エリアトラウト界で話題沸騰の釣れすぎクランク『クーガWW』の秘密をヴァルケイン代表が語る!



緻密なメソッドが詰め込まれた新コンセプト・ルアーが次々に登場するエリアトラウトの世界。そんな中、10数年に1度くらいの割合で『とにかく釣れる!』と話題が沸騰する神ルアーが爆誕する。その中でも今…最も注目を集めているのが『クーガWW(ワイドウォーク)』だ。開発者の菊地栄一さんに「釣れるヒミツ」を聞いた!

解説はエリア業界独走中の『ヴァルケイン』代表・菊地栄一さん!

【Profile】

菊地栄一(きくち・えいいち)

エリアトラウトメーカー、ヴァルケインの代表にしてチーフクリエイター。ヴァルケイン製品のルアー&タックル開発の統括責任者である。エリアでのスタッフ兼インスタラクターのキャリアを持つ徹底した現場主義者。高純度の現場感覚で磨き上げられたタックル&ルアーは、実践的且つ洗練度が高い。

ミノー型ボディの革命的クランクベイト『クーガWW(ヴァルケイン)』

クーガWWの原点ともいえるクーガ・シリーズが登場したのが、今から約5年前。ミノー型ボディを採用したクランクベイトであるクーガ・シリーズは、群雄割拠のエリア・クランクベイトの中で、異才を放った。

クーガWWシリーズ(ヴァルケイン)

【スペック】

[F]●全長:40mm ●重量:2.9g ●価格:1430円(税込)
[SS]●全長:40mm ●重量:3.3g ●価格:1430円(税込)

ローリング主体のミッドウォブンロール型クランクベイトであるクーガは、デッドスローでも働くクランクベイトとして、瞬く間にエリアクランクの頂点へと駆け上がった。

そんなクーガ・シリーズとクーガWWの違いはどこにあるのか?

写真左:クーガWW/写真右:クーガF

菊地「ボディシルエットが大きくなって、形状もファットになっています。ローリング主体のクーガに対して、クーガWWはウォブリング主体なので、アピール力も上がっています。レンジ幅も広くなり、ウエイトがある分飛距離もでます」

クーガとクーガWW。同じF(フローティング)タイプで比較しても、クーガFの適応潜行レンジが30~60cmなのに対して、クーガWW(F)の適応レンジは30~90cmと幅広く設定されている。

だが、この潜行レンジの違いは単純な『狙う層の違い』だけではなく、そこにヴァルケインのルアー開発に対する強いこだわりが込められている。



ヴァルケインは、同じ使用感のルアーは作らない!

菊地「たとえばクーガFとクーガWW(F)。ともに水深30cmから攻略可能になりますが、クーガFで同レンジを攻める場合は普通に巻くだけでOK。ですがクーガWW(F)で水深30cmを攻める場合は、ロッドを立ててスロー気味で巻く必要があります。潜行力が高いクーガWW(F)は、そうしないとよりディープに潜り込む設計にしてあります。この、ゆっくり巻く必要がある、という部分が非常に重要です。

クーガWWはリップも大きく、アクションも大きいです。ゆっくり巻いても大きく動くセッティングにしています。

ルアーにおけるスピードとレンジは非常に重要。同レンジを引くときに、ルアーを変えれば必然的に巻きスピードも変わるように計算してあります。だからルアーローテをしたときに自ずとスピードも変化します。

だからルアーを変えたときに同じスピードで巻いてしまっては、ローテの意味が半減してしまいます」

ルアーをローテしたときに、必ず違う方向性の誘いが自然と選択できるように仕組まれている。それこそが、ヴァルケイン製のルアーが広く支持されている理由のひとつかもしれない。

エリアアングラーに強く支持されているヴァルケイン製のプラグ。

デッドスローでもよく動くヴァルイケンルアーの魅力!

エリアトラウトにおいて動きの強さは武器になる局面が多い。動きが強ければ高活性トラウトを広範囲から引き寄せることができる。つまり探す手間が省ける。

だが「動きの強さ」と「スピード」はリンクしていることが多く、強い動きを出すためには速く巻く必要がある。

この「速さ」をトラウトが嫌う状況も多い。

菊地「いわゆるスピードが合っていない状況ですね。エリアでは頻繁に起こり得ます。クーガWWに限らず、弊社のルアーはすべてゆっくり動かしてもよく動くように設計してあります。中でもクーガWWのデッドスロー領域の対応度は群を抜いています。

どんなにゆっくり巻いてもアクションが止まることはありません。速度の遅さに対するアクションの大きさが随一です。

そこが多くのユーザーの皆様から釣れると評価を頂けるポイントのひとつかもしれません」

クーガWWはオンリーワンの領域へ!

クーガWWには現在F(フローティング)と、SS(スローシンキング)の2タイプがある。Fのレンジは30~90cm。対するSSはカウントダウントで任意のレンジまで沈めて使うことができる。

菊地「SSをボトム付近まで沈めて、デッドスローで巻いてウォブリング系の強いアクションで攻める。実はボトムでここまで低速×高アピールで攻略できるエリアクランクは今のところ存在しません。ですからエリアトーナメントでも、オンリーワンの必勝パターンのひとつになるケースが非常に多いです」

妥協を知らない菊地栄一さんが開発するタックル&ルアーは、多くのアングラーにエリアトラウトの楽しさを教えてくれる。

ただ投げて巻くでも十分過ぎるほど釣れる。そして考えて使えば、隠されたポテンシャルを引き出すことができる。どこまでも奥行きが深いクーガWW。

ビギナーからエキスパートまで、エリアゲームの可能性をさらに充実させてくれる、頼れるルアーであることは間違いない。