予約が取れないことで有名な、超絶人気琵琶湖バス釣りガイドの永野総一朗さん。彼の野望は全国各地のフィールドで腕を試し、学び、レベルアップすること! 今回ルアマガプラスでは、そんな永野さんの武者修行に密着! 巻き物主体で挑むって正気か!?
【Profile】
永野総一朗
ながの・そういちろう/琵琶湖の数あるガイドサービスの中でも、特に予約が取れないことで有名な釣らせるガイド「たまらんばい永野」の人。わかりやすい釣りを優しく教えてくれるが、その情熱は熱い。氏の実家で製造している「たまらんばい高菜」がまた絶品。
カスミ水系が楽しくてたまらないからまた来ちゃった
前回、悪天候の中、おもし!+コイケシュリンプビッグの組み合わせをひたすらずる引くことでカスミ水系バスを見事捉えた永野さん。
1ヶ月ほどの期間を空け、再びカスミ水系にやってきました!
永野「前回はスローな展開で回りましたので、今回は巻きの釣りを1日やり通して見ようと思っているんです」
ーー前回の記事で、HUミノーがこれからのカスミ水系でも効くかもと言われてましたもんね。
永野「そうなんです。もちろん他にも良いルアーがありますしね」
ーーそれでは今回は永野さん流の巻き物論を色々教えて下さい!
たまらんばいも思わず涙目!? 鰐川で受けるカスミの洗礼…
今回の武者修行で、永野さんがファーストポイントとして選んだのは、北浦と外浪逆浦をつなぐ鰐川の左岸側です。
永野「ある程度は場所は絞っているつもりなのですが、知り合いのショップ店員さんにも相談して決めました(笑)。北浦からの流れがよく当たるハードボトムエリアです。ちょっと歩くと杭がたくさんあるので、そちらをメインにやっていきたいと思います」
ーー昨日は下見をしたそうですが、いかがでしたか?
永野「今回は巻き物で通すつもりでいたので、逆に前回と同様、ゲジおもリグをずる引いていまわってみました。でも残念ながら全く反応なしでした」
ーー前回は2本キャッチのアタリは多数でしたね。
永野「そうなんです。あれだけ反応があったのに…という感じでしたので、逆に巻きの展開に自信が持てました!」
ーー何かひとつ釣りを決めてやり通すことで釣れなくてもわかることが多いをまさに体現しているわけですね。
永野「そうなんです。そして前回もやりきっての釣果。今回も巻き切りますよ! あ、今チェイスがありました。HUシャッドをアシと杭の間を通してきた時に。あんまり大きくはなかったですが」
ーー朝イチから反応アリ! これは期待ができそうですね。
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
本編の武者修行と関係あったりなかったり? 永野さんプレゼンツのコレは知っていてほしい! というテクニックや情報をお届け!
シャッドとミノーはざっくりとした水深によって使い分ける
永野「ボリューム感があまり変わらず、どちらも巻いて使うHUミノー77とHUシャッドの使い分けはズバリ、潜行レンジです」
永野「といっても厳密に何mだからこっち、とかでは無いです。ボトムに当たりすぎるなら若干潜りの浅いミノー77。逆に何にも触れ続けずに負けてしまうならシャッド、みたいなざっくりでOK。例えば自分なら、ロッドを水中に差し込んで2/3以上の深さならシャッドを試してみますよ」
永野「あ! HUミノー77で喰った!! あれ…でもコレ…」
ーーシーバス…ですね(笑)
永野「生命感はあるということですし、やっていることはきっとあながち間違っていないのだと思います(笑)。 お、また…あれ? 根掛りしました(泣))」
ーー実は朝からすでに3つのHUシャッドをロストしてますね(笑)
永野「いやぁ…カスミは根掛りもハイレベルですね。最早なにに引っかかったのか悟らせないレベル!」
ーー根掛りのことを考えると、スタッガーオリジナルのノーシンカーを巻いてもいいのでは?
