釣り具やルアーは星の数ほどあるわけで、これをひとつ! に絞るのはなかなか難しかったりします。個人的には特に「エリアトラウト」。ルアーゲームの中でもとりわけカラーパターンが多すぎる! いっそのこと、誰か全部選んでくれ!というわけで、今週は飛ぶ鳥を落とす系の人気メーカー・ジャッカル発のエリアトラウト用ルアーセットをお買い求めです。めちゃ釣れました。
【Profile】
ルアマガプラス編集部・アズマ
ルアマガ事業局に所属するにも関わらず、釣り知識はどシャローに貧弱な会社きっての雑魚カード。でも釣りは好き。入社してついに1年が経ったが相変わらず経験値は絶望的で頻繁にトンチキなことをする。写真は奇跡的なサワヤカ・ショット。ただし、5分後に池に転落。
好きですエリアトラウトの釣り。
主にニジマス、時にはアマゴやイワナ、場所によっては日本における最大の淡水魚・イトウまでも狙うことができる管理釣り場でのマス釣り=エリアトラウト・ゲーム。
トイレはあるし、魚影は濃いし、足場も良いし、テントサイトやバーベキュー場が併設されていることも。つまり手軽だし気楽だし釣れるし食べられるし楽しい。私見では再ブーム近しと予想しております。
しかしそんなエリアトラウト、ルアーの種類が多い…のは結局のところどんな釣りでも同じなんですが、カラーパターンがちょっと他に類をみないほど多彩すぎる。
特にスプーン。単色モデルだけでも数多くありますし、それに加えてドット柄、ラメ入り、光沢加工、蓄光グロー、そして裏表でツートンカラーにすると組み合わせは無限大。結果、同じスプーンの別カラーがどっさり存在することに。
しかも使い分けも結構重要なんです。派手系、地味系、それらの中間くらい、放流後に効く色、濁りに強い色、逆にクリアに強い色…。
刻一刻と変化する状況に合わせて選択するのがエリアトラウトの醍醐味ではあるのですが、正直、目が回ります。
オレンジ×金と単色の金ってどっちがどう派手なんだ? 達人を呼び出し、カラーチャートを前にしてそれぞれの色の特色を教えてもらいたい。
たくさん釣っていくにつれてこうした違いは実感できていくもの(と思われます)が、やっぱりこの状況は最初の一歩を踏み出しにくい。
取材の前日に釣具店のトラウトコーナーに並ぶ膨大な数のルアーを前にしてウンウン唸っていたところ、救世主的スターターキットを見つけたのです。
コンフィーパッケージ スターターセット(ジャッカル)
ジャッカルのソウソウたるエリアトラウトチームが厳選した数珠のルアーチョイスの集合体。
「コンフィーパッケージ スターターセット」はそれらがワンパックになったたいへんおトクなセットであります。
今回購入したのは透明度の高い場所にオススメな「クリアウォーターセレクト」ですが、他にもやや濁り向けの「ステインウォーターセレクト」、ド濁りで有効な「マッディウォーターセレクト」の3パターンがあります。
内容物はスプーンが2種類とクランクが2種類、加えてペレットを模した「デカブング」の5つ。
カラーパターンだけでなく、セレクトごとに微妙に種類やウェイトも違っており、「初心者に釣らせる」ことに対するジャッカルのこだわりと本気度が窺えます。
前回の「西武園ゆうえんちフィッシングランド」では出しどころがなかったこのセット。別日に別の場所で使ってみたところ、なかなかの好釣果を叩き出せたのです。ヘナチョコ編集者の僕が!
