エバーグリーンが送り出す“究極”の沈む虫『ゲジー』とは?その魅力を徹底解説!!



近年、新たなフィネスルアーとして注目されているのが「沈む虫」。以前は浮くタイプのものが主流であったが、タフさを増すバスフィッシングシーンにおける新たな一手としてトーナメントからオカッパリまで全国の釣り場で浸透しつつある沈む虫。その究極系とも言われるルアーがこの春エバーグリーンからリリースされた!今回は開発者であるトップトーナメンター・福島健さんとEG開発スタッフに色々とお話を伺った。

ゲジー1.8in

今や全国のフィールド、ポイントで必須テクともいえるムシパターン。
その虫系ワームとして、身の毛がよだつほどリアルなフォルムと、フォールでうごめく手足の微波動を発生。微細な振動によってバスを虜にしてバイトへ結びつけてくれる、スローシンキング虫系ワーム。1.8inのファット気味なボディと、細部までこだわった微細な手足でバスを魅了する。

【スペック】

●全長:1.8in
●入数:6本
●価格:935円(税込み)

ゲジーをプロデュースしたのはご存知“フィッシング・サイボーグ” 福島さん!

【Profile】

福島 健(ふくしま・けん)

京都府在住。JBトップ50とJBマスターズに出場するプロアングラー。釣り方を絞り込めれば、1タックルのみでトーナメントをやりきる事でも有名。バスプロとしての腕はもちろん、エバーグリーンインターナショナルでは自身のブランドFACT(ファクト)からスモールクランク「クラフト」や、リアルシェイプワーム「ラストエース」をはじめとした数多くの実戦的アイテムを生み出している。

ゲジーの特徴、開発に至った経緯とは?

福島「特徴は単純に『沈む虫』です(笑)。開発に至った経緯としては、僕は以前に同じFACTブランドで「ギズモ」という虫ルアーを開発したんです」

福島「今回リリースされるゲジーはその沈むバージョン。ギズモは羽をモチーフにしており、水面に波紋を立てるので、セミやバッタといった系統の虫を模しています。ゲジーは芋虫というか、ヤゴのような水中にいる昆虫とか、もしくは木から落ちてきたクワガタやカナブンなどの甲虫形の虫をイメージしています」

エバーグリーンとしては初めての「沈む系」の虫ルアーですよね?

福島「そうですね、僕が立ち上げた「FACT」ブランドは菊元さんが作るようなダイナミックなルアーとは真逆で、フィネス寄りのルアーがほとんどです。僕自身がトーナメンターということもあり、プレッシャーがかかって普通の喰わせ方が厳しいようなバスに口を使わせるようなルアーを作っています」

エバーグリーン的には今の虫系ルアーの現状について、としてはどうお考えですか?

EG開発担当「現在市場にある沈む虫系のルアーって意外とサイズが小さすぎてロングキャストし難いものが多い。弊社ではもっと使いやすい沈む虫が欲しいなと考えてました。ゲジーのサイズは既存のものに比べると少し大きいですが、必要以上に大きくせずに体高でウェイトをつけているので飛距離がしっかり出ます」

福島さんはバリバリのトーナメンターであることは周知の事実ですが、近年のトーナメントシーンでも「沈む虫」を使うシチュエーションは多くなっているのですか?

福島「めちゃめちゃ多いですね。沈む虫は浮く虫とは違い、どちらかというとアクションさせないほうが喰ってくれる。こちらが操作するよりもルアー自体の微妙なアクションで喰わせるというのが強い。逆に動かすとルアーということがバレてしまいます。多くのトーナメンターに攻められてプレッシャーが掛かったバスや、一度釣られ、ルアーに対して認識があり、免疫のついたバスには、沈む虫のような『アピールをしないようなアピール』のほうが喰わせやすいんです」

ゲジーのキモは「ノーテーションフォール」にあり!

では改めてゲジーの使い方を教えてください!

