【超初心者向け】道具が揃ったら釣りの準備をしよう! ロッド→リール→ライン→ルアー→装備!【アジングの教科書#011】



さて、ここまでの連載でアジングのための下準備が完了しました。ロッド、リール、ライン、ルアー(ワームorフック)。そして安全装備。ここまでが必要最低限な釣りの準備です。次はこれらの道具の、準備の仕方を解説します。比較的、釣りビギナー向きの内容ではありますが、そうでない方も確認しておくとよいかもしれません。

当連載は書籍(MOOK)としてまとまっています! Webでも見れますが、書籍でもまとめて見ることが可能です、ぜひそちらもお求めくださいませ(5月31日発売予定です)!

第10章 釣りのための準備をしよう

釣り、ルアー釣りをやりなれた読者のみなさんなら、特に何も気にせずやれることかもしれませんが、これから釣りを始めようという方にとっては、意外に知らないことばかりかもしれません。そこで、この章では懇切丁寧に、釣りのための道具の準備法を解説します。

【Part.1】ロッドを準備する

実は、編集部でロッドを竿袋から出す順番から解説しよう。と、聞き込みを開始したのですが、ティップ(穂先)から順番に出す派、バット(グリップのある方)から順番に出す派とかなり意見がわかれ、これは、たい焼きは頭から食べるか、尻尾から食べるか、はたまた深キョンが好きか、ガッキーが至高かクラスの不毛な大論争になりそうだったので辞めました。

言えることは、折らないように最善の注意を払って取り出してください。アジングロッドはティップが細いモデルが多いので雑に扱うと泣くことにになりますので注意です。著者的には、ティップから先に出して用意するほうが良いと思っております。仕舞う時はバットからです。

そして、重要なのは継ぎ方です。一般的な2ピースロッドは何も考えなくていいのですが、3ピース以上の継数のロッドを扱う場合はティップから継いでいきましょう。これはアジングに限らず、ロッド全般に言えることです。抜く場合は、逆にバットから抜いていきましょう。

ロッドの継ぎ目にはいくつかの種類があります。主流なのは印籠継(いんろうつぎ)、逆並継(ぎゃくなみつぎ)、並継(なみつぎ)。どれも基本的な継ぎ方は同じです。

手書きで失礼!書籍時には清書します。使い分けは、調子次第。

拗じらず真っ直ぐに継いでください。ぐっと押し込む感じです。しっかり止まればOKです。特に初心者が戸惑うのは印籠継のタイプかもしれません。印籠継は全てきっちりハマるわけでなく印籠が少し露出します。その部分が曲がるのでブランクの継ぎ目同士が擦れたり干渉してしまうと破損に繋がるので、わざとクリアランスが設けられるようになっています。最後までハマらないと強く押し込んだりねじ込むと、それで破損してしまうことがありますので注意してください。

写真は印籠継ぎ(スピゴットフェルール)タイプ。
ガイドが歪まないように真っ直ぐに。ピースが多くなるほどガイドの向きが歪みがち。
印籠はピッタリとハマりきらないものなので、ピッタリならない! と強く押し込むのはNG。かといってガタガタしていると破損に繋がるので注意。しっかりと差し込もう(ねじり込むのはNG)。

抜く時も、捻じりながら抜くのはNG! ガイドなどに手をかけず、なるべく真っ直ぐに直線方向に力を入れて抜いてください。抜けにくい場合は冷却スプレーなどを使うと抜きやすくなる場合もありますので試してください。

【Part.2】リールとラインを準備する

さて、ロッドは継ぎましたか? では、リールを用意しましょう。ラインは巻いてありますか? 釣具店の場合は、お店の人に購入したラインを巻いてくださいと頼めば、無料で巻いてくれるサービスもありますので利用すると良いかもしれません。全て自分でやってみることも大事ですので手順を追って解説しましょう。

ラインが巻かれていない場合は、せっかく準備しましたが2ピースのロッドはトラブル防止のために抜いておきましょう。3ピース以上のロッドの場合はバットから一番近いガイドが装着されているピースまで残してティップを外しておきましょう。

購入したラインはプラスチック製のボビンに巻かれています。ボビンですので真ん中にサインペンが通るくらいのホールが空いているはずです。そこに軸となるものを差し込んで、先端のラインをグリップから一番近い(大きい)ガイドに外側からリールに向かって通しましょう。

今回はエステルラインを用意。
基本、ラインスプールの中央には穴が空いている。ここにペンシルや割り箸などを差し込んで、誰かに持ってもらえるとライン巻きは楽。製品によってはシールもついているので、ラインをスプールに止める際に使える。

