低水温期にあたる冬のバスは水温の安定した深場に溜まっている…というのが定説。見えバスどころか魚の手応えがぜんぜんない! と、誰もが一度は絶望したことがあるはずだ。しかし関東リザーバーで連戦連勝を続けるサイトフィッシングの達人、峯村祐貴さんは1年中サイトで釣り続けるのだという。その心得をお尋ねしよう!
解説はサイトの達人、峯村祐貴さん!
冬のサイトフィッシングにはコツがある?
目指すべき例のひとつは「レイダウン」
峯村「食わせ方は冬のサイトでも基本的には変わりません。魚の目線まで落として、食わないなら逃すだけ」
峯村さんがサイトフィッシングで駆使するのが「逃しのテク」。魚の闘争心に火を点け、本気食いへと誘導する峯村さん独自のワザだ。
峯村「冬は魚のレンジが下がっているので、若干ながらサイトの難易度は上がります。そんな季節に狙うべき場所は簡単に言うと『水深のあるカバー』」
バンク(岸際)は見えバスを探すときにポピュラーなポイントだが、こと冬となるとよほど良いタイミングでもなければ見つけるのは難しい…と峯村さんは話す。
峯村「特に良いのは身を寄せられる障害物があり、冬に魚が溜まりやすい深場に繋がっているカバー。例えばレイダウン(水中倒木)などがサイトには理想的です」
峯村「レイダウンはパワーフィネスで狙う方も多いと思いますが、僕はサイトで狙います」
低水温期は多くの魚が安定した深場に潜む傾向にある。そのレンジまでPEラインを介して、スモラバやライトリグを送り込むのがパワーフィネスだが…? 峯村流サイトではいかに狙うのだろうか。
冬のサイトは絶対的に「フロロ」が優勢!?
フロロならリグの「横」移動が可能!
峯村「冬の魚の傾向を知っておくことも大切。縦の動きは反応しづらく、主なアプローチは『横の動き』。したがって、ライン選択も重要になってきます」
ハイシーズンは浅めのレンジでリニアな操作性を重視、PE+フロロカーボンリーダーを組んでいる峯村さん。しかし、冬場はフロロ一択とのことだ。
峯村「PEだとリグを魚の目線に落とせても、水に浮くという特性上上下方向にしか動かせないんです。水より比重の高いフロロを使って横方向へ動かすことを意識しています」
凄腕サイトマン・峯村さんのおすすめルアー
サイコロラバー vol.3(フィールドサイド)
峯村さんの“伝家の宝刀”サイコロラバー。
フェイバリット色は「スジエビ」だが、冬は「スモークレモン」にシフトする。
峯村「弱めの黄色ですが、水中では見やすい。それと、実は他の色よりちょっと沈むのが速いんです」
ちょっとしたカラーの差で比重も変わる!?
ボディは立方体と思いきや、側面が台形の四角錐台。「上面の1から側面の3へ」とマスバリを刺すチョン掛けで使用するのが基本だ。
ヴィローラ2.8in(ディスタイル)
サイコロラバーを主軸に、峯村さんはもうひとつの手駒も用意。それがディスタイルのリアルベイト「ヴィローラ」だ。
峯村「止まっているようでごくスローに横の動きを見せられるホバストもいい」
遠目から徐々に寄せ口元へと運ぶ峯村流のサイトフィッシング論は不変だ。ネイルリグで使う場合は0.15~0.3gのシンカーを用いる。
有望スポットは諦めないで何度も見回り!
天候や照度が変化するタイミングを見逃すな!
峯村「泳ぎ回れる力がなくても、でかくて体力のある魚はその場で浮いてエサを獲る。冬は水質がクリアアップしてくるので水深2〜3mでも『見える魚』がいますね。もちろん、時には表層に浮いていることも」
とはいえ水中の微生物が減り、日毎に魚の気配も薄く…。
しかし一度見ただけで諦めるのは早計。確実に魚がいるであろうカバーは何度も確認すべきだと峯村さんは語る。
峯村「一度で発見できなくても、もう一度入ってみたら浮いていることも少なくないんです。朝夕や晴れたタイミングに浮きやすいですね」