ホライゾンプログレッシブ、ホライゾンSL、ホライゾンLJに続く、第4のホライゾン『MJ』が2021年春にデビューする。“MJ”とは何を意味するのか? そしてライトジギングゲームで次はどんな世界を見せてくれるのか? テンリュウの舟木さんに紹介していただいた。
ホライゾンMJを紹介してくれるのはテンリュウのプロフェッサー・舟木さん
コンセプトはスロー系もハイピッチもできるマルチユース
ホライゾンにはライトジギングのLJ、スロー系ジギングのSJ、フラッグシップモデルのプログレッシブがありますが、MJはどんな位置付けのロッドになるんですか?
舟木「ホライゾンはライトジギングロッドシリーズの総称ですが、SLとLJでカテゴリーをしっかり分けています。MJも当然ライトジギングロッドですが、MJとはマルチジギングのことです。簡単にいうとスロー系もできるけどハイピッチジャークもできるロッドになります」
1本でスロー系もハイピッチもできれば便利ですね!
舟木「ハイピッチで活性を上げてスロー系に切り替えて喰わせるということもできます。そういう状況でロッドを持ち替えるのは大変なので1本できないかと考えてたんです。あと、スロー系のタックルは総じてライトですけど、ハイピッチをやるタックルはゴツめが多い。軽くて操作しやすいタックルでハイピッチが出来ないか。MJの開発はそこの狙いもありました」
操作しやすくてスロー系もハイピッチもできれば誘い方の幅が広がりますね?
舟木「アングラーのテクニック次第で釣れる魚種も増えます。魚に仕掛けて喰わせる楽しさが味わえるロッドです」
ホライゾンSLをベースにハイピッチ対応のブランクに設計
どのようにしてスロー系もハイピッチもできるロッドに? 新たなブランクを開発したとか?
舟木「いや、ベースとしたロッドがあります。ホライゾンSLです。もともとスロー系のロッドは長めで張りがあってピンッとしたようなロッドになります。SLもレングスは6ft6inあります。これでハイピッチジャークをやるとティップの戻りが遅くてダルさが出ます。そこで6ft3in、6ftとスロー系の性格を残しつつどんどん短くしたサンプルをテストし、ハイピッチジャークでストレスなくティップが戻る長さを割り出しました。それがMJのレングス、5ft10inです」
C.N.Tをはじめ数々のテクノロジーを惜しみなく導入
レングスがスロー系とハイピッチを両用するマルチジギングの決め手だった?
舟木「もちろんブランクや製法もSLとは違います。ブランクはグリップエンドまでブランクスルーでバット部にはC.N.T(カーボンナノチューブ)が入っています。よりネバリ強くなってファイトで安心感が得られます。ガイド径もSLより大きくして、太いラインを使いやすくしました。もっともヘビーなモデルでPEライン3号まで使えます。SLは最大2.5号まででしたからね」
つまりC.N.Tとガイド径を大きめに設定することでより大型にチャレンジしやすくなった?
舟木「そうですね。あと細かいパーツでいうとリールシートにPULSを採用し、西陣織のパイプを入れてデザイン的にもおしゃれにしています。実はPULSがMJのキーデバイスの一つでもあります」
スロー系もハイピッチも可能なこだわりのグリップ形状
リールシートがマルチジギングするために重要な役割をするんですか?
舟木「MJはベースとなるロッドがあったんでブランクの開発はスムーズに進みました。時間がかかったのがグリップです。スロー系ジギングはリールをパーミングするときにトリガーを薬指と小指に挟むほうが行いやすい。ハイピッチジャークは手はトリガーの前。ティップを下げてハイピッチでジャークするときは、小指の後ろをトリガーに添えるほうが手首が楽です」
スロー系とハイピッチはグリップのしかたが違う?
舟木「そうなんです。それでどちらにも対応できるリールシートを選びました。あとMJは太いラインが使える。今はラインが強くて状況によってはラインの強度がロッドの強度を超えてしまうことがあります。そこでドラグ値を超えるようなファイトを強いられるときはストレートポンピングを推奨していますが、フロントグリップはそれを考慮した形状です。丸いデザインでつかんで引っ張るときに手にフィットして滑りにくい。フォアグリップの形状も何パターンも試して、このグリップに行き着くまでにも時間がかかりました」
ラインナップは全5機種
ホライゾンMJのラインナップを教えてください。
舟木「一番ライトなHMJ5101B-LからもっともヘビーなHMJ5101B-Hまでの全5機種です。スロー系とハイピッチでジグの適正ウェイトが変えています。近年は水深250m、場合によっては300mの中深海を狙うこともあります。そこまで落とすにはジグのウェイトを上げる必要があります。そのためジグウェイトの上限を高めに設定しているのもMJの特徴です」
ファイトの楽しみ方と注意点
全5機種で浅場から中深海でマルチジギングが楽しめるホライゾンMJ。現場での活躍が楽しみですね?
舟木「そうですね。ただ、ファイト時に楽しみ方のヒントと注意点があります。注意点としては使用ロッドの最大ドラグ値を超えないことです。ロッドを曲げたファイトもできますが、グリップの紹介で触れたとおり、今はラインが強くロッドの強度を超えることがある。ロッドは立ててもバットが水平になるまで。リールで巻き上げるとC.N.Tが入ったバットのネバリ強さを体感していただけると思います。それでも上がらないときはストレートポンピングを推奨します」
モデル | 全長(m) | 継数 | アクション | 仕舞寸法(cm) | 適合ルアーウェイト(g) | 適合ライン(lb/PE号) | ロッド自重(g) | 価格(円) |
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HMJ5101-L | 5ft10in | 1 | RF | 178 | high60~120g slow100~250g | MAX2 | 110 | 35,000 |
HMJ5101-ML | 5ft10in | 1 | RF | 178 | high80~150g slow120~300g | MAX2 | 115 | 35,500 |
HMJ5101-M | 5ft10in | 1 | RF | 178 | high100~180g slow150~350g | MAX2.5 | 120 | 36,000 |
HMJ5101-MH | 5ft10in | 1 | RF | 178 | high120~200g slow180~400g | MAX3 | 126 | 36,500 |
HMJ5101-H | 5ft10in | 1 | RF | 178 | high150~250g slow200~450g | MAX3 | 131 | 37,000 |