通してきたラインをリールのスプールに巻き止めるわけですが、まずスピニングリールの場合はベールを返します。ベイトリールの場合はそのままガイドに糸を通してください。

スピニングのベールとは、湾曲したパイプのような部品のことを指す。閉じた状態。
このベールを手でオープンすることを「ベールを返す」と表現します。

通したラインをスプールに固定しましょう。糸を結んで止める方法もありますが、もっと簡単な方法があります。セロテープや購入したラインについているシールなどでペタリと貼ってあげてください。

セロテープでやる場合は小さめにカット。テープはダメ! なんて人もいらっしゃいますが問題なし。もちろん結んでも良いですが、コブができるのでコブはスプールの溝などに収納すると良いです。
ベールを返した状態で回転方向(右回転)になるように貼り付けます。

スピニングリールはその状態からベールをもとに戻して、ドラグをややきつめに締めます。ベイトリールならクラッチを切って巻いていくだけでOK。

テープを貼り付けたらベールを元に戻します。
リールのドラグ調節ノブを少しきつめに締めます。やりすぎなくてOKです。

そして放出するラインがなるべくよれないように(直線の向きになるように)、リールにラインを巻いていきます。よれないように、そして緩まないようにテンションをかけながら巻きましょう。この塩梅がなかなか難しいですが、ある人は軸に輪ゴムなどを巻き込んで回転に対して少しテンションがかかるように調整します。ある人はスプールを軸にも通さず風呂桶などに放り込んで水の抵抗を利用する人もいます。エステルラインなら吸水率も低いのでその方法もありかと思います。

今回は2人でやっていますが、1人でやる場合は工夫しましょう。ヨレができないように真っ直ぐに。

ラインを巻くための専用アイテムなども発売されています。こういった商品があると、ラインを巻き替えるときにも便利ですので、釣りをされるなら購入しておいて損はないと思いますよ。

現場で巻き替えなければならないこともあると思いますが、ラインがよれないように、ややきつめのテンションで密に巻いていくのが基本です。これで、適量、スプールにラインが巻かれたらラインの準備は完了です。

アジングリール(シャロースプール)の場合は2〜3lb(ポンド)のラインの場合100〜120mほどが適量目安。巻きすぎてもNG、少なすぎるのもNGです。

さぁ、ラインが準備できましたら、いまいちど、ロッドを継いでセッティングへと移りましょう。

Part.3 ラインをロッドガイドに通す

ラインは、既にスプールにしっかり巻かれているはずです。では、まず、スピニングリールのベールをいま一度返しましょう。そこから、ラインを引っ張り出します。スピニングリールはベールを戻した通常の状態だと、ドラグの影響を受けてラインがスムーズに出しにくいですので、ベールを返した状態でガイドを通していきましょう。慣れてきたらドラグを緩めてベールを返さずにラインを引っ張り出すなんてことも可能です。

ベイトリールの場合はクラッチを一度切って、適量、ラインを引き出してください。ロッド2本分程度が目安です。そこまでラインを出したらクラッチを戻しておくことをオススメします。

では、ラインの先端をリールに一番近いガイドから順番に通していきましょう。ここでよくガイドと間違えてロッドの根本にある(無いことも多いです)、ルアーのフックを引っ掛けるフックキーパーにラインを通す方がいらしゃいますが、ガイドとは足があって丸いホールのある写真のパーツを言います。間違えないようにしてください。なおかつ、ガイドのリングにラインを順番に通していきます。

バットに近い、ラインガイドにまず通します。

ひとつづつ順番に、竿先に向かって通していきます。先端まで順番に飛ばさず通していってください。アジングのロッドは先に進むに従って、どんどんと口径が小さくなっていきます。よく、ひとつ飛ばして通してしまうことがありますが、キャストがしにくくなったり、ラインが絡まりやすくなったり、場合によってはロッドが折れたりしますので、必ず順番に全てのガイドにラインを通していってください。

順番に先まで通していきます。下から覗き込むよりも、やや上から目線に持っていけるなら、小さなガイドに通しやすいですよ。昼間は良くても夜になると見えにくいですので、LEDライトは必須です。

ロッドにガイドを通すときの注意点!【破損リスクを減らそう!】

さて、先端までラインを通しましたか。ここから先がものすごく重要です。この直後のとある動作で、ロッドが折れるという痛ましい事故が多発するからです。実はビギナーよりもベテランにこの事故は多いかもしれません。

