先輩ヅラしながら、へらぶな釣りの世界にJKアングラーの「千葉百々絵(ちばももか)」ちゃんを引き込み、その釣りの面白さを啓蒙しようとたくらんだワケですが、その絵図はあくまで自分が主役。しかし、若き才能ある釣り力を発揮し、主役の座をあっさり脅かした「ももか」。本企画の主役たる記者はへらぶなプレ対決でことごく敗北。そして….
【Profile】
千葉百々絵(ちば・ももか)
あの秋丸美帆さんと同じDAIWAのフレッシュアングラーに選ばれ、ただいまメディアでの露出も急上昇中の釣りガール。女子高生ながら、鬼のような釣行回数でその頭角を表しつつある期待のアングラー。ルアマガプラス でも「ももかの100+100(百々で)魚種釣紀」の連載準備中。津本式公認技師でもある。
へらぶな釣りの東の聖地で繰り広げられる大会で
本当の主役を決めようじゃないか
へらぶな釣りは楽しい。楽しいけど、めんどくさそーな強面のベテランや、ひとつ聞いたら2時間くらいは説教含みの技術論を語られて、もう嫌だとなりがちなへらぶな業界。そんなこんなで、初心者がとっつきにくいなんて話もあるので、じゃ、言うこと効かない系、気にしない系アングラーでもあり、ルアマガプラスのゲリラ特記戦力記者フカポンが、いっちょマイペースに、この釣りの楽しさを皆様にお伝えします!と記事を連載してきました。
若くエネルギッシュな華が欲しいということで、途中、女子高生アングラーのももかちゃんを招聘し、企画を展開しようとしたわけですが、DAIWAフレッシュアングラーの肩書は伊達じゃなかった….。あっさり、へらぶな釣りの先輩である記者のテクを抜き去り、技術的にも一歩抜きん出た…というのが前回記事までの大まかなあらすじ。
3歳から釣りを始め「天上天下釣果独尊」と言い放ち、釣りの申し子と言われてきた(自称)釣り歴40年以上を誇る記者が、息子と同い年の女の子に負け続けるなんて、いくらプライドがちっぽけと言えど許せません。そこで、当記事の舞台となっている埼玉県のへらぶな釣りの聖地と言って差し支えない幸手市「神扇池」で開催されるとある大会で白黒つけようぜ、ももかよ!となったわけです。
実際は、プチ勝負でどうしても勝てないのは本気の大会じゃないから実力を発揮できなかったという見苦しいオジサンの再戦お願いします!なんだけどね。
神扇池の大会はMAX8kgにどれだけ近づけるかということを競う
みんなが楽しめる、へらぶな釣り大会だった
さて、去る10月24日に開かられた埼玉県幸手市の神扇池で行われたへらぶな釣り大会のルールはこんな感じでした。
釣った魚をスカリに入れ、そのヘラブナの重量が8kgに近い人が勝ち! ただし、8kgを超えるとドボン!(記録にならない0kgとなる)。一度、スカリに入れた魚は交換できません! 秤の使用は途中はもちろんできないよ!
このころの、神扇池のへらぶなのアベレージサイズは600gから700g。つまり8kgとなると12枚から13枚と仮定できます。その塩梅を予測しながらスカリに魚を入れていく必要があります。
単純な枚数勝負ではないので、初心者からベテランまで優勝のチャンスはあるわけですが、どっちにしろ上記の重量ラインまで釣果は挙げる必要があるわけですね。
さぁ、いざ試合開始! ももかvsフカポン
試合はほぼ、公平な試合条件。
ただ、フカポンは自分で買ってきたフックだとか仕掛けだとかをセット。ももかちゃんは神扇池のレジェンドアドバイザーであり、本連載のへらぶな釣り指南役でもある田邉忠史さんに、仕掛けをセットしていただくことに。
フカポンはなんとなく、ちょうちんの両だんご仕掛け。簡単に言うと、竿先の長さとおなじくらいの場所にウキを落として、2本針に練りエサをつけて狙う方法。高活性時の定番の仕掛け。少しだけ2本の針には水深差があります。
田邉「一応ね、仕掛け作りギブアップしたら僕が組んであげるからね、フカポン」
【Profile】
田邊忠史(たなべただし)
幸手市営釣り場神扇池で、チーフアドバイザーとして活躍する、ヘラブナ釣りのプロ。DAIWAのテスターとしても活動し、教え上手の褒め上手。格闘技も嗜む武闘派だが、優しく釣りを教えてくれる。初心者へのアドバイスも的確なので、池に行ったら頼るべし! フカポンの師匠をかって出てくれるが、様々な罠を仕掛けて、どんどんと罠にかかる様子を楽しむドSでもある。
意味深な笑みを浮かべていますが、そんな難しい仕掛けでもねぇのに、差なんかでねぇよ!と内心思っており、あまり気にもしませんでした(これが実はダメ)。
