簡単!アジのペペロンチーノ。津本式を「活かす」レシピ。JR九州の「ななつ星列車」シェフが極上のパスタを公開



魚食の革命とも言うべき魚の仕立方「津本式・究極の血抜き」。この特性を活かした料理で、さらなる「美味しさを」見つけよう。今回は現在編集中の「津本式を活かすレシピ」本の取材よりひと品をご紹介。一肌脱いでくれたのは、あの超高級列車の旅。JR九州「クルーズトレインななつ星」のシェフとして活躍する宮崎県PILAWの川口雅由さん。その川口シェフの極上レシピです。



津本式はただ血を抜いて、美味しくなるという以外の変化ももたらす

ただいま、小社で出版に取り組んでいる「津本式・究極の血抜き」解説書シリーズ。第一弾は「仕立て技術」、第二弾は「目利きと熟成」を主題において発刊しました。そして三部作の最終となるのは「津本式を活かすレシピ集」になります。こちらは現在鋭意編集中でございます。

魚食革命『津本式 究極の血抜き』完全版 (ルアマガブックス 7)
¥4,401
2020-12-15 13:54
魚食革命『津本式と熟成【目利き/熟成法/レシピ】』 (ルアマガブックス11)
¥3,940
2020-12-15 13:53

津本式は魚の保存術として優れており、さらに従来の魚のポテンシャルを引き上げる仕立てだということはルアマガプラスでも解説してきました。そこで、第三弾では、その特徴を活かすレシピ集としてこの世に送り出そうということになりました。

長期の熟成に耐えうる仕立てということもあり、「釣り人のための7日間レシピ集」という裏テーマも内包しています。どういうことかというと、アジ釣りに行った! たくさん釣れた! 1日目は刺し身、2日目も刺し身、もしくはなめろう、うーん3日目までにくいきらなきゃ! 4日目だと焼き魚。とレシピも画一化しがち。

そこで、津本式の利点のひとつである保存力と旨味の増減を加味して1魚種7日間7種の異なるレシピを提供し、美味しく無駄なく食べきってもらおう。という津本式を活かしたレシピ集にしようと考えています。釣りすぎても無駄に持ち帰らないという大原則はありますが、家族分7日間、同じ魚であろうと楽しんでいただけるよう、津本式を活用していただこう。ということなのであります。

ということで、津本式のお膝元、宮崎県の名店に「PILAW」に
まずはアジの7種1週間レシピでご協力いただきましたので、ご紹介します。

Profile
川口雅由(かわぐち・まさゆき)
予約のとれない大人気JR九州クルーズトレイン「ななつ星in九州」の料理を担当する、燠火Kawaguchi∴&PILAW ∴のシェフ。つまり、その実力はお墨付き。材料に、津本式の魚を取り入れ、今回の企画(津本式レシピ集)に賛同協力してくださった。

〒880-0835 宮崎県宮崎市阿波岐原町前浜4276-1255 ☎0985-29-4091

「アジのペペロンチーノ」<5日目レシピ>どうぞ!

最初にご紹介するのは「アジのペペロンチーノ」。ある意味、とても津本式の特徴を活かした料理とも言えます。しっかりとした血抜きがなされていないと、魚臭さがどうしても気になってしまうのですが、津本式の精度の高い血抜きにより、その魚臭さが皆無。上品な白身魚のアジになっていますので、こういったパスタになってもとてもバランスが良いのです。



材料

・鯵…1尾

・パスタ…100g

・オリーブオイル…大さじ2

・にんにく…1片

・赤とうがらし…1本

・塩(パスタ用)…1g

・からし水菜…適量

・イタリアンパセリ

・柑橘類…おこのみで(すだち、かぼすなど)

料理手順

①鍋にお湯を用意し、濃度が1%になるように塩を加える

②パスタを茹でる。(あと工程を考え、表示より30秒ほど短く)

③冷めたフライパンにオリーブオイル、刻んだにんにくを入れ、弱火にかける

④薄く色がついたら火を止め、塩1g、輪切りにした赤とうがらし、イタリアンパセリを入れる

⑤茹で上がったパスタを入れ、あえる

⑥別のフライパンに油をひき、鯵を皮目からカリッと焼く

⑦パスタを皿に盛り付け、焼いた鯵とからし水菜をトッピング

ポイント

冷たい状態からオイルとニンニクを混ぜれば、香りがオイルに移りやすい。鯵は別で焼き、最後にあわせることでカリッとした食感にできます。

5日目としておりますが、これは熟成段階の目安としてお考えください。このタイミングじゃないとダメというわけではありません。ある程度の技術があればアジならば10日から14日前後は熟成させることができますので。魚の状態によって料理を選ぶことが肝要です。

借りに1週間を熟成、および保存期間と仮定した場合、5日目前後はアジの従来の美味しさと、隠された旨さが出現しとても美味しくなるタイミングとも言えます。ですので、こういったパスタなどの料理にしたときに強い旨味が非常に良いベクトルで作用します。

こういった塩梅は熟成技術が上がってくると自然に解ってきますので、ぜひ、津本式解説書第二弾「津本式と熟成」を御覧ください。