5つのヒントで春イカ苦手克服! kgアップを釣るための超基本!



秋は比較的イージーに釣れる一方で、春のエギングはナゼ難しいと思われているのか? 実は、基本的な部分を理解すれば、でかイカは難しくない!? 重要項目をわかりやすく解説していこう。※この場合の春イカとは「アオリイカ」を指しています

ヒント1:春はナゼ、大型のアオリイカが釣れるのか?

「前年生まれた個体が大型に成長し、春、産卵のために浅場の藻場を目指すから」

春のエギングは2kgオーバーが狙え、地域によっては3kg、4kgクラスの夢が追える大型イカ捕獲のハイシーズンだ。

ではなぜ春は大型イカが釣れるのか?

大前提としてアオリイカの一生が関わってくる。

アオリイカは、生まれてからおよそ1年で寿命が尽きるいわゆる年魚だ。

そして産卵行動は厳寒期以外(地域によっては年間通して)行われていて、そのピークが春。  

つまり前年春の産卵で孵った子イカが、もりもりエサを食べて1年かけて成長。

大型イカの個体数が年間通してもっとも増える季節が春というわけだ。

当然、冬の厳寒期にも成長を続ける大型イカは居る。

ただ、アオリイカは水温が15℃を下回ると死滅するといわれ、その多くが岸からのエギングでは届かないディープエリアで過ごしている。

そして春を迎えると海水温が徐々に上昇。

アオリイカが好む産卵場所がシャローエリアの藻場。昨年春の産卵期のピークに生まれたイカたちが浅場を目指し、岸から狙うエギングの射程圏内に入る。

だから春は大型イカが出る! ということになる。

また、産卵前のイカは捕食行動が活発化。これも春の大型イカが狙いやすくなる一因だ。

厳寒期のイカの多くは深場で過ごし、春の水温上昇とともに浅場に上がって捕食と産卵。深場と浅場が隣接するエリアのスリットやカケアガリは春イカの移動ルートになりやすい。

浅場に上がった春イカは、産卵行動に入る前は活発にエサを捕食。沿岸部の水温が上がると小魚の群れも岸に寄りやすく、大型イカをエギングの射程圏内に引きつける好要素になる。

ヒント2:春イカの適水温は、何度?

「アオリイカは、17℃以上で活性UP! 釣行エリアの大まかな水温は事前にチェック!」

アオリイカは日本沿岸でいうと、主に黒潮や対馬暖流が影響する温暖な海に生息。

春になり海水温が上昇すると瀬戸内海などの内海や湾内などにも入ってくる。

その水温の目安が15℃以上。

この水温があれば釣れる可能性があり、17℃以上で安定すればイカの活性がアップ。

水温が18℃を超えると産卵を意識しはじめるイカの個体数が急増し、本格的な春イカシーズンを迎える。

つまり春イカを狙うなら釣行予定エリアの事前の水温チェックが欠かせない作業になる。

水温17℃以上で直近の釣果情報があれば、さらに期待が高まる。

ただし水温17℃以上でも急激に上がったり、下がったりした直後はイカの活性が下がりやすい。

釣行3、4日前からの水温の推移にも注意を払おう。

春イカを狙うなら現場でも水温を計測。春イカの適水温に達しているかを確認。釣り場を変えるごとに計測し、ほかより0.5℃でも水温が高い場所は釣れる可能性が上がる好要素になる。

ヒント3:ポイント選びで一番重要な要素とは?

「アオリイカの別名は『藻イカ』。それほど藻場が重要!」

アオリイカは、四国地方など地域によってはモイカと呼ばれる。

その理由は藻場を好むため。春の産卵期に藻場にイカが集まり、人目に触れやすくなるからだ。

つまり、春のエギングは藻場がキーポイントになるということだ。

アオリイカが好む藻場の海藻の種類は、主に岩礁帯に繁茂するホンダワラと砂地に繁茂するアマモが知られている。

適度に潮が通るワンドの奥や港内の海底から高さ1mほどに伸び、海藻帯を形成。

海藻にアオリイカが鞘状の卵嚢を産み付ける。

ただし春イカ狙いの場合、ターゲットは藻場で産卵するイカではなく、藻場付近で捕食行動をとるイカだ。

ポイントは藻場を起点に探していこう。

起点の藻場は、小魚や甲殻類などイカのエサをストックする場所でもあり、海藻帯の際やスリット(切れ目)、藻穴などに潜むイカが居る。春の暖かな日差しで水温が上がると表層に浮くイカが視認できることも多い。