永野「思ったより冷え込んでいるのでぶつけに行く巻きのほうが良さそうなのと、最初のチェイスが一瞬だったので、ああいった魚をかけていくとなるとやはりトレブフルックが複数個ついたプラグのほうが理にかなっているんですよ」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
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たまらんばい流「2つの巻きの釣り」論
永野「自分にとって巻きの釣りは2種類あります。バスに対して積極的に近づけていく、ぶつける釣り。それから逆に、スロー気味に展開することでバスに喰いにこさせる追わせの釣りです」
永野「これはつまりバスのコンディションに由来する考えでして、バスが積極的にベイトを探し回っているのであれば、見つけさせて追わせて喰わせるのが効率的ですし、逆にバスが動けないのならガンガン巻いていって止まっているバスにこちらから当てに行くわけです。前者であればスコーンやスタッガーオリジナルのようなスイムベイト、後者はクランクベイトやシャッドなどがいい例ですね」
冬の鉄板エリアでランカーサイズが飛び出した!?
ーー続いてやってきたのは、鰐川下流域の右岸側です。
永野「足元にずっと消波ブロックが沈んでいて、その先から一気に深くなっているエリアです。水深があって北風をブロックしてくれる地形にあるので、冬の人気スポットだそうですが、実際に見てみて納得しました」
ーーここでは何を投げますか?
永野「まずは沈んだ消波ブロックの上側を引いてくるので、シャッドです。ミノーだとちょっとブロックにタッチしないので潜るほう。それにしても風が強いですね。岸際ぴったりに投げたいので、こういうときはアキュラ-しが出やすいベイトのほうが使いやすいですね」
ーー気がつくとロッド2本スタイルもさまになってます(笑)
永野「水中のブロックの上を通すのと並行して、沖側の深い側か浅い側にも通していきましょう。いわばブレイクみたいなものですからね」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
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巻きの出しどころは「ハシゴ」と「ジャンプ台」!?
永野「巻きの釣りをやるとき、自分はいわゆるオープンエリアで巻くことはありません。先にも説明しました、当てていく釣りで巻くことが多いので、何かしらバスが付いている場所の上を通すことを意識しています。」
永野「その要素の一つがハシゴ。これはバスが縦方向にルアーに対して喰いあげていきやすいいわゆる縦ストラクチャーのことです。杭や取水塔なんかがこれにあたります」
永野「続いてジャンプ台。これはブレイクやリップラップのように、縦ストラクチャーほどじゃないけど縦方向へ移動する際のきっかけになるストラクチャーです」
永野「共通するのは、バスに対してルアーを見せない死角にいれられるという考え方です。バスは自分の上にいるベイトを捕食すると思っていますので、究極的にはバスの頭上をルアーが通過するときにだけ気づかれるようにしたいわけです。これを意識することで、ぶつけにいく巻きの釣りがますます成立しやすくなるんです」
永野「!! デカイ!! デカイの喰いました!!」
永野「あれ? でもなんか引きが違うような…」
永野「またシーバスだああ!」
ーー凄い! サイズアップです! ヒットルアーはHUシャッドですね!
永野「あれ? 何の取材でしたっけ? コレ」
ーールアマガプラスのブラックバス釣りです(笑)
午後は北浦めぐり??
永野「日も高くなってきて、ちょっと巻きの雰囲気じゃなくなってしまいました。これだけノホホンとした天気だと流れの無い場所は難しそうですので、北浦の流入河川を中心にラン&ガンしてみましょうか」
永野「小さな流入河川でもそれなりに水深があるのには驚きました。河口部のボトムは一部硬いですね。シーバスのお陰で今回は硬いところで釣れるというイメージが湧いてきましたよ」
永野「…結局何もなかったですね。北浦を巡っただけでした(笑)。でも琵琶湖でもこういう状況だと釣れない時間が続きます。ですがそのあとにはチャンスが待っていますから! 頑張りましょう!」
ーーこのあとのプランは決めているんですか?
永野「このまま一気に移動して、常陸利根川をやります。日暮れも早まりましたし、急ぎましょう!」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
本編の武者修行と関係あったりなかったり? 永野さんプレゼンツのコレは知っていてほしい! というテクニックや情報をお届け!
永野さんの考える巻きのタックルとは?
永野「一言で表すと、人間が快適にまきつづけやすいのかを大切にしています。そのために特に重要なのが安定して巻けるかどうかです。ディープクランクのタックルで考えるとわかりやすいですね。引き抵抗が大きく、アクションも強いルアーなので、竿が暴れる様なロッドだと安定しないしとても快適とは言えません。また同様に、リールも少し重目くらいが安定させるのに丁度いいんですよ」
永野「同じ用な釣りでも、ジャークベイトのジャーキングみたいにロッドワークを使うロッドであれば竿はもっと短く、リールも軽いものがいいですね。激しいロッドワークが主体となるわけですからね」
秋の夕方は短い! ラストチャンスを物にできるか!?
