長らくおまたせしました。1年以上の歳月を掛けて作り込んできた、サーティフォーとルアマガのコラボロッド、ついに完成。販売開始でございます。初回限定200本。3月22日(納品は4月下旬)にこれまた新規OPENとなる『ルアマガ オンラインストア』にてカートオープン(予約販売受付開始)でございます!
ちなみにですが、4月3日から代々木で開催されるアウトドアデイジャパンにてAdvancement65を展示いたします。
アクションの解説や細かな仕様については現地にてスタッフが解説します。販売サイトに関しては3月21日に『ルアマガ オンラインストア』にて表示予定です。下記リンクよりよろしくおねがいします。
最新・最高の素材を盛り込んで作り込まれたAdvancement65とはどんなアジングロッドか?
Advancementというロッドシリーズは、あのアジングのパイオニア的メーカーとして知られる「サーティフォー」のロッドシリーズ。現代アジングの先端を行く同メーカーの基幹ブランドとも言えます。
そのAdvancementのブランド名を冠したルアマガとサーティフォのコラボロッドがAdvancement65です。最新の各種ナノアロイ®技術採用カーボンを盛り込んでコンセプトのアクションを追求し、完成にいたりました。
Advancement65 HSR-65 SPEC
■モデルネーム:HSR-65
■ティップタイプ:Solid
■長さ:6ft5in(6フィート5インチ=1.98m)
■継数:2P(2本)
■仕舞寸法:101.5cm
■ルアーウエイト:0.3〜5.0g
■使用推奨ライン:1.0〜2.0lb(ポンド)
■ロッドウエイト:77.2g
■価格:58,000円(税抜)1年間の保証あり(規定免責額にて対応)
ロッドの詳細解説の前に各種パーツをご紹介します。
Advancement65 ロッドコンセプトの詳細
このロッドは、アジングロッドという繊細な性能を高いレベルで維持しながら、不意の大物(想定はブリクラス)がヒットした際にもテクニックでいなしきる異次元の性能をもたせて欲しい。と、サーティフォーにお願いして設計していただいた1本で、それがまさにコンセプトといえます。
この二律背反する無茶なコンセプトの実現をお願いした背景には、既存のAdvancementシリーズの優秀な可変テーパー、プログレッシブテーパーコンセプトと、現在、主流になりつつあるプリプレグの製造技術、東レ・ナノアロイ®の存在があったからです。
ナノアロイ®技術の特徴は過去記事をご覧になっていただきたいところですが、端的にこの技術の登場により、中弾性カーボン素材の基礎性能の向上はもとより、高弾性カーボン素材が求められた性能を発揮し、扱いやすくなりました。この革新的な素材製造技法があったからこそ、実現できたコンセプトと言えます。
セールスのための不必要な最新素材とやらの使用は、ただのコストアップに繋がり、多くの人に使っていただきたいという意向に反するところですが、今回採用に踏み切った55tナノアロイ®、40tナノアロイ®、T1100G(32〜33t)という高性能プリプレグはコンセプト性能の実現のために不可欠であったために採用しました。
「繊細で靭やか」を妥協なく! そのために妥協は一切していません。そして、アジングロッドとしての性能を突き詰めた1本となっています。
酸いも甘いもロッドのコンセプトまとめ!【フカポン放言セールストーク】
思いを込めすぎてとっちらかりそうなので、このロッドの良い点まとめました。ただマトモなセールスマンではないので、弱点も書いちゃうと思います。吟味して琴線に触れましたら、ぜひ購入を検討してください。
【その1】不意の大物とやりとりできる!
再三申し上げている、このロッドの1番のコンセプトです。設計された家邊さん曰く「ブリ? ブリならなんとかなりますよ(笑)」そのお話があって、カツオに挑戦したりブリに挑戦したりしましたが、そこと戦う機会は与えられず。でも、でかい奴らとはしっかりとテストを重ねて、ま、ブリも余裕でしょ。となりました。不意の大物にも焦らずテクを駆使して戦ってください。「海外の変な魚相手にはこのロッドがいいでしょうねぇ!」とは家邊さんの弁。
参考:8〜10kgクラスのまでの魚ならファイト可能! ただしドラグ設定はしっかりね。ティップが繊細で、でかいルアーが投げられないだけで、ヘタれません。記者は複数本ロッド持って行きたくないので、ボートタイラバとかはこれで済ませる予定です。ちなみに、「つ」の字型曲げにはFチューンは強いけど、そんな曲げ方したら折れますからね。ご注意を。
【その2】ブリとも戦えるけど、カリカリなアジング性能がある!
ブリとライトライン、ライトタックルで戦えたって別に偉くはありません。あくまで、Advancement65はアジングロッドです。アジをジグ単で釣る性能を、超突き詰めました。副次的性能として、フロートリグ系との相性は悪くありません。ミッドとバット、強いですからね。
家邊「勘違いしている人が多いですけど人間って、一番感じられる感度帯があるんで、そこをしっかりと手元に伝える工夫をすれば、無駄な超感度はいらないんですよ(笑)。手元に○○○dbに前後で伝わるように設計してます。そういう設計になっていれば、無意味な軽量化も感度も必要ないですよ」
なので、15cmくらいの豆アジでも、なんかモクモクと狙っちゃいました。全然楽しめるので。
あと、潮感度には拘っています。潮感度はティップからモタレを圧としてアングラーに伝える機能。この性能、意識して作っているアジングロッドって案外少ないんですよ。もちろん、家邊さんは意識してちゃんと作ってらっしゃいます。
弱点は僅かな差ですがアジング性能としてのフィネスさはAdvancement63に負けると思います。
参考:このロッドのベストターゲットは22cm〜40オーバー。○○○dbは企業秘密かもしれないので、許可が出れば書きます。
【その3】1.0g以下のリグがしっかり投げられて操作できる!
