何かに取り憑かれたように釣座についた、ももかちゃん。そして
仕掛けを変えたこともあり、感覚が両だんご仕掛けと少し違う。ただ、仕掛けを変えてすぐに、ヒットしたりと確かに、現況にはマッチしていることがわかるし、田邉プロの仕掛けということもあり、非常に使いやすい。
使いやすい理由は連載で追って復習するが、やはり、単純に見えてへらぶな釣りの仕掛けは繊細さがもとめられるのだ。mm単位でテグスの長さを図ったり意味あるの?と思っていたのだが、甘かった。意味があるのだ。
どちらにしろ田邉プロの仕掛けが良いことはわかるが、如何せん時合は過ぎ、なおかつ腕がともなわないフカポン。7尾釣り上げ、追い上げには絶望的状況だ。
しかも、休憩していたももかちゃんが、ふらりと現れた。そして、釣座に座ると、おもむろに釣りをし始め、ウンウン、ぶつくさ言いながら苦戦しているフカポンを尻目に、簡単にへらぶなを釣っていくのである。
あれ? もう仕掛けは一緒だし、餌も一緒だよね。ということは?
田邉「フカポン。わかってるでしょ。腕だよ腕の差」
ももか「フカポンさん、今日は結構釣れますよね〜♪」
フカポン「……。彼氏ができない呪いを掛けてやる!!掛けてやるからな!!!」
ももか「‥‥あ! 釣れた! これ大きぃぃぃぃ!!」
オジサンの呪いの言葉をかき消すように、へらぶながももかを守るようにそこで釣れた。しかもかなりの大物のようだ。その1枚、その1枚をわけておくれよぉ!
うらやましいな。なんでももかには釣れるんだ?と指を加えて、きゃっきゃと喜ぶももかちゃんを横目で見ていたのだけど。ももかちゃんが怪異な行動をとりだす。いいサイズのへらぶなだったから、テンションがあがったのか、そのへらぶなを、おもむろにスカリに入れたのである。
一同「あ? なんで? なんで入れたの??」
ここでももかちゃんも気づく。
ももか「あああああ!? 超えましたよね? あれ??? 入れた魚出してよかったでしたっけ!?」
田邉「だ、ダメだよ….. 確か12枚か13枚、すでにスカリにいれていたよね」
ももか「ああああああぁああぁぁ……」
そして試合時間が終了。計測なのである。思い出してね。スカリに入れた魚が8kgを超えると記録もつかないルール。つまり負けなんだよね。ワンチャンあると思うけど、超えてる気配濃厚。
運営「千葉百々絵選手〜8.13kg!!」
えーとね、フカポンは6枚しか釣ってないからね。どーやったって、ももかは勝てないよ。ドボンだしね。
フカポン「まあ、実力ですね」
勝負に負けて、試合に勝った? いや。釣神様はオジサンに優しいんすよ。まじで。ももかは、もう少し世間の荒波に揉まれて、大きくなっておいで。オジサンが勝者として、また釣りにエスコートしてあげるよ。なぁに、何事も経験じゃけぇ。
この読者的には、なんかモヤモヤする結末。オジサンのせいじゃないからね。ももかのせいだからね。
この展開をネタでなく素でやってのけた若きアングラーに拍手を。
後記。ももかちゃん、釣りが好きすぎて手を痛めてしまい、手術することに。ということで、完治するまで、少しだけ釣りを自粛。2021年度春には復帰予定ですので、完治したら満を持して、釣りの連載を始めましょう。ここからはネタではなく、本当に釣りが好きで好きで大好きで、関東に引っ越してきた女の子です。とてもお世辞でなく釣りのセンスのあるバイタリティあるキャラクターなので、ルアマガプラスでは全力で応援していく所存。これからの活躍にも、ぜひ期待してくださいね!
ということで、へらぶな釣りが楽しい釣りであることを、証明できたかな? 次回からは、ようやくですが実践的なお話を少しづつさせていただこうとおもいます。まだ、へらぶな王には遠いですが、そこを目指して、この釣りの楽しさを皆様にこれからも提供していきます。
何卒、よろしくおねがいします!
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