「エギング専用」と銘打たれたDAIWAの「エメラルダス」。シリーズにおけるリールの最高峰こそこの「エメラルダスAIR」だ。2021年にフルモデルチェンジされた当機種は同シリーズのリール史上最軽量を誇りつつも、エギングに最適なダブルハンドルやパワーラウンドEVAノブ等の機能を標準搭載している。「専用」モデルの名に恥じないエメラルダスAIR、開発部のお2方はどう語る?
質問に答えてくれたDAIWA企画課のお2人
【Profile】
戸出玄樹(とで・げんき)
DAIWAリール企画課、リール開発担当。今回、とりとめない質問にも細部まで答えてくれたリール開発のエキスパート。自身も淡水、海水を問わず数多くの釣りを経験している。
【Profile】
金満秀幸(かねみつ・ひでゆき)
DAIWAロッド企画課、エギング、ロッド担当。エギングに関する知識と腕は筋金入り。今回はテクニック面やロッド、エギングの総合的な質問を中心に答えてくれた。
「エギング専用リール」エメラルダスAIRの威力を体感せよ!
エギング専用リールという、エギンガーにとっては最も買いやすいモデルのエメラルダスシリーズ。購入してスグの「吊るし」状態ですでにエギングに最適化されたカスタムが為されているのが特徴だ。
それぞれのパーツも含めると、エメラルダスの最高傑作といえるAIRはかなりのハイコスパと言えるだろう!
【スペック】
●素材:ZAION(ザイオン)
●ボディ:モノコック
●重量:195g(FCは160g)
●希望小売価格:51,900円
●巻取り長さ:73cm(cm/ハンドル1回転)
●ギア比:5.2
●標準糸巻き量:ナイロン6lb-150m/PE0.8号-200m
●ベアリング:ボール12/ローラー1
●最大ドラグ力:10kg
●性能:エアローター、マグシールド、タフデジギア、LT(ライトタフ)、ATD、LC-ABS、パワーラウンドEVAノブほか。
エメラルダスシリーズ歴代のなかでも195gと最軽量。価格的にはルビアスエアリティに肉薄する5万円台ではあるが、エギング性能としては…?
戸出「モノコック搭載で素材はザイオンなので、軽量で剛性に優れています。金属のマグネシウム素材の方が細かい精度が出しやすいので上位機種になりますが、ザイオンは錆びにくいという特性もありますので、エアリティとはまた違った個性を持っていると言えますね」
金満「フィネスカスタムは軽いんですが、ギアは小さめなので軽快にシャクっていく数釣りに良いですね。ラン&ガンしながらシャローの秋イカを狙っていくのに最適です。2500番台のノーマルなら春の大型狙いとかボートエギングなどにも良いと思います」
「エメラルダスAIR」各部カット(クリックで拡大)
DAIWA開発部が斬る! 「エメラルダスAIR」
軽量性:9点
剛性:8点
防水性:9点
回転フィーリング:9点
耐久性:9点
合計=44点
フルメタルではないため剛性は8の評価だが、他は全て9という高バランス仕様。総合では44点となるが、必要十二分の高性能モデルといえる。
編集部判断:コストパフォーマンスは「8」
パワーラウンドEVAノブや、ダブルハンドルが付いているモデルなど、エギングに最適化されたパーツが最初から付いている。本来なら自分でカスタムパーツを集め組み立てる必要があることを考えると、実はコスパは高いのだ!
おすすめロッドは「エメラルダスAIR AGS711M-S・R」
金満さんおすすめのセットは、ロッドもやはりAIR! ロッドの重量自体は86gなので、合わせて281g。ダブルハンドルの安定性とこの軽さで、シャクリ&フォール自由自在!
既存リール比較:セルテート
セルテートといえば、シリーズ初期から時代に合わせて最高の耐久性を突き詰めたモデル。エギングでいえば激しいシャクリといった、ハードな使用にも耐え得る堅牢性が売りとなるだろう。
しかも、重量でも205gとエメラルダスAIRと10gしか差がないため、好みで使い分けたい。
【スペック】
●重量:205g
●希望小売価格:48,500円
●巻取り長さ:87cm(cm/ハンドル1回転)
●ギア比:6.2
●標準糸巻き量:ナイロン4lb-150m/PE0.6号-200m
●ベアリング:ボール10/ローラー1
●最大ドラグ力:5kg
●機能:ザイオンエアローター、マグシールド、タフデジギア、LT(ライトタフ)ほか。
DAIWAリール担当が斬る! 「セルテート」
軽量性:7点
剛性:10点
防水性:9点
回転フィーリング:10点
耐久性:10点
合計=46点
軽量性では7という数値になるが、剛性と耐久性に回転フィーリングは10のMAX値。合計で46という高得点。ハードに使いたいならセルテート一択!?