ももかちゃんは、ちょうちんのウドンセット。2本針までは同じですが、上の針には寄せるためのダンゴ、下針には食わせのためのタピオカ(うどんでもOKだけど、黄色に着色したタピオカを今回は使用していました)。という仕様。
仕掛けが違うという以前の圧倒的な釣果差に絶望
ということで試合スタート。なぁに、数釣り勝負じゃない。きっちりへらぶなを釣って、スカリに入れていけばいいだけ。12枚前後釣ったら、あと1枚を入れるか否かを考えればいいだけ。じっくりいこう。じっくり。そんな感じで釣りに取り組んだのですが、どうもセンスがないようです。
ぜんぜん、うまく釣れないハマらない。
一方、ももかちゃんは、よいペースで釣果を重ねていきます。
ももか「わー。フカポンさん釣れてますか〜♪ ももかは順調です!」
フカポン「む。なぁに。俺はやればできる子。末脚、大器晩成型だから、いずれ追いつくよ!」
だいたい、“やればできる子”とか“大器晩成”だからと言われるタイプの人は大成しない。若人やちびっこ読者よ。そういう言い方を大人がしたときはピンチだから心を入れ替えて努力したほうがいい。やらないからできないのだ。やらないグセをつけるとフカポンのようになるぞ。日本語に騙されるなよ。
そして自らそういう言い方をする大人は特に信用してはダメだ。
そして….
どうなってんだよ田邉!! ほぼ公平なんじゃなかったのかぁあああ! ももかは13尾をスカリに入れて、8kg近辺を狙い終了。試合終了2時間前でまだ、フカポンは5尾!! あと7尾は釣らないと勝負にもならねぇ!!!
自分の腕を棚に上げて切れるの良くないよね。ちょっと思い返す。仕掛け。仕掛けか!? まさか、ウドンと両だんごに差があるのか!?
田邉「あのね。両だんごは悪くないんだよ。秋とかへらぶなの活性の高いシーズンには。でも、ちょっと周り見て。大会だから人も多いし、今日は週末の土曜日。さすがにスレてるんだよね。そうなってくると、両だんごより、寄せて下のウドンで食わせのキッカケを作る、ウドンセットのほうが、状況的に良いんだよね〜」
田邉。田邉よ。ちょっと体育館裏に来い。RIZINの選手だからってビビると思ってるのか。そういう説明ははじめにしろよ!!
田邉「んなこと言うけど、フカポン。自分が作った仕掛けでやるってきかなかったじゃん。で、たぶん仕掛けだけのせいじゃないよね」
してやったりみたいな顔やめろ。やめろ!!
ぶっちゃけ、釣り負けているのは仕掛けのせいじゃないんだけど、仕掛けの精度はかなり重要だということは認識しておいたほうが良いとは田邉プロのアドバイス。で、もう一度、言うけど、仕掛けのせいにしたいフカポン。お前はダメだぞ。
田邉「例えばなんだけど、フカポンが使っていた仕掛け。おもり軸なんだけど、ちょっと今使っている仕掛けには合わないんだよね。うまくいかなかったでしょ。あとねぇ、オモリの巻き方もダメ。仕掛けはシンプルにていねいに、精度良く作れるか作れないかで釣果はかなり変わるからね」
そう、田邉プロのおっしゃるとおり、へらぶな釣りは仕掛けの精度が非常に大事な繊細な釣り。これだけは、覚えておくと良い。へらぶな釣り上達の大きなキーポイントのひとつと言っても過言ではない。
….負けるわけにはいかない。田邉仕掛けでオネシャス!!!
残り2時間。釣りの腕、センスの差はあるにせよその差を埋めるには自分の作った仕掛けでやり通すという当初の目標をあっさり破棄し、田邉プロの精度の高い仕掛けが必要だと悟ったフカポン。
フカポン「頼む!そのウドゥン仕掛けを俺にくれっっっ!」
ということで、仕掛けを提供してもらい、釣りを再開する。あと2時間で最低7尾!!!!
ももか「私は取り敢えず休憩しまぁす!」
ももかは、すでにリミットメイク(規定重量に近い状態で釣りを終えている)。これ以上釣っても、ドボンの可能性があるので、ある意味結果待ちなのである。
フカポン「ももかよ!! その余裕が命取りだっ!!!」
っていったって、もうあとは天命待つだけだし、いくらフカポンが仕掛けにマッチしたからって、急激にはうまくならないでしょ。こりゃ、ももかの勝ちだね。と、誰もが思った。田邉さんも、同情気味で、、、負けるにしてももう少し、差を詰めないと記事になんないんじゃない?みたいな雰囲気に。
だがしかし。マサカが起こるのだ。ももかよ。勝負とはこういうものなのだ….
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