福島「ゲジーの基本的な使い方としては、キャストして放おっておくだけ。ルアーが沈むときに勝手に手足が動いてくれて、それをバスがずっと見ながら追っかけてバクっと喰うような感じですね。途中で余計なロッドアクションは一切いりません。ラインテンションをかけずにフリーフォールさせるだけです」

この微細な動きをする手足ですが、アクションを生み出すのにはかなり苦労されたとか。

EG開発担当「そうですね、中々思うように足が震えなくって。手足3種が別々の震え方で動くようにするためトライ&エラーは何度も行いました。曲がっている足は簡単に動いたのですが、まっすぐな4本の手(前肢)を動かすことが難しかったです。試作を繰り返す中で、たまたまワームの型から「バリ」が出てきたものがあって、それを水中に沈めたらヘコヘコといいアクションしたんです。そのバリの厚みや長さ、角度などを徹底的に追求し、デザインしました」

喰う時はフォール中に喰うのが多いんですか?

福島「フォール中に喰うのと、ボトムに着いてからちょっと動かして喰うのがあります、基本的に僕はフォールでアピールしたいので、着底してもルアーをスーッと持ち上げてまたフォールさせるというアクションをメインに行いますね。結局フォールで誘うのが一番なんですよね」

リフト&フォールに近いイメージですか?

福島「そうですね、強いて言うなら『リフト&フリーフォール』ですね。キャスト後のフリーフォールと同じように、リフトさせてからテンション完全に抜いて、フリーにして落とします」

テンションフォールだと見切れられてしまう?

福島「ラインの張りで見切られますね。普段サイトをしている際も、ラインを一瞬ピンと張った瞬間に気づいて逃げてしまうことが多い。プレッシャーが掛かったバスはピンと張る糸を嫌うんですよね。なのでフォールさせる際は必ず糸は張らないというのがキモになってきますね」

ゲジーの能力を“100%”発揮させるタックルセッティングとは?

ラインの話の流れから、タックルセッティングについてお話を聞きたいのですが、ゲジーを使用するにあたりベストセッティングなタックルを教えていただけないでしょうか?

福島「まずラインについてですが、僕はほぼフロロラインで使用しています。なんせ沈める虫なので(笑)」

PEはあまりおすすめしないということですか?

福島「浮く虫のようにPEでやってしまうと、PEの浮力でスムースにフォールしていくものも落ちていかなくなります。なので僕がメインに使っているのが、フロロ5~6lb。ある程度自重のあるフロロのほうが、水に馴染みやすく、深いリザーバーなども加味すると使いやすいかと思います。ただ最近ではシンキングPEもありますし、あえて浮力を付けてフォールスピードを調整したいのであればPEでやる価値はありますね」

そしてフックにはオフセットフックの#1or#1/0を使います。根がかりのリスクが少なくなるのはもちろん、水中でのフォール姿勢を保つことができます。
虫ルアーはマスバリを使用するものが多いんですが、マスバリだとフックも細いので口もとに軽く刺さった場合バラシやすくなります。でもオフセットであれば明らかにバラしにくい。なのでゲジーはオフセット使用を基準に開発をすすめました」

福島「また、ルアーのウェイト自体3.5gと割としっかりあるのですが、オフセットを使用すると+0.5g程度加算されます。そうなるとスピニングのフィネスラインとしては太めのフロロ5~6lb組み合わせた時に、速すぎず、遅すぎずなベストなフォールスピードになるんです」

今までにない使いやすいサイズ感で釣果能力も高い、新機軸の『沈む虫』ということですね!



LDマスターとの最強コンビを実現!

福島さんの推奨オフセットフックはありますか?