藻場付近のイカの反応が悪ければ、藻場へ入るための移動ルートが狙いめ。

ワンドや漁港入り口のカケアガリなどをイカは捕食しながら移動する。

沈み根などの変化があれば一時的に足を止めることも多い。

移動ルート上にある海底の地形変化や水中の障害物も見逃せないポイントだ。

深場から浅場を目指す春イカのゴールが藻場 深場にいた冬イカが浅場への移動を開始したら春イカに変貌。ゴールは藻場で水温17℃以上で安定すると深場には戻らず、藻場周辺で捕食する春イカの数が増える。藻場がない地域は、深場が隣接するシャローの地形変化や障害物を探れば、春イカに出会えるはずだ。


ヒント4:春イカのベストシーズンっていつ!?

「地域差はあるが、最盛期は4~6月! 意外と長く楽しめる!」

春の大型イカは、九州南部や南西諸島のように1、2月頃から釣れる地域もある。

だが、デイゲームで釣りやすく、釣果が安定するはやはり水温17℃以上で安定が重要。

春イカのベストシーズンも水温が鍵を握る。

四国、九州、紀伊半島南紀エリアなどの温暖なエリアは、4月頃には春イカのベストシーズンを迎える。

伊豆半島や日本海、瀬戸内海など、全国平均でみればGW前後に本格的な春イカシーズンに入る地域が多い。

また、アオリイカは一斉に産卵するわけではなく、春イカにも個体差があり、春の産卵期が長期化。

捕食を意識する産卵がらみのイカが藻場付近をうろつく期間は長く、梅雨明け後に2kgオーバーが出ることも珍しくない。

6月に入ってもチャンスは十分にあり、春イカシーズンは意外と長く楽しめるのだ。

同時に夏が近づくほど、昨夏以降に生まれたイカが成長し、藻場があるような適度に潮通しの良いシャローエリアで活発にエサを捕食。

春イカシーズン終盤はサイズも数も狙え、キロクラスの夏イカがアグレッシブにエギを追うシーンに出くわすこともある。

ヒント5:春イカに効く、エギの操作の基本は?

「じれったくても、エギをしっかりと沈めてボトム狙いがサイズUPの基本!」

秋の小型イカは好奇心が旺盛。

エサを食べたいからエギを見つけたら遠くからでも飛んできて、積極的にエギにアタックすることが多い。

対して春の大型イカは、エサを捕って成長しながら厳しい自然界を生き延びてきた強者だ。

警戒心が強く、産卵前はエサをたくさん食べたいが無駄な動きはしないといわれている。

秋イカのようにエギを長い距離追うことは少なく、フォール中のエギがピクッと動いて違和感を与えれば一気に喰い気がトーンダウンということも。

だからこそ春イカを釣るのは難しく、ボトムをスローに! という釣り方が基本として定着している。

着底後、できるだけ前進を抑えたシャクリでエギにキレのあるアクションをつけ、再着底後、ボトムステイ。

エギを底に置けばラインを張らない限り違和感のある動きはせず、シャクリでエギに気づいたイカを10秒、20秒と長時間、ナチュラルに誘える。

手返しが悪く、じれったくはなるが、これが春の大型イカを獲る近道。

ボトムステイで居食いされてアタリがわからず、次のシャクリでドンッとのる重さも春イカならではの衝撃的な出会いだ。

エギングをいつまでも楽しむために

アオリイカの資源保護活動

イカの産卵床設置風景

どんな海洋資源もそうだが、無尽蔵に存在するわけではない。

エギング関連の商品を多くリリースするメーカーのヤマリアなど、その資源保護のために産卵床を設置する活動を実施している例もみられる。

エギングをこれからも楽しめるよう、我々アングラーに何ができるのか? 答えは1つではないし、誰かに強要することでもない。

少しでも気にかけ、できることを自分自身が心がけることが大切なのかもしれない。

雌雄を見分ける

オス
メス

アオリイカのオスとメスは、体の模様でおおよそ判別が可能だ。

横に長い模様が入っているのはオス。

丸い斑点がポツポツと全体に入っているのがメスとなる。

卵を持ったメスが釣れた場合、素早くリリースすることでアオリイカ資源保護につながる可能性が高い。

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