ーーつきましたね。ここはどんなところなんですか?
永野「常陸利根川の右岸。護岸の岸のすぐしたに消波ブロックが入っているエリアです。条件としては鰐川の右岸に近いですね」
ーーついて最初にHUミノー77を投げていましたが、すぐにシャッドに変えましたね。
永野「当たらないと釣れる気がしなくて(笑)。でもこれでも当たらないですね。もっと潜らせるため、HUミノーの111SPに変えてみます」
ーーどうですか?
永野「やっぱり当たらないです(笑)。ここ、消波ブロックが入ってないみたいですね」
ーーこれは痛い時間のロスですね。
永野「このまま下流に行ったところにも狙っている場所がありますので、そっちに行きましょう」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
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シャッドに最適! ゼロフリクション トリプルフック
永野「HUシャッドに標準装備されているゼロフリクション トリプルフック(ノガレス)がすぐれものなんです。その名の通り、摩擦が少ないコーティングされているので、刺さりは抜群! 加えて、錆止め効果も期待できるんです。しかも針刺がなまりにく伸びにくいので長く使いやすいんです。単体でも販売していますので、気になる方はぜひお試しを!」
号数:12号
入り数:6本
カラー:ステルスグレー
線径:0.57mm
ーー15分くらいですかね。すぐ到着しきました。ですがすっかり日が傾いてしまいました。もうあまり時間が無いようです…・
永野「あとはここで最後まで頑張りましょう。護岸が入っていて、その切れ目がブレイクになっているエリアです。こちらも鰐川に比較的近い条件です。あ! HUミノーに喰った!」
ーーおお! ドラマが待っていましたか!?
永野「シーバスでした。しかも小さい(笑)。カスミ水系てほんとシーバス多いですね。これじゃあ完全にルアマガソルトのシーバス取材ですね」
ーー「ハイドアップのプラグでカスミ水系シーバスを攻略!」みたいな感じですかねw 実際、HUミノーはシーバス狙いでも実績がありますから(笑)。
永野「でもすっかり暗くなってしまいました。今回はここまでですね。ありがとうございました」
ーーお疲れさまでした!
琵琶湖ガイドの反省と意地
ーー改めましてお疲れさまでした! 今回は巻き、特にHUミノー2サイズとHUシャッドを中心にカスミ水系を回りましたが、いかがでしたか?
永野「まだまだ場所を理解できていないのがきつかったです。エリアの知見が少なすぎるんですよね。夕方の常陸利根川でやってしまったのは大幅なロスでした」
ーーお昼の北浦巡りも、もっとエリアを知っていれば不要だったかも知れませんもんね。
永野「そうなんです。でも今回は巻ききったからこそ、場所の知識がまったくもって乏しいということに気がつくことが出来ましたよ」
ーーたらまんばいスタイルですね!
永野「でもやっぱりこの水系で釣っている人は凄いです。まだ来たのは2回だけですが、まざまざと感じさせられています。やっぱりここでの経験は、琵琶湖で釣るための経験にもなるはずです。今回もやっぱり人は多かったのですが、人気スポットでもあとから来た人がしっかり釣っていくことが普通にある。琵琶湖では先行者がいたらすぐ諦めますからね」
ーー場所を知っていて、さらにそこで喰わせきる技術が必要な釣り場ということですね。
永野「ですね。正直、自分の段階では喰わせるとか以前にそういった知識が不足していたんだと思います。いやーそれにしてもタマネギ(フィルターユニット)は怖かった…」
ーーぜひまたカスミ水系に挑戦してください(笑)
永野「ぜひ! というか明日居残ってやっていきますよ!」
たまらんばい永野の表テク&裏テク!?
本編の武者修行と関係あったりなかったり? 永野さんプレゼンツのコレは知っていてほしい! というテクニックや情報をお届け!
取材翌日に意地の一本!
永野「常陸利根川の沈み消波ブロックを見つけ出し、HUシャッドで出しました! 」
場所さえ詰められれば喰わせることはできる! 永野さんお見事です!
【タックル】
●ロッド:MACCA REDSIGNATURE 69ML+[ハイドアップ]●リール:アルデバランBFS XG[シマノ]●ライン:ガノア アブソルートAAA 8ポンド(バリバス)