バスフィッシングは、通年楽しめる釣り。季節ごとの必釣パターンを知っておけば、より釣果が得やすいのはいわずもがな。そこで琵琶湖の頼れるプロガイド、“いそっち”こと礒村雅俊さんにバス釣りシーズナルを解説してもらおう。今回は5月編!
【Profile】
礒村雅俊(いそむら・まさとし)
2011年より琵琶湖でプロガイドをスタート。琵琶湖のロコトーナメント『BAIT』で2013、2015、2017年にA.O.Y.に選出されるなど、アングラーとしても輝かしい実績を残す。ライトリグからビッグベイトまで幅広い釣りに対応。『楽しめる釣り』をモットーとする。
代掻きの濁りが絡む時期は水のきれいな場所を攻略
磯村「5月といえば、全国的にも田植えの季節ですよね。この時期、釣り場を選ぶときに注意したいのが代掻きの濁りです。バスはもちろん、特にエサとなる小魚は、代掻きの濁りをきらう。代掻きの影響があるところは、水が白濁しているのですぐわかります。できるだけ水のきれいな場所を攻めるのが釣果を伸ばすコツです」
代掻きの影響を受けるのは、田んぼが隣接する河川や用水路などだ。
では、代掻きの濁りが入っていたら、具体的にどれくらい離れればいいのだろう。
磯村「濁った水ときれいな水との間にマッドライン(境目)ができる。それを避けるだけで十分です。釣り場を選ぶときは、少しでも水がきれいな場所にしましょう。ちなみに、強い濁りが入っても、しばらくすると周辺の水が安定し、濁りのなかで食ったりもします。ただ、それはあえて積極的に狙うほどではない。それよりは最初から水のきれいなエリアを探すほうが断然効率的です!!」
こちらはアベンジ クランク400のブルーバックチャートで仕留めた1尾。
シーズナル必釣ルアー【ボート編】
ネコリグ&ベイトネコ
ドラッギングで沖のウィード攻め
磯村「ウィードエッジを攻めるのに有効なテク。まずはルアーを狙いのレンジまで確実に沈めることがキモ。そのためには“糸を使って糸を沈める”んです。操作法は、小刻みなシェイクを15〜20回。ルアーがウィードに当たったら、竿先をまっすぐ戻します。すると、ラインがフリーになってアクションが止まる(これが食わせのタイミングになる)。これを繰り返して魚のバイトを誘います」
磯村「ラインをどれくらい出すかで、リグの沈み具合を調節します。僕は『1出し』と表現しますが、これはだいたいロッド1本分。リグが着底したら、船が遅め(風が弱め/魚探読みで0.5〜0.7km/時)なら4〜5出し、船が速め(風が強め/0.9〜1.2km/時)なら6〜7出しほどラインを流す。これによってウィードのギリギリを攻めます。何出しで釣れたかをちゃんと覚えておきましょう」。
磯村「高比重ストレートワーム。スピニングで扱いやすいサイズながら、適度なボリュームがあるので魚を寄せやすい。シンカーはカンジインターナショナルのネイルシンカーCP 0.9gを使用」
磯村「さらにボリュームがあるモデル。ベイトで使いやすく、しかもアピールが強い。広範囲を探るときや水が濁っている(水中の視界が狭い)ときに有効。ネイルシンカーCP 1.2gを使用」
磯村「ロッドは、ラインに対し120度くらいの角度で構えるのがコツ!!」
フック
セオライズ ハンガーFC-M[がまかつ]
FCとはファストコンタクトの意。瞬間的なバイトもフッキングに持ち込める掛け性能がウリだ。
シーズナル必釣ルアー【オカッパリ編】
ノーシンカーワッキーリグ
縦ストを攻略するならコイツの出番
磯村「アフタースポーンのバスを釣るのにおすすめ。4inカットテールワームをノーシンカーワッキーリグで組みます。杭などの縦ストの脇に投げたら、そのままゆっくり沈めるだけ。まだ体力が回復していないバスは、縦ストのキワでぼんやり浮いていることが多い。フォールアクションが速いとリグを追い切れないこともある。できるだけゆっくり誘うのがバイトを引き出すコツです」
磯村「アフタースポーンのバスは、杭などの縦スト周辺でふらふら浮いていることが多い。そんな魚に口を使わせるには、縦方向の低速フォールが有効。リグを落としながらどんどん歩きましょう」
「ラインは自然なフォールを演出できるフロロ4lb…といいたいところですが、障害物周りを攻める釣りなので慣れな磯村いと切れる可能性がある。ビギナーはフロロ5lbを巻きましょう」
フック
セオライズ ハンガーSW-L
フッ素樹脂コート+マイクロバーブは、ライトライン使用時の軽めのアワセでも確実に貫通する。
礒村雅俊的旬のテクニック
ディープクランク
巻きモノを追わせて食わせる
①ただ巻きで横方向に泳がせ、バスを追わせて食わせる。それで食わないときは、②ウィードタッチを狙って遠投し、ウィードからルアーが外れた瞬間にリアクションで反応させる
磯村「濁りが入ったときに活躍するのが、横方向のアクションを得意とするディープクランク。アベンジクランク400は、潜行深度が4m前後。なだらかな軌道で潜るので、バスを追わせて食わせやすい。代掻きなどの影響で水が濁ると、エサとなる小魚(小アユやバスフライ)が、ウィードなどの障害物にぴったり着く傾向がある。それに合わせ、障害物に対してできるだけタイトに探りましょう。巻きで食わないときは、ウィードに当てて食わせるリアクションの釣りも有効です」
磯村「水深4メートルラインまで潜るのに、とにかく引き抵抗が軽い。カラーは定番のクロキンをメインに、濁りが強ければホットタイガー、ブルーバックチャート、バニッシュクローをセレクト」
5月はココに気をつけよう
磯村「5月以降は、そろそろ日差しが強くなりはじめます。オカッパリはもちろんですが、ボート釣りでは水面からの照り返しにも注意したい。日焼け防止グッズがあると便利なほか、実釣中もまめに水分を摂りましょう。そしてもうひとつ。虫が増える時期でもあるため、なるべく素肌を露出しない服装がいいかも!? なお、木陰に入るときは、枝から落ちてくる毛虫に気をつけてくださいね」
5〜6月は日焼け防止グッズのほか、虫除け&虫刺され薬があると重宝する。持ち運ぶのは面倒でも、車に積んでおくだけで安心だ。
タックルデータ
ネコリグ用
●ロッド:イフリートS66M-solid.RF(ラグゼ)●リール:イグジスト スティーズカスタム2506(DAIWA)●ライン:アディクトフロロ 6lb(ヤマトヨテグス)
ベイトネコリグ用
●ロッド:イフリートB67M-RF(ラグゼ)●リール:スティーズリミテッドSV TW(DAIWA)+匠ベアリング メイン/加藤式(ゴールドワークス)●ライン:アディクトフロロ 7lb/プロト(山豊テグス)
ディープクランク用
●ロッド:ATS05 B70M クランクマスター“ディープ”(ラグゼ)●リール:スティーズA TW 1016-CC(DAIWA)+匠ベアリング 究極式(ゴールドワークス)●ライン:アディクトフロロ 14lb(ヤマトヨテグス)
ノーシンカーワッキーリグ用
●ロッド:アベンジS62L-F(ラグゼ)●リール:イグジスト スティーズカスタム2506(DAIWA)●ライン:アディクトフロロ 5lb(ヤマトヨテグス)