一般的に言うと、クランクベイトに比べてミノーはアピール力に劣ると言われています。ですが、そのリアルなシルエットが醸し出すミノーの雰囲気はクランクベイトに無いもので…。でも実はこれらのいいとこ取り的ルアーが存在しているんです! そんな画期的ルアーの解説を、自身が生みの親でもある大人気琵琶湖ガイドの永野総一朗さんにお願いしましょう!
琵琶湖生まれのハイドアップ産超実戦的ミノー
現代シャッドテールワームの祖『スタッガーオリジナル』や、ギル型ワームの元祖『スタッガーワイド』、奇妙奇天烈だが圧倒的な実力を持つ『コイケ』など、数々の名作を生み出すハイドアップ。
ソフトベイトの活躍が印象深いメーカーではありますが、実はハードルアーにも強いメーカーなんです!
特にクランクベイトのHUシリーズといえば、琵琶湖界隈では知らない人はいないであろうくらいの名作!
表層からディープまで、幅広いレンジをカバーするシステムクランクとして、多くのアングラーに愛用されているんです。
そしてこのクランクベイトに並ぶかもしれない、新たな名作の予感バリバリなルアーがHUミノーなんです!
HUミノー
全長111mmのモデルにはフローティング、サスペンド、ソルトゲーム用のシンキングタイプの3タイプが、全長77mmのモデルにはサスペンドタイプの計4種類がラインナップされています。
形状
ボディは頭からテールの先まで、体高のある範囲が長いデザインとなっており、側面がフラット形状となっているため、サイドの平らな面が非常に広い設計となっています。
また、そのサイド部分にはHUミノーの最も特徴的な部分である、スリットが設けられているんです。
このフラットサイド形状とスリットの組み合わせにより、従来のミノーには無い、圧倒的な水押しを獲得! これこそがHUミノーの真価なんです!
リップ
少し幅が広めのショートトリップを搭載。
タダ巻き、ストップ&ゴー、ジャークと、あらゆる使い方に最適なバランスが吟味されています!
ウェイト
111と77のサスペンドタイプはマグネット式の重心移動を搭載し、細身&フラットサイド形状でありながら抜群のキャスタビリティを実現。
一方、111のフローティングタイプでは、浮かすことに特化! ノンウェイト設計を採用することで、圧倒的な浮力を獲得しています。
フック
111は#6のトレブルフックを3つ、77は#8のトレブルフックを2つ搭載しています。
カラー
HUミノーは豊富なカラーラインナップも魅力的!
111のサスペンドモデルには定番のベイトフィッシュ系カラーからトラディショナルなカラーをラインナップ。
Weight:約17g
Type:Suspend
111のフローティングモデルはお馴染みのカラー以外にも、浮かせて使うことを前提とした視認性に優れるカラーが採用されています。
レンジ:1m
おすすめラインサイズ:フロロカーボン12ポンド
77にもベイトフィッシュライクなカラーが多く取り揃うほか、膨張系カラーもラインナップされており、あらゆるフィールドが想定されているのが嬉しいですね。
全長:77mm / 自重:5g
タイプ:サスペンド / 潜行深度:50~80cm
おすすめロッド:スピニングロッド(6~7.2フィート・L~MLクラス)、ベイトフィネスロッド
生みの親にお話を聞いてみた!
HUミノーを手掛けたのは琵琶湖の売れっ子ガイド・永野総一朗さん!
【Profile】
永野総一朗
ながの・そういちろう/琵琶湖の数あるガイドサービスの中でも、特に予約が取れないことで有名な釣らせるガイド「たまらんばい永野」の人。わかりやすい釣りを優しく教えてくれるが、その情熱は熱い。氏の実家で製造している「たまらんばい高菜」がまた絶品。
誕生のきっかけと得られたもの
永野「もともとは色々なジャークベイトを使っていたんです。もちろん、それが悪かったとか釣れなかったというわけではないのですが、ガイドで風が強い時にドラッギングで使いたかったんです。このとき、フルキャスト+ロッド3本分くらいの長さのラインを出して引っ張ることになるので、従来のジャークベイトでは引き感が無く、何をやっているかわからなかった。そこで、ドラッギングでもしっかりと手元に振動が伝わるミノーを作ることにしたんです」
そして誕生したHUミノーは驚くほど使いやすいものになったのだとか。
永野「手元にブリブリくる強いアクションのミノーが出来上がりました。おそらく、同サイズクラスのミノーではもっとも水押しが強いように出来ていると思いますよ」
タダ巻きorストップ&ゴーをメインに使用!
普通に巻いただけでもしっかりとアピールしてくれるHUミノー。永野さんはその強みを存分に活かして使っているようです。
永野「巻き物のルアーを使うと考えた時の前提として、あまり動かないバスにルアーをぶつけに行くイメージで自分は使っています。そのため、ベースとなるのはタダ巻きやストップ&ゴーなどであり、ガンガン横方向に動かしていく釣りになります。その時のポイントとしては、縦ストの近くや地形変化の上を通しつつ、一瞬だけルアーの姿をバスに見せる、ということを意識しています」
一方、ジャークは使用頻度が高くないそうです。
永野「水が綺麗であればジャークもしますし、フローティングタイプを使ったウキウキもやりますね。それからもちろんドラッギングはやりますよ。キャストがうまく決まらないような爆風の中でも釣果が期待できる使い方なんです!」
意識したいベイトの存在
ベイトフィッシュライクなシルエットが魅力的なHUミノー。であればこそ、ベイトフィッシュの存在を意識した上で2サイズを使い分けたいところです。
永野「111はバスがハスや小バスといった比較的大型のベイトフィッシュを意識している時に有効です。フローティングモデルを使うウキウキではブルーギルの存在もキーになったりしますね」
77はもっと幅広い種類のベイトフィッシュになりきれるとか。
永野「ワカサギにウキゴリ、コアユ、小さなハスと何でもOK。エビを喰っているバスにも有効ですよ」
タックル
永野「タダ巻きで使うのであれば、安定して巻き続けられる軽すぎないタックルがおすすめです。ロッドも遠投性を重視して長めのものが望ましいと思います。ただ、ジャークするなら短い竿のほうが操作感がいいのでてきしていますけどね。77はベイトフィネスとスピニングのどちらでも投げます。キャスト精度を出したければベイトフィネス、飛距離を重視するならスピニングを使っています」