日本が誇る世界的ルアーメーカー「ジャッカル」のプロスタッフであり、エリアトラウトではマイスターの肩書も持つトップトーナメンターである杉山代悟さん。トラウトのみならず、アジングにも精通するエキスパートでもある! そんな杉山さんの必釣必至なルアーローテーション術をルアマガプラスで公開しよう!
教えていただくのはソルト業界でも大活躍なトラウトマスター
先発は基準となるセッティングで状況把握! 「気持ち強めのアピール力」で探る!
スイスイスイムジグヘッド1g+ペケリング2in(ジャッカル)
初手は「高感度」&「気持ち強め」を選択し状況を把握
ペケリングとスイスイスイムジグヘッドは、杉山さんのジグ単戦略において、最初に投げるパイロットルアーであり、以降の選択肢としても主軸になる存在だ。
杉山「ペケリングは、ボディのリブと特殊形状のテールがしっかりと水を掴むため、潮流の強弱を正確に把握可能。ステイ時は喰わせの能力が高い一方で、強すぎないアピール力も併せ持っています。素早く状況を把握できる、僕にとって欠かせない存在。ジグヘッドは1gを基準に、水深や潮の速さで使い分け。ある程度水を掴むタイプが適していると思います」
最も信頼できるアイテムをメインに据える
杉山「普段から使い込んで性能を熟知。信頼しているからこそ、あらゆる状況で指針となるし、結果も導けます」
ジグ単は、アジに口を使わせるためだけの道具ではなく、現場の状況を把握するためのセンサーや魚群探知機の役割も果たす。それだけに、パイロットルアーの役割は極めて重要だ。
まずは、大きめに刻んで現場の状況を把握
杉山「メインで選ぶジグ単は、そこにアジがいれば何らかの反応がる前提で選択。アジングではレンジの割り出しが重要になるため、まずは表層から5秒くらい刻みでレンジを探り、おおよその当たりレンジを見つけていきます。ワームの選択が正しければ、大雑把に探っても何らか反応があるはず。バイトがあればその周辺のレンジを細かく探るし、数投して反応がなければ、思い切ってポイントを移動します」
アクションは統一し、ワームの違いでローテーション! レンジと速度を合わし、再現性を高める!
システマチックなローテーションで淡々と数を伸ばせ
まずは、主軸となるジグ単で眼の前の海況やアジの活性、レンジなどを把握。
杉山「そこで得られた情報を元に、ワームとジグヘッドの性能をローテーション。ロッドワークやリトリーブ速度を変えるのではなく、ジグのウェイトやワームの性能を変えると、アプローチの正確性がブレず、釣りのリズムも作りやすいです」
ローテーション時の基本
◎メインルアーでアジの存在と状態をしっかり把握
◎アクションは意図的に変えない
◎数を伸ばすには弱く繊細かつ丁寧にアプローチ
杉山流ワームローテーションはこちら!
1stチョイス :『スイスイスイムジグヘッド1g+ペケリング2in(ジャッカル)』
初手であり、メインになり得る高実績アイテムを選択
杉山「最初に選ぶジグ単は、水を掴み適度なアピール力があるタイプ。いち早く状況を把握し、次の展開への基準にします。扱い慣れたワームとウェイトがベストで、過去の経験と比較しながら目の前の状況を正確に知ることが、まずは大切。もちろん、初手以降もメインになり得ます」
サイズ:2インチ
カラー:プリズムライム
入数:10本
アジが好むという「味と臭い」に着目。海老オイルをさらに追加し、効果をアップさせました。(ジャッカル従来製品比)
ボディにリング状のリブを採用したことで、実サイズ以上の波動で魚を呼び寄せます。
大きなアピール力を活かして、パイロットルアーとしての利用にも最適です。
水を掴むしなやかな極薄のペケテール搭載。X断面のテールは水をしっかり掴みながらもバイト時に曲がって口の奥に入るのでフッキング率も向上。
原型となった「ペケペケ」シリーズとの使い分けで、ルアーローテーションに波動の幅に強弱をつける事が可能です。
ローテ1 ややナーバスな状態/リアクションバイト狙い:『キビキビダートジグヘッド+キビキビナ~ゴ2in(ジャッカル)』
クイック&フィネスなアプローチで仕留める
杉山「この組み合わせは、緩急のメリハリで繊細に喰わせる仕様。小さなダートアクションで魅せ、弱々しさで違和感なく口を使わせます。時合終了の直前や低活性時や“あと一尾”を絞り出したいときにに選ぶことが多いです」
サイズ:2インチ
カラー:プリズムライム
入数:10本
水を切り裂く、三角柱ボディ形状。ダートアクションの演出を容易にします。
オリジナルブレンドのフォーミュラーも配合され、味とニオイでもアピールします。
ローテ2 高活性な状態:『アジメバアーミー14号(ヤリエ)+アミアミマイクロ1in under(ジャッカル)』
アクティブな個体はハイアピールで効率良く
杉山「アミアミは、僕の中では水をしっかり掴む強波動系のハイアピールワームです。超高活性時は、ワームの存在を見つけてもらうことが最優先。アクションは無理に大きくせず、あくまでもワームのポテンシャルで魅せるイメージです」
サイズ:1インチアンダー(約25mm)
カラー:オキアミネオン
入り数:10本
ローテ3 低活性な状態/ショートバイト多発:『メバル節(ジャッカル)』※生産終了モデル
喰い込みの良さを優先し、少ないチャンスを捉える
杉山「シビアなコンディションでショートバイトが頻発するような場合は、地味なアピール力と吸い込みの良さを重視してストレート系のワームを選択。マテリアルの硬さも大切で、アジの口の中での折れ曲がりやすいタイプが理想です」
カラーよりもレンジやスピードを最優先
杉山「ポイントの取捨選択やレンジ、スピードが重要。ワームやジグのウェイトを調整しながら正解を見つけ、その後にカラーで悩みましょう」。
まずは自分の中の実績色を投入しよう。
杉山流「+α」操作テク!
ステイ時は「微巻き」でバイトに備えるべし!
より高精度にバイトを得る高等テク
当て潮や流れが弱いときは、超スローにハンドルを回しテンションをキープ。
杉山「バイトを瞬時に察知するため。ロッドを捌いてテンションを保とうとすると、フッキングの体勢がキープできません。潮流の強弱やバイトの有無は、ティップやグリップではなくハンドルから伝わる“巻き感の重さ”で確認」
バイトへ「即対応」できる状態を常に保つべし!
ステイやテンションフォールでバイトを待つ際は、常にパーフェクトなフッキングができる体勢を整えておくことが大切。
杉山「ジグ単でアプローチしながら、頭の中で水中のイメージ図を作り上げているような感覚で集中力を維持しています」
爆釣時も「冷静に!」 場を荒らさず静かに獲る
高活性な群れが目の前を通過。連発モードに入っても、攻め方で最終的な釣果に差が出ることも。
杉山「エリアトラウトでも王道の攻め方ですが、群れを狙うときは上のレンジの端から静かに抜いていくのがベストです」
時合のときこそ、冷静沈着なアプローチが大切だ。
何気なく選んでしまいがちなワームを、戦略的にローテーションすることで、より幅の広い展開が可能となるのが、アジングの面白いところだ。杉山さんが実践する実績ローテ、ぜひ試してみて欲しい。