く受け、かなりゆっくり誘えるんです。シンプルながらとても使いやすいリグです」
五十嵐さんによれば、大まかな誘いの流れはフリーリグと同じとのこと。速めのフォールでリグを追わせ、スローなアクションで食わせる。誘いの緩急でバイトを誘うのだ。
五十嵐「フリーリグと同じく、沈みが速いのが特徴なネコリグ。深場攻略でも効率的に釣りを展開できる。そして狙いの水深に到達したら、小刻みに連続トゥイッチを入れる。水の抵抗を利用し、ボディを広げたり縮めたりさせながらウネウネと誘いましょう。
普段はボトムでやることを、中層でやるだけなので難しくありません。なお、底に着いたときは、ボトムバンプで目立たせるのもいいでしょう」
使用するのは、4in前後のストレートワーム。これをバスの群れが浮いている中層でふわふわ、うねうねと誘ってやるだけ。操作法は小刻みなトゥイッチのみ。事前に足元でアクションを確認しておこう。
五十嵐「ほかにも『フォロースティック3.2in(フォロー)』をネコリグで使うのも有効です。これはスライドフォール+左右のダートで誘えるのが特徴ですね」
五十嵐「フォロースティックは、高速スライドフォールするのが利点。沈降中にルアーの存在を気付かせる力が強い。狙いの水深に到達しら、トゥイッチを入れて左右にダートさせる。そしてラインテンションをキープし、カーブフォールでバイトを誘う。これを繰り返すのが基本。
バスはいったん捕食すると、ワーム素材ならすぐには吐き出さない。糸フケを巻き取ってから合わせましょう」
バスは確実にいるのに口を使わないとき、さらにアピールが欲しいときなどに試したい。なお、五十嵐さんはシンカーはオールラウンドに使える0.9gを基準に、深場を攻めるときは2.2gまでウエイトを増やす。
一定レンジを引くのがキモなので、前回紹介したカウントダウンでルアーの潜行深度をしっかり把握しながら操作しよう。
五十嵐的!ネコリグおすすめルアー
スワンプミニ(レインズ)+ワームフック コンタクトマスター #6(がまかつ)
五十嵐「3.8inのストレートワーム。フックは、ボディの真ん中よりちょっと前にセットするのが基本。前方にはネイルシンカーを刺すので、具体的には4:6くらいの位置に付けると“ちょうど真ん中”くらいになる。これによって水をしっかり受け、ボディを伸び縮みさせてバスを誘えます」
フォロースティック3.2in(フォロー)+ワームフック コンタクトマスター #6(がまかつ)
フィッシュライクなリアルボディ+わずかな水流を受けるだけで微振動を発生する二股ピンテールを搭載した次世代スティックベイト。背中のフィンの先端にハリ先がくるようにタテ刺しするのがコツだ。なお、このモデルはワッキーチューブが入らないので、そのまま使用してOKとのこと。
ネコリグはマスバリにストレートワーム+ネイルシンカーが基本形。五十嵐さんは水深に合わせてレインズのTGネイルシンカー1/32oz(0.9g)から5/64oz(2.2g)を使用する。また、ボディの身切れを防ぎ、ロッドアクションを積極的に付けられるようワッキーチューブを付ける。
五十嵐的!ネコリグタックルセッティング
ラグゼ ゼフィロスBS61L-F(がまかつ)
五十嵐「ネコリグは、水の抵抗を受けやすいのが特徴。それゆえにロッドは、Lパワーのチューブラーモデルを使用する。竿先が硬めのほうが、トゥイッチやシェイクを入れたときにワームにしっかりアクションを伝えられる。なお、僕は取り回しを重視して、全長6ft1inを使います」。