中でも、10分で10尾くらいの釣果をもたらしてくれたルアーこそ、こちら。
めちゃめちゃ釣れた『パニクラMR』
エリアトラウト用クランクベイト『パニクラMR』です。
エリアトラウトと言えばスプーン! …と思っていましたが、いやはやクランクの威力は強烈でした。
どうしてって、スプーンは結局金属片。沈むのが早くて、一定のレンジ(水深)を引くためにはわりと早く巻く必要があるんです。
ですが水の透明度が高く魚の姿が見えるクリアな状況だと、早巻きスプーンに追いつけなくて諦めるいくじなしのトラウトが意外と多いことに気が付きます。まるで僕のように…。
しかしクランクはひと味違う。浮力が各ルアーごとに調整されていて、ゆっくり巻いても同じレンジを引ききれるんですなー。
そしてこのパニクラは低速でもブリンブリンに泳ぐウォブルが強いタイプ。低速×強波動という相反する属性が噛み合ったようで…。
ボトムアタックでパニクるから「パニクラ」
リップ付きのルアーはリールを巻くと一定深度まで潜り込む特性がありますが、水深が浅いとそのまま水底に突っ込みます。
パニクラの名前の由来は、障害物や水底に突っ込んだ際に起こす「パニックアクション」。これがどうにも効いたらしい。
気づいてからはキャスト後、着水してからグリグリグリっと巻いて一気にルアーを潜らせ、あとは底を浚うようにゆっくり巻いてモリモリ入れ食い。ウヒョー。
今回お邪魔した千葉県は山武市の管理釣り場「釣パラダイス」のトラウトエリアはけっこうシャロー(浅め)で、1.5m潜航のパニクラ「MR」でもボトムを攻めきれたみたいです。いやあ楽しかった。
パニクラは以前、エリアトラウトの達人・杉山代悟さんに解説頂いてます。
コンフィーセットは他の4つのルアーも優秀だぞ!
とはいえ、今回はたまたまパニクラがフィールドとトラウトの活性に合致していただけ。
スターターセットに含まれる他のルアーが爆アタリする状況ももちろんあるはずです。
それぞれのルアーの特徴を見ていくと、表層・中層・ボトムにスタンダードなスプーンが2種類とかなりバランスの良い取り合わせ。
「釣パラダイス」は浅かったので『パニクラMR』でもボトムを擦りましたが、本来はこれが中層です。
他のルアーも軽く見ていきましょう。
【表層クランク】ちびパニクラSR #タッキーブラウン
パニクラのダウンサイズ版がちびパニクラ。SRはそのシャローレンジモデルです。
属性としては表層・サイズ小さめ・波動強め・ゆっくりが特徴。
【ボトム攻略】デカブング1.3g #レッドグローオレンジ
養殖魚であるトラウトが普段エサとして食べているペレット。これを模したのが「デカブング」です。
ズルい? 釣れればいいんですよ!
こちらはやや特殊系。上から落ちてくるものを意識していたり、あとはボトムでピコピコ跳ねさせたりして使います。
【スプーン2種】ティアロ1.6g #からし &ティアロ1.9g #ヤジーセカンドゴールド
ティアロはジャッカルのスプーンの中でも最もスタンダードな頼れるモデルです。レンジは自由・サイズは小さめ・速度は早めといったところでしょうか。
多層をテンポよく探れるのがスプーンの利点で、また放流直後など魚の活性が高いときにはやっぱりコレ。
たった0.3gの違いとあなどるなかれ。重ければそのぶん強風でもよく飛びますし、軽ければそのぶん沈むのが遅くなり、ゆっくり巻いても同じレンジをキープできるのです。
というわけで、エリアトラウトは使い分け大事。
ジャッカルのセットアップは親切でした
エリアトラウトの基本を網羅したスターターセット。
僕を始めとした初心者はよく知らずに釣具店に出かけて、宇宙空間におっぽりだされたような感覚を覚えることもしばしば。
そのような広大無辺なるルアーゲームにひとつの基準点を作ってくれるステキな入門向けセットでした。
管理釣り場なら根がかりでロストすることも少ないのでいつまでも現役で使えるところも嬉しい。
今季中にもう一回くらい行きたいな~…。といったところで、以上。