アジングは全国各地、しかも通年で釣果を狙えることから多くの釣り人が着目するいま最も人気の釣り。連載の主役、ぶんちゃんこと石川文菜さんも実はアジング歴約6年の中級者なのだ。エキスパートのアドバイスでその殻を破り、一気にアジングマスターに近づけるか!?
アジングをやり込むのはそんなに難しくない!?
石川文菜(以下ぶん)「アジングは5、6年前にロケでやる機会が多くて、タックルも釣り方も繊細。やり込んでいる人ほど釣果を伸ばす。手軽だけど難しいイメージがあります」
【Profile】
石川文菜(いしかわ・あやな)
ぶんちゃんの愛称で人気の5代目アングラーズアイドル。現ジャッカル社員として様々な釣りを経験している。ジャッカルのキャラ濃いめのスタッフに揉まれながら女流アングラーとして日々成長中。
そのイメージを払拭するために立ち上がったのが、今連載の口開け、ショアジギング編でもお世話になった杉山さんだ。
若き師匠・杉山大吾さんが講師役!
杉山「難しく考えなくても大丈夫! アジが居れば喰います」
今回のフィールドは大分県・臼杵湾
豊後水道に面し、北を佐賀関半島、南を長目半島に囲まれた海域が臼杵湾。漁港や堤防で手軽に釣りが楽しめ、冬の大敵、北西風も避けやすいアジングの好適地だ。
実釣は夕マズメから夜のワンナイトのみ。短時間でアジをどう見つけるかが重要だ。
ぶん「アジの基本は夜ですよね。夕方も釣れるんですか?」
杉山「明るい時間帯は堤防の先端など水深があって潮通しの良いところを狙います。とくに夕マズメは沖から港内に入ってくるのでチャンス。メタルジグなどメタル系のルアーが有効です」
ぶん「第3回で教えてもらった日中のメバルと同じだ!」
杉山「メバルは障害物周りを狙ったと思いますが、アジはいつ回遊してくるかわからないので広範囲を探ります。だから四方八方に投げられる先端が良い」
夕マヅメの定石は堤防先端!
明るい時間帯は水深があって潮通しの良いエリアで回遊するアジを狙う。
杉山「アジは20cm以上になると回遊性が高くなる。とくに夕マズメは港に入るアジが狙えます」
ぶん「良型狙いのチャンス。がんばろ~」
明るい時間帯はメタル系で広範囲を探る
日中のアジはボトム付近を回遊。
杉山「障害物の陰などに見えるアジが居ればジグ単でも釣れますが、回遊するアジにはメタル系のルアーが有効。飛距離が出せる上にアピール力もあって、回遊アジに見つけてもらいやすいんです」
2人そろってゲストフィッシュをキャッチ!
杉山さんがチビメタTYPE-IIでメッキを釣ると、すぐさまぶんちゃんにもセイゴがヒット。
杉山「底をとってワンピッチ。中層付近のフォールでガツンッときました」
ぶん「私はナノバイブ3g。底から中層でぴょんぴょんやっていたら足元付近で喰いました」
ヒットルアー:「ナノバイブ」「チビメタTYPE-II」
常夜灯が点いたらアジングの正攻法・ジグ単で勝負!
残念ながら夕マズメの回遊アジには出会えなかったが、本番は日が暮れてからだ。二人は常夜灯のある堤防に移動。
ぶん「アジングといえば、夜の常夜灯でジグヘッドリグの釣り! ですよね」
杉山「常夜灯が点いてしばらく経ってベイトが寄ってきてからがチャンスです」
ぶん「釣りやすい潮回りとかあるんですか?」
杉山「僕は気にしないです。潮が動いていれば良い。むしろ明るい月夜で常夜灯の明暗の境がボヤけるほうが良くないです」
ぶん「あとアジングってレンジが重要ですよね。どう探れば良いんです?」
杉山「まず1投めはカウントしながら底をとって、レンジを大まかに三分割。夜の常夜灯周りは明かりに寄ったベイトが浮いていることが多いので表層から探ります」
話していると風波が立つ水面にバシャッとライズ音が発生。 幸先がいい。
杉山「活性は高そうですね。風が強いので石川さんはこれが良いかな」
強風でも使いやすく、適度にアピールできるリグを選択!
杉山さんが選んだのは「タイドリングヘッド1.5g」に「タイドリングカーリー2in」。そのワケとは?
杉山「風が強い状況でも操作しやすく、アピール力があって活性の高いアジに効くセッティングなんです」
タイドリングカーリー2in+タイドリングヘッド1.5g(ジャッカル)
タイドリングカーリーはアジング対応ワームのニューカマー。フラットな背中の下部にリブを設けたボディとカーリーテールが特徴だ。
杉山「深いリブとテールでアピール力は強め。フォールでもカーリーテールがしっかり動いてアピールできます。最初に投げても良いし、ほかのルアーで抜いた後のシビアな時間帯に入れるのも面白いです」
一方のジグヘッド、タイドリングヘッドは素材に低比重の亜鉛を採用。同ウェイトの一般的なジグヘッドよりヘッドが大きく、引き抵抗感がアップ。
杉山「さらにリブが水を噛んで引き抵抗が増す。操作感が得やすいのが一番のメリットでビギナーの方でも扱いやすいジグヘッドです」
ぶん「釣れそうな気になってきましたよ~」
そしてなんと1投目からヒット!?