※写真は#3/0

福島「僕ががまかつさんでプロデュースさせていただいた『LDマスター』というフックがあるのですが、元々はリーダーレスダウンショットの姿勢を安定させるために開発したフックなんですが、ゲジーのノーシンカーにも抜群に相性が良くてボトム姿勢もいいんですよ。

福島「オフセットのワイドなゲイプの部分をカットして、水平にフラットにしているので転びが少ない。そもそも姿勢が良いということはノーシンカーに良いのは言わずもがな。他のフックよりも線形を太くしてるので、#1/0や#1でも強度があり、フッキング時の貫通性能も高いです。ガッツリ掛かってくれますよ」

ゲジーとLDマスターは最強コンビってことですね!

福島「まあそうですね、でももちろん他のオフセットフックでも使えますよ。ただボトムの着底姿勢でいうとLDマスターは間違いなく転びにくいので、上から見たときにワームが不自然に転がっていない。バスから見た視線、リーダーレスや他のルアーもそうなんですが、ズルっと引いたときに姿勢がいいということが、僕がバスを釣る条件の中にあるので、その理にかなっているのがLDマスター。おすすめのハリですね」

一般的なライトスピニングロッドで使用可能!

おすすめのロッドはありますか?

福島「ロッドはUL~MHまでのスピニングロッドで、ラインは4~6lbクラスに対応したものであれば全然大丈夫です。基本的には皆様が普段使用されているスピニングロッドで十分かと思います」

ノーシンカー以外の使い方もアリ!?

ゲジーはノーシンカー以外の使い方もありなんでしょうか?

福島「そうですね、オフセットのノーシンカーが王道ですが、ジグヘッドやダウンショット、僕は前回のトップ50ではスモラバのトレーラーにしてました。普通のトレーラーだとスタックした際にトレーラーが浮き気味になるのですが、ゲジーはウェイトがあるのでジグと組み合わせると浮き上がりにくく、ボトムをしっかりと這わせることができます。スイミング中の姿勢も水平でバスに違和感を与えません。あとはカバーの中にいれてスモラバの代わりにちょうちんとか、いうなればパワーフィネスのスモラバに代わる使い方もありですね」

※詳細は福島さんのブログをチェック!↓↓

EG開発担当「私もまだ試してはいないのですが、キャロで使ってみたいですね。手足のパーツが勝手に動くので、シンカー着底後のフォールアクションでナチュラルに誘えるのではないかと思っています」

実釣シュミレーション!関東激タフリザーバーならこう使うべし!

最後の質問ですが、昨年福島さんは釣り番組で関東の大人気リザーバー・亀山ダムで実釣ロケをされてましたが、もし、亀山でゲジーを使うならどのように使いますか?

福島「まずはオーバーハングの下にノーシンカーで放り込みますね!落ちてきた虫をイミテートするようなイメージで、まずフリーフォールで放っておきます。そこでリフト&フリーフォールを繰り返す。リフトして、重たかったらそれはバスなのでフッキングをいれます。

基本的にはバンク沿いのオーバーハングを撃っていって、先述のアクションを繰り返します。近い感覚としてはノーシンカーのイモグラブですかね、なおかつフォールでかなりのアピールがあるのがゲジーです。リフトするときもゆっくりスーッと上げるのか、エビがジャンプするように跳ね上げてあげるのか、その2つのイメージしながら攻略しますかね」

こだわりの「パッケージ」にも注目すべし!

最後に開発サイドからも一押しポイントがあるとか!?

EG開発担当「実は一番モノよりも時間が掛かったのがゲジーを入れる『パッケージ』なんです(爆)
ゲジーは6匹入りなんですが、1つの虫ごとにパッケージが分離するんですよ。なのでボートはもちろん、オカッパリでもバッグにスペースを取ることなく、いる分だけ持っていけて持ち運びもしやすくなってます!!」

おお、それはユーザーとしては非常に有り難いですね!虫ルアーはパッケージそのものやボックスを作って持ち運びをしていたので、1個ずつのパッケージならスペースをとりませんね。

EG開発担当「そうなんです! ただし保管する際の注意点として、手足が“命”なのでちゃんと整えてからパッケージに入れて保管をしてくださいね。また分離したパッケージの角で手を切らないように注意してください」