成熟期を迎えたエリアトラウトの世界。トップトーナメンターともなると、使用ルアーやスタイルに合わせて複数タックルを使い分けるのも当然の時代なのだ。なぜか。場に合わせた最適ロッドを使えばルアーの操作性が高まり、魚と出会える確率がアップするのだ。そこで、ファインテールを監修した中村渉希さんに、中規模ポンドで終日楽しめそうな3モデルをピックアップしてもらったゾ。
解説は「ファインテール」監修の中村渉希さん!
3セットのタックルでエリアトラウトを楽しみ尽くせ!
メジャークラフトのファインテールは、ベーシック(チューブラー)が6機種、ソリッドが3種類、グラスが2種類、ベイトキャスティングが2種類の全13種類が発売中だ。
いずれも、使用ルアーや釣法に合わせたスペシャリスト的な味付けが特徴だが、これだけラインナップがあると、ビギナーはどれを買っていいのか迷うこともあるだろう。
では、現役の実力派トーナメンターはどんなモデルを選ぶのか。ここでは中規模エリア(魚の平均サイズは30~35cmほど)を想定し、中村渉希さんにおすすめモデルを教えてもらった。
中村「エリアトラウトを始めたばかりの人が、トーナメンターのように、タックルをいきなり6セットも用意するのはなかなか大変です。ならば、まずはその半分、3セットで考えてみましょう。おすすめは、チューブラー、ソリッド、グラスの3タイプです」
中村「チューブラーはスプーンの巻き、ソリッドはボトムもしくはミノーイング、グラスはクランキングが得意です。この3タイプがあれば、刻々と変化する魚に対応しつつ、1日を通して釣りが楽しめるはずです」
スプーンにぴったりの定番ロッド【ベーシック(チューブラー)】
中村「チューブラーは、クセのないオーソドックスな操作性が武器。どんなルアーにも使えますが、なかでも巻きの釣りを得意とします。近年、エリア用スプーンは軽いものが増えていて、大会でない普通の釣りでもアンダー1gを投げる場面が増えました。
テーパーはファスト表記ですが、実はどれもレギュラーファストに近い設定。ベリーのパワーを生かして振れるので、軽量スプーンも投げやすいんです。スプーンの巻きの釣りでは最初に選択したいタイプです」
ファインテール FAX-602L(メジャークラフト)
●全長:6ft(2ピース) ●適合ライン:1.5~5lb/PE0.15~0.3号 ●適合ルアー:0.9~5g ●パワー:L ●アクション:ファスト●価格:1万8300円(税抜き)
中村「個人的に特に使用頻度が高いモデルがコレ。一般的にはULパワーが定番ですが、硬めのLパワーのほうが手感度がいい。ショートバイトが多発する状況でも活躍してくれる。また、魚が掛かったあとも、ブランクパワーを生かしてすぐさま寄せられるからファイトタイムを短縮できます」
ショートバイトを目視+フッキングできる攻撃的ロッド【ソリッド】
中村「ソリッドティップは中身が詰まっているので、同じ強度なら、チューブラーに比べて先径を小さくできる。わずかな力で竿先が曲がるため、目感度に優れる…つまり、小さなアタリを目で見て視認できるのが利点です。
FAX-S552ULは、第3ガイドまでソリッドになっています。アタリを視認するだけならショートソリッドでもいいのですが、ロングソリッドにすることで、ブランクパワーをハリ先(魚の口元)にしっかり伝えられる。つまりはフッキングさせやすいのが強みですね」
ファインテール FAX-S552UL(メジャークラフト)
【スペック】
●全長:5ft5in(2ピース) ●適合ライン:1.5~4lb/PE0.15~0.3号 ●適合ルアー:0.6~4g ●パワー:UL ●アクション:EXファスト ●価格:1万7800円(税抜き)
中村「全長5ft5inの高感度ショートロッド。メタルバイブを用いたボトム攻略やミノーイングなど、連続的なロッドアクションを加える釣りにぴったり。エステルを合わせれば軽量スプーンを投げるのにも使える。手前のピンポイントを重点的に攻めるような状況で威力を発揮します」
クランクベイトに最適な巻きモノ系ロッド【グラス】
こちらは東京都あきる野市にあるプロショップ『コヤマンワークス』の小山博隆店長が監修したシリーズ。高品質グラス素材を用いた、乗せ調子のエリア用ロッドになっている。
粘りのある素材ながら、ファストテーパーにすることでキビキビ系の操作性を獲得。中村さんは、主にクランクベイトなどの引き抵抗のある巻きモノで使う。適度に曲がるため、瞬間的なバイトも弾きにくいのだ。
ファインテール FAX-602UL/G(メジャークラフト)
【スペック】
●全長:6ft(2ピース)●適合ライン:1.5~4lb/PE0.2~0.6号 ●適合ルアー:0.8~5g ●パワー:UL ●アクション:レギュラーファスト ●価格:1万8000円(税抜き)
マイクロクランクやミッドクランクなどあまり潜らないもの、あるいは低速巻きでワイドウォブリングするニョロ系を引くのにおすすめだ。
ULなので、ルアーのアクション振動を手元に感じやすく、しかもグラスロッドらしく曲がれば曲がるだけトルクを生み出す。かなり使いやすいモデルだ。
様々なモデルを展開するファインテール。中村さんの好みは…?
ファインテールは、1万7000~8000円台のプライスレンジもうれしいところ。複数のタックルを用意するとき、高性能モデルを手頃な値段でそろえられるのはありがたい。
中村「ちなみに、僕のお気に入りは2番めに紹介したソリッドモデルの『ファインテール FAX-S552UL』です。実はこれ、完全に僕の好みで作った1本だったりします(笑)。ラインの種類違いで、釣り場に3セットくらい持ち込むこともあるほど。ぜひ、お店で手にとってみてくださいね~」
コスパ最強のファインテール。エリアトラウト究極本・鱒王2では、ファインテールの全モデルを徹底解説しているゾ。こちらもぜひチェックを!!