ぶん「先生の言うとおり、このコンビは風が強くても操作しやすく、アタリもはっきりわかりました。私の新たな武器になりますね」
序盤はアジのアタリ連発。ぶんちゃんは「アタった! きたっ!」を連呼。
杉山さんもタイドカーリー2.8inで余裕の1尾だ。
エキスパートとの差が明らかに。ワンランク上のアジングとは?
夜の実釣では順調なスタートを切ったぶんちゃんだが、徐々に杉山さんとの釣果の違いが明らかになってくる。
ぶん「あ、アタったのにのらない」
せっかくアジをのせてもファイト中や抜き上げる際にポロリとフックアウトが目立つようになる。対して杉山さんはアタリをかけ、確実にキャッチ。
ぶん「代悟先生、何がいけないんでしょう…?」
軽いジグヘッドでアタリを分かりやすく!
杉山「かけても外れてしまうのはアタリに対してアワセが遅いのが原因です。的確にアワセれば固く、外れにくい上アゴにかけることができるんですが、遅れると破れやすい口元に刺さってしまい…というケースが多いですね」
ぶん「つまり、エキスパートの方より反射神経が鈍いってことですか?」
杉山「もっと大きな違いがあります。今日は風が強いから石川さんは操作しやすい1.5gのジグヘッドを使っている。僕は1g」
ぶん「たった0.5gの違い!」
杉山「0.5gも、です。軽いほうが感度が高く、アジも吸い込みやすい。上アゴの硬い部分にフッキングしやすいです。石川さんは1.5gは使えているので1gに替えてみます?」
ぶん「替えます! 上アゴにかけてみせます!!」
タイドリング1gに本日のぶんちゃんのヒットワーム、タイドカーリー2.0inイソメグロークラッシュをセット。
ぶん「軽くするとエステル0.3号の細さのメリットを実感します。やった、きたっ!」
グングン横に走るアジの引きをいなして抜き上げ。ポロリなし!
ぶん「1gにしたらアタリもわかりやすくなりました。そして上アゴにしっかり。やった!! エキスパートの方が0.5g以下とか超軽量を使うのはこういうことなんですね」
エキスパートのスレアジ対策:ワーム「への字」掛け
杉山「もう一つ、スレたときに有効な喰わせワザを教えましょう。ワームをわざと短めに刺します。ワームの素の部分が長くなってよりナチュラルに誘えます」
ぶん「への字みたいに。真っ直ぐ刺すのが当たり前だと思っていたからびっくりです」
最後にロッドワークを盗もうとするも完全マスターならず!?
達人の技を教わり、短時間でメキメキ腕を上げるぶんちゃんだが、何やら首をかしげている。
ぶん「先生のマネをしてロッドを立ててチョンチョンッとアクションを付けているんですけど、アタリがないんですよね」
疑問があれば質問攻めがぶんちゃん流だ。
杉山「それはですね、ロッドを立て気味にかまえて、チョンチョンッとティップを動かしながら糸フケを巻いてカーブフォールさせてるんです」
ぶん「こうですか?」
杉山「それだとアクションをつけた後に止めてるだけ。それでも食うときはありますけど」
ぶん「こうかっ?」
杉山「それだとチョンチョンで引き上げてますね。そろそろアタリも少なくなってきたし」
ぶん「次の漁港に行って練習!」
杉山「いや、風が強いとサオを立てる釣りはやりにくい。それは宿題にして今夜は終了にしましょう。明るい月も出てきました」
ぶん「もう少し釣りたかった…でもレベルアップを実感できたし、ジグヘッドの軽量化、への字刺しにチョンチョンフォール。3つも新発見がありました。少しはアジングマスターに近づけたかな(笑)。代悟先生、ありがとうございました!」
「上達が釣果に出る。やっぱりアジング、ハマりますね」
ぶん「代悟先生に教えてもらって丸呑みするバイトも出せるようになったし、上達が釣果にすぐ出る。みんながアジングにハマるわけですね。今度は風のない日にチョンチョンフォールをマスターします!」
この日の最大記録、余裕の25cmオーバーは杉山さんの手に!
2020年にフルモデルチェンジされたBRSはアジングにもマッチ!
BRSは普及価格帯で上級者の腕に応える機能を備えたショアキャスティングロッドシリーズ。ライトゲームセクションのS64UL-LGとS68UL+LGはアジングにもマッチする。
杉山「S64UL-LGは取りまわしやすくジグ単が操作しやすい。S68UL+LGは足場の高いところやアジのサイズが大きいときに。日中に5g前後のメタル系を投げるときにも使います。どちらもティップ側のスレッドが白で暗くてもティップに出る変化が見やすいです」
軽量なジグ単でも扱いやすい高感度タイプと、メタルジグやライトプラグにも対応した汎用モデル。2つの種類を使い分けて、幅広くアジングを楽しもう!