フォルム自体はベイトフィッシュ。でもボディはまるで昆虫のような多連結ジョイント。さらに、シリコンラバーが飛び出すなど、見た目からして「ただ者じゃない」感を漂わせるルアー。しかし、開発者の大津さんいわくハードルアーの良さを追求したルアーだという。その誕生秘話を交えて解説していこう!
ハードルアーの良さを追求した5連結ジョイント!
【スペック】
●長さ:70mm ●重さ:4gクラス ●タイプ:フローティング ●発売日:2021年春発売予定
すでにハードルアーの粋を超えた感すら漂わせているが、開発を担当した大津さんの話ではハードルアーの良さこそ、このルアー開発の鍵になったという。
大津「今までいろんなルアーを使ってきましたが、H-1に出ているようにやっぱりハードルアーでどう釣っていくか。また、ハードルアーの良さを追求していきたい。そう思った結果からヘカート7が生まれたといえます」
ワームのようななまめかしくアクションするであろう、連結されたボディ。それにシリコンラバーが随所にセッティングされているなど、まるでソフトベイトに近似。それでもあえてハードルアーにこだわったのには理由があるという。
大津「水面や水面直下を攻略するときこそ、ハードルアーの方が有効な場合が多いんです。ワームはすべてを比べるとズレが出てしまい、ハードルアーほど均一性という点では優位性はありません。ハードルアーならではの安定した浮力と動き、飛距離といったものが効果的に作用するんですが、ただその硬さから生物らしい生めかしさを失う瞬間があり、見切られやすい面もありました。そこで、5連結ボディにしてトゥイッチしたときのウネウネアクションや、デッドスティッキングでもやわらかく動くボディへと仕上げていきました。
そして、ハードルアー最大の泣き所である、止めた瞬間の動きを失ってしまう弱点をシリコンラバーで解消しました。これで止めていても微波動を出して誘ってくれるハードルアーになってくれました」
前方はABS、後方は発泡樹脂にすることで小型でも浮力を確保
大津「70mmというサイズで5連結。このサイズでこれだけ多連結だと空気室が取れないので、フローティングにすることは難しいんです。でも、浮いた方が水面でアクションや食わせのきっかけを仕掛けやすいんです。ここぞという場所で浮かせているとチョコチョコ…と微細アクションを掛けたり…。そのために、前方と後方で素材を変えてみました」
具体的にどんな素材を使っているんですか?
大津「前方はABSなんですが、後方は発泡素材を使って浮力を出しています。70mmという長さでは、これでギリギリ浮くようなセッティングになってくれました。この浮力を生かして風に漂わせたり、i字引き。そういった水面を意識した釣りで活躍してくれるんです。さらに、シリコンラバーが虫のように微細にバイブレーションして誘ってくれるので、5月末頃のアフタースポーンによく釣れる虫系パターンでも効果的です」
あとは、カスミ水系などでも有名なシラウオパターンでの超速巻きやボイル撃ち。あとは全国どのベイトパターンでも、動きが小魚そっくりなので、表層から50cmくらいまでの水面直下を引いてくるだけで有効になってきます。あとは、風がある場合でもラバースカートが漂って微細なバイブレーションで誘ってくれますので、いろんな状況でも誘ってくれます」
テールをトレブルフックへ交換したり、使い方の幅は広い!
ほかに変わった使い方などありますか?
大津「追尾してきて食わなかったり、風と波が強すぎたりするときはテールのラバースカートからトレブルフックへ替えるのもいいと思います。そうすることで、テールに食ってくるようなアタリもしっかりフッキングできるようになります。そういったいじり甲斐ある作りにもしていますので、僕の知らない使い方や状況、ポイントでぜひ試してみてください!」
大津さん推奨のタックルはこちら
●ロッド:6ft2in~7ft2in程度のL~MLアクション
●ライン:PEライン0.3~0.6号に、フロロカーボン4~5lbのリーダーを1m装着するのがベストセッティング
*ボディラバー交換の際は、ラバースカートの中心部に結び目のコブを作って固定。