亀山湖のスーパーロコ・城ノ上巧のでかバスハンティング理論



古くから東日本のアングラーを虜にしてきたビッグフィッシュレイク。解説するのは、同湖のでかバスをひたむきに追い求めている猛者。リザーバーファン、必読!! 

【Profile】

城ノ上巧(じょうのうえ・たくみ)

亀山に通うベテランアングラーが一目も二目も置く、真のでかバスハンター。関東超メジャーレイクでの3尾のロクマル捕獲実績には、ただただリスペクトするしかない。 

巨バスを狙うなら勝負は3月末まで

城ノ上「この湖で50アップを手にしようと思ったら、もっとも確率が高まるのは6~8月でしょう。その時期なら全域で岩盤+シェード、さらにブルーギルのいる場所を意識して力のあるルアーを使っていけば数の延長に混ざってくるはずです。 

でも、これが55cmより上のサイズとなると話は別で、季節で言うなら冬から早春にかけて、となる。デカい個体はスポーニングを意識した時点で一気に難しくなってしまうので、チャンスがあるのは3月末までですね」

上流域はロクマルの可能性が低くなる 

城ノ上「小櫃川筋で言えば長崎から上流、猪ノ川なら川口から上流で相対的な水深が浅くなると、50アップは別としてMAXサイズはほとんど期待できません。その最大の理由はデカい個体が求めているエサがいないから。ただし冬季にニジマスが放流されたときは例外で、ニジマスの遡上に伴い上流エリアにも可能性が生まれます」

これは小櫃川最上流部。浅いバックウォーターは水位変化の影響を受けやすく、エサも常に供給されるわけではない。 

城ノ上「彼らは水通しがよく、一年を通して水が安定している本湖(ボディーウォーター)の一等地で、もっとも居心地の良いストラクチャーを拠点に行動している。シャローフラットや崩落跡、そしてベイトフィッシュの回遊ルートに立ち木があるなど、常にエサがいて、それを食べやすく、身を隠すこともできる、つまり生き抜くうえで快適な環境が備わったエリアにいるのです。 

なお、亀山では新たなベイトフィッシュとしてワタカが注目されています。大きさは20~30cmでシーズン中は沖の表~中層をスクールしており、場所とタイミング次第ではビッグベイト等によるでかバス狙いのゲームも成立するようです。まだまだ未知の部分が多いですが、ワタカパターンの確立は今後の必須課題と言えるでしょう。」



城ノ上さんのでかバスハントを築きあげる3つのルアー

シーズン中は1日通して、まずはトップから様子見!! 

ジョイントフカベイト(ノリーズ) 

城ノ上「6~8月なら岩盤+シェードでまずはコレをゆっくり巻いてみる。オリジナルのフカベイトも然りですが、ロールを伴う縦揺れ波動=フカフカアクションはとにかくデカい個体を引き寄せてしまう。たとえバイトに至らずとも魚のいる場所が分かるのはとても重要で、次の展開へとつながる大きなアドバンテージになります」

【使用タックル】
●ロッド:ロードランナーVOICE LTT680H(ノリーズ)
●リール:メタニウムDC(シマノ)
●ライン:ソラローム・ルアーPE55lb(東レ)  

2尾のロクマル実績を誇る対巨バス最強兵器 

ビッグエスケープツイン(ノリーズ) 

城ノ上「立ち木、崩落絡みの倒木、オダなどに引っ掛けてロングシェイク。ある程度誘ったら外してズル引きやスイミングで次の引っ掛かりを探し、再びロングシェイク。スローにていねいに、繊細に操作することが大切です。 

画像上/フットボールヘッド5g+ダブルエッジ#5/0(リューギ)が基本の組み合わせ。画像下/ショートバイト対策、バスの活性が低いなど、フッキング率を高めたいときは頭部を2節カットしたうえでダブルエッジ#4/0でセットします」

亀山湖で初めて手にしたロクマルは64cm、場所は月毛沢のレイダウン、ルアーはビッグエスケープツインの5gテキサスリグ。忘れもしない、2018年1月11日の出来事でした。 

【使用タックル】
●ロッド:ロードランナーVOICE LTT680MH(ノリーズ)
●リール:スティーズリミテッドSV TW1000HL(DAIWA)
●ライン:Bawoエクスレッド12lb(東レ) 

近年もっとも可能性を感じているルアー 

フラチャット14g+フリップギル5in(ノリーズ)

城ノ上「通称『ギルチャット』。障害物に当たってもヒラを打つルアーではないので、逆に当てないことを意識しています。崩落跡や立ち木エリアで、まずは表層付近からトレースし、反応がなければ着水後にフォールさせて徐々にレンジを刻んでいくのですが、リトリーブスピードはどの水深でも同じ。僕の場合、かなりゆっくりですね」

スローでもしっかりと巻けるよう(理想的な動きが出せるよう)、ブレードを下向きに反らせるチューンを施しています(左がノーマル、右がチューン済み)。またフリップギルも、ワームオイルを食器用洗剤で抜いたあと20分ほど煮てフニャフニャに軟らかくしています。
トレーラーフックは、スナッグレストレーラーL(リューギ)にTCキーパーを装着したものを通し刺しでセット。メインフックを通したあとはバーサタイルキーパーL(デコイ)でズレを防止しています
フリップギルのボディの後部に切れ込みを入れたものもテスト中。ノーマルに比べて動きは良くなりますが、水押しは弱くなる感じです。 
 

【使用タックル】
●ロッド:ロードランナーVOICE LTT650MH(ノリーズ)
●リール:バンタムLEFT(シマノ)
●ライン:エクスレッド14lb(東レ)

 

でかバス狙いのキモ 

城ノ上「では、具体的にどう攻略していくかという話になるのですが、それはここに挙げた各ルアーの解説を確認していただくとして、何を使うにせよ、とにかく中層から上を意識することがとても重要です。 

たとえば僕が全幅の信頼を置くワームにビッグエスケープツインがありますが、そのフットボールヘッドリグを立ち木エリアで用いる場合、水深10mでも5mの枝に引っ掛けて誘う、といった具合いですね。ボトムまで沈めることはありません。 

 最後に、デカいバスを釣りたいと思ったら、毎キャスト本気で狙うこと。朝の1投目から夕方のラスト1投まで、モチベーションをしっかりと保ちデカいバスを釣るためのルアーを投げ続ける。それが一番大事だと思います」

アプローチは遠目から!! ここぞというスポットではさまざまな角度からルアーを通すべし 

城ノ上「近づく前にまず投げる。バンク際をきっちりタイトにチェックする場合は別として、立ち木や崩落跡(の倒木)などオフショアの障害物を狙うなら、ロングキャストを心掛けましょう。ただしこれは、どこにストラクチャーがあるのか把握していることが前提ですね。ここぞという崩落などは360度全方向からルアーを通します。トレースコースが変わることで食ってくるケースが多々あるからです」

セッティングの詳細はブログで紹介していますので、下記をチェックしてみてください。※城(ジョー)の亀山釣行記!2020年5月24日更新「フラチャットのトレーラー?」参照。