アジングのためのキャスティング。軽いルアー(ジグ単)を投げるための基礎技術【アジングの教科書#012】



テニスをやるにも、ゴルフをやるにも基礎的なラケットのフリ方やスイングの仕方を必ず学びます。ルアーキャスティングはそんなことしなくても出来る。と思うのは大間違い。とはいっても、そんな難しい話ではありません。30分だけでも、まずは練習してみませんか? アジングという釣りの場合、一般的なルアーに比べて非常に軽いルアーをキャストする必要があります。では、まずは基礎を学んでいきましょう。

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第11章 ライトタックルでのキャスティング

第10章で、ロッドは準備できているはずです。今回は、スピニングタックルでのキャスティングについて解説します。初心者でも絶対にマスターできますので、安心してください。

【手順1まず、ラインのたらしを調整する

ラインの垂らしとはロッドティップから引き出すラインの長さのこと。最低、ロッドの半分近くは引き出しておきましょう。ラインを引き出すために、リールのベールを返すのですが、ルアーが結ばれた状態で、ただただベールを返しますと、ルアーが下に落下してしまいます。テンションフリーの状態になっています。

なので、写真のように指を添えながら指で止めます。

ベールを返しただけだと、ラインがフリーになりますので、指でこのようにテンションをかけて垂らしの長さを調整。ちなみに、この状態でキャスティングに移りますので一石二鳥です。

この長さが軽いラインでの簡単なキャスティングに重要!

ティップからルアーを結んだ位置までの長さ。これが「垂らし(たらし)」。軽いジグ単などを扱う場合は、比較的長めにとるのがコツ。ロッドの半分よりも短いくらいが目安。あとは力量で調整します。

手順2】投げたい方向に真っ直ぐに立つ

まずは、投げたい方向を正面に見据えて立ちましょう。足のスタンスも慣れてくればこだわる必要はありませんが、できればロッドを持つ方の手と同じ足を少し前に出しましょう。そして、つま先が投げたい方向に真っ直ぐに向くようにしましょう。すると直進性が上がります。

足のスタンスは、利き手側(ロッドを持つ腕)に少し前!とか言いながらモデルをかってでた著者は逆スタンス。利き手側の足を出したほうが良いですよ。足場の問題もありますので臨機応変に。

手順3】時計のハリで11時〜12時(真上)くらいの角度まで倒します(振りかぶります)

写真をみて時計盤の10時ぐらいの位置まで倒してないか? と突っ込まれた読者の方、正解です。実は10時くらいまでロッドを倒してキャストするとよい塩梅なのですが、どうにも初心者の方に10時くらいまで倒して! とアドバイスしますと、だいたい9時。いや、8時くらいまで寝かせてしまう方が多いのです。キャスティングは一連の動作なので、どうしても行き過ぎちゃうことがあるので、意識的には11時くらいまで振りかぶってくださいとアドバイスさせていただいています。真上で止めるつもりで! とアドバイスしてもだいたい10時ぐらいまで振りかぶることになります。

時計のハリの位置で解説するのは古臭くて嫌ですが、だいたい10時くらいでロッドは止めます。ただし、そうアドバイスするとだいたいビギナーの方はもっと寝かせるので、12時で止める!とか11時で止める!とアドバイスさせていただいています。

【手順4ロッドを下に軽く振り切る!「ピシュッ!」とじゃなく、「どっこいしょ!」くらいのイメージで

時計盤のハリで11時くらいまで振りかぶりましたら、ルアーがぷらりとラインでぶら下がっている状態を確認したのち、そのまま下に振り下ろしてください。振り下ろすといっても、写真の手摺に当たらないくらいの角度で大丈夫です。その振り下ろしの最中、目線ぐらいの位置にこぶしが通過しましたら、そのタイミングでベールを返して、糸がフリーに出ないように止めていた指を離してください。この糸を離す瞬間を「ラインリリース」と呼びます。

このラインリリースのタイミングは慣れるまで何度も確認することをオススメします。ルアーが放物線を描いて、ききれいに飛んでいくタイミングを探して覚えましょう。失敗するとルアーが目の前に落ちたり、放物線が山のようになって飛距離効率が落ちたりします。俗に「てんぷらキャスト」なんて呼ばれる失敗キャストです。

キャスト時のもう一つのアドバイスは、キャスティング、本当に力がいりません。ロッドを速く動かす必要もありません。垂れているルアーを投げるというよりはティップをゆっくり曲げて反発させるだけでOKです。なので、「ピシュッ!」と玄人っぽく投げるよりは「どっこいしょ」くらいのテンポで振り切ってください。

そのまま、格好良く、シュッ!と振り切る必要はありません。よっこいしょと軽くロッドを振り抜いてください。真っ直ぐ下ろすような感じです。指で抑えていラインは、イメージ目線の位置くらいにきたら離してみてください。

手順5】その後はベールを返さずに狙っているレンジに到達するまで待つ!

ロッドを振り切った後は、飛距離を伸ばすためのテクニックだったり、ラインが扱いやすくなるようにコントロールしたりするテクニックもあるのですが、まずは投げられることが大事。

とりあえずはティップをキャスト方向に向けておいてください。

投げて着水したら、狙ったレンジにルアーが到達するまでベールを返さずに待ち、到達したらベールを元に戻してルアーを制御していきます。ルアーをどう扱うかについては釣り方の章で解説していこうと思います。

とにかくコツは力を入れないこと、速く振ることにこだわらないこと。ラインリリースのタイミングを練習で覚えることです。

おまけ】キャスト後のおまじない

アジングで使用するラインは非常に細く、リールに巻かれるときのトラブルでラインが折れて切れやすくなったり、絡まることで、キャストがしずらくなったりすると致命傷です。ですので、キャストのあとには写真のようにベールを返した後に、少しラインを引っ張って手前のたるみを解消しておいてください。

アジングのドラグ(リールのブレーキ)は、キツすぎるのはNG。ひっぱるとブレーキは効いているけど、簡単にラインが出る……緩いなくらいに調整しておくと良いです。ドラグの調整はスプール前面のノブで可能です。最初のキャスト時にチェックしておくとよいですよ。

ベールを戻した状態で引っ張ってくださいね。