早く釣りをしたい、準備をしたいという気持ちから焦るとダメ! 先端まで通したところで、ひといきついてください。

先程、ラインは予めロッド2本分は最低出しておきましょうというアドバイスをさせていただいた件にも関係するのですが、先端までラインを通したあと、リール手元までラインを引き出します。そのときにラインを急角度に下側に引っ張らないようにしましょう。ラインにたるみがある場合は、まだ大丈夫ですが、ロッドにテンションが掛かる状態でラインを下側に急角度に引っ張り出しますと、ロッドが極端な言い方をすると逆V字型に折れ曲がります。

こちらがNGの引き出し角度。この角度でいかなる時も、ラインを引っ張らないように注意!

このときにロッドが折れることが多いのです。ロッドは曲げに対して簡単に折れるものではないのですが、V字型にテンションを掛けるのは曲げではなくへし折りにかかっているのと同じです。慣れている人ほど、大丈夫だろうと引っ張ってしまい破損….という話は非常に多い釣り竿あるあるなんです。

正しくはラインのたるみを多く作って手元まで引き出すか、ロッドにテンションを掛けながらラインを引き出す場合は、ロッドの角度を寝かせてロッドに対して90度方向に曲げてやってください。

ラインを引き出す角度は最低これくらい。この方向の竿の曲がりなら、そうそう折れることはありません。


【Part.4】ラインとリーダーを結ぶ。

さて、メインラインとして勧めているエステル、PEラインはラインの先端にリーダー(ショックリーダー)と呼ばれるラインを結びます。基本的にメインラインは可能な限り細く(飛距離や操作感向上のため)しますので、先端部の一番、根ズレや歯による損耗が起こりやすい部分には、メインラインよりも太いナイロンかフロロのラインを数十cm〜結びます。

アジングでは0.8号(2lb)を基準としたリーダー、その多くはフロロカーボンリーダーを結びます。40〜80cm前後が普通です。結び方は、エイトノットかサージェンスノットプラスなどでOKです。

【Part.5】ルアーを準備する。

ここではアジングのメインストリームとなるジグ単に焦点を当てます。それでは、結ぼうと思っているジグヘッドフックを準備してください。先に先程結んだリーダーの先端にジグヘッドを結んでからでも構いません。その場合はユニノットが簡単で強くオススメです。

あとは使用するワームを用意してください。そのワームには上下がありますか? 上下がある場合は、掲載写真の内側、針先が出る側が上になります。

針先(ポイント)が出る面が上。このワームは上下がないので気にしなくてもOK。

慣れるまでは、ジグヘッドのシャンクの長さをワームを当てて確認しましょう。ワームをフックに通していくわけですが、そのまえに、針先がどの位置から出るのかの検討をつけます。そうすることで、ワームをまっすぐにフックに通すことができます。針先を出す位置を確認したら、ワームを縫うようにフックに挿していきます。

刺す前に、どのあたりから針先を出すべきかの検討をつけておく。

真っ直ぐセットできましたか? ジグヘッドのウエイト部分に隙間が出来ないようにしてください。途端に、アジからの反応が悪くなります。人によっては、ズレが生じないように、瞬間接着剤で固定したりします。

ヘッドとワームに隙間ができないようにセット。瞬間接着剤などを常備しておいて、軽く接着するアングラーもいる。

【Part.6】カバンを用意して必要なものを準備。ライフジャケットを装着していざ釣りへ!

さぁ、ロッド〜ルアーまでは準備できました。では、カバンやタックルボックスを用意しましょう。最低限もっていきたいのは、交換用のワームとフック。同じくリーダー。アジバサミ(フィッシュグリップ)。ラインをカットしたりアジの口からフックを外すためのプライヤーがあれば便利です。そして、ナイトゲームならばLEDライト。そして、命を守るためのライフジャケット。

ライフジャケットは、どうしても購入を後回しにしがちですが、どんなに慣れた人でも落水の危険はあります。こうなった時に、命を守るものですから必ず着用するように心がけてください。

初心者向けノウハウ ロッドをセットするときにベールを返し忘れた……どうしよう。

さぁ、ティップのガイドまで苦労してラインを通しました。しかし、あれ?ラインがリールに巻けない……。ああ、ベールを返し忘れてセットしている…。こんなことがあるかもしれません。その時はスプールを外して、ベールを返しセットしましょう! 意外にベテランでも多いウッカリミスだったりします。

まずスプールを外します。
その後にベールを返してスプールをセットすればOK!