0.5gのジグ単のキャスト性能ははっきりいって、Advancement63の方が楽です。そのキャストフィールは2inロッドが長い分、少し劣ります。ようやく記者も家邊さんの合理的なジグ単のキャスト法を習得しはじめて、サーティフォーのロッド群が使いやすくなりましたが、以前は実はキャストフィールに関してはサーティフォーロッドのフィーリングが苦手でした。今は、使いやすさに痺れていますが。
Fチューンドティップの登場もあって、軽量リグも雑に投げてもOKな感じにはなっていますが、より使いこなすなら家邊さんのキャスト法を勉強されると目から鱗かと思います。今度、そちらも記事に書きますね。
前半、ぜんぜんセールストークになっていませんが、下は0.3g、上は3.0gクラスのジグヘッドに対応。0.5gもちゃんとティップに乗せてキャストが可能です。個人的な意見でいくと0.8gジグヘッドを基準に、上下に展開する釣りが良いと思います。
参考:重い方向の操作感は、重くなるほど頼もしい感じ。3.0gの操作感はこのロッド超最高です。これ以上のロッドがあるならもってこい!と啖呵を切りたくなる出来です。でも啖呵を切るのは控えときます。
【その4】6ft5inという長さを活かせ!
家邊さんのアジング論のなかで、アジングロッドは「短いほうが初心者には良い」というのがあります。実際、現在、開発が進行しているビギナー用モデルのロッド長さは4ft10in。
家邊「4ft7inという長さのロッドを以前作ったんですけど、十分にキャストできることがわかったので、ビギナー用モデルは4ft10inにしました。女性でも子供でも無理なく使えると思います」
と、いうことは6ft5inって現代アジングに向いていない!?
家邊「そんなことないですよ。僕は6ft5inくらいの長さが実は好きです。いろいろなシチュエーションでラインを捌いたり、小細工できますからね。ただ、僕の提唱するスローなアジングは動かさないことが、ひとつのキモでしょ? 長いロッドは理解していないと、動きが大きくなるんです。だからビギナーには短いロッドがいいですよと言っています。慣れてきたら長いロッドは使いやすいですよ」
例えば、手前の藻を躱してファイトしたり、高い足場の堤防や磯でやりとりしたり…。長い分キャスト能力も高いです。狙ったレンジキープはさびく距離が長い分、しやすいなど操作感にはすぐれます。
参考:反面、ちょっと動かすと大きく動くので繊細な動作が要求されます。そこだけ意識していただければ、ビギナーでも使えると思います。長いがゆえに、今回の各種必要な機能、性能をロッドにしっかり持たせることができました。
【その5】ナノアロイ®は現状考えうる素材として最高クラス!
使用しているナノアロイ®の特性は、現状考えうるルアーロッドの素材としては最高クラスの特性を有しています。
弱点は価格が従来マテリアルより高価なのと、従来のレジンを使った弾性率よりも体感高弾性な特徴を持っているので(弱点というより長所)、そこを加味した上の使用がデザイナーに求められる点、製造に難あり(ちょいと芯棒に巻き付きにくいとか)かと思いますが、ここにきて各ブランクメーカーへの供給量も増えておりT1100Gなのどナノアロイ®採用マテリアルの台頭も目立ってきました。
増えてきたってことは、製造上の弱点は解消されつつあるのかもしれませんが、すいません、そこまでは取材が及んでいません…。
この技術は前述したように破損率が問題だった超高弾性カーボンにも投入され、このロッドにも使われている55tカーボンプリプレグは、話題のM40Xよりも弾性率は上になります。55tナノアロイ®となると体感60t以上クラスの弾性率となりますので(いままでよりより素材に近い程度)、この手の弾性率ともなるとシナジー(親和性)が高くなるジャンルのルアーロッドは正直、そう多くありません。
記者的には、アジングロッドかブラックバスの超フィネス用か。はたまたエリアトラウト用の尖ったロッド用くらいかと思います。いろいろと研究が進めば面白いですね。
参考:ナノアロイ採用マテリアルには24t、30t、33t(T1100G)、37t(M40X)、40t、55t…の種類があり。ええと、ぶっちゃけると、どのカーボン繊維にも採用できるレジン技術なので、現状は多岐に渡っているかと思います。
ぐだぐだと、ながながと書きましたが、拘りなければここまで書きませんから、かなり作り込んだロッドであるということが伝われば幸いです。なんで、安心して購入してください(笑)。
限定販売について
3月22日のカートオープンに際して、ルアマガにて用意しておりますAdvancement65の本数は200本。同社のシリーズの販売本数を考えると、ちょっとご用意できた本数が少なめ…。毎回、毎回、尖ったコンセプトでロッドを販売させていただいているルアマガなので、お客様の反応が見えづらく、いつも石橋を叩いて販売しております。
高額なロッド価格帯のため、フィッシングショーなどで、お客様に見ていただく機会を設けながらじっくり吟味していただき、販売したいとは思っておりますが、コロナ禍の影響もあり、思った機会を設けられないのも事実です。大変申し訳ありません….。
ですが、アジングの皆様の熱量も存じ上げております。すでに、販売サイトに関する情報の問い合わせ、商品そのものの問い合せなども増えており、万全の体制を築いておりますが、万が一、完売してしまった場合、次回入荷に関してはさらにお時間をいただくことになり、なおかつ追加予約数が100本を超えない場合には販売終了と相成りますので、ご了承ください。