ルアマガを支える「釣り好き」プロカメラマンが撮影した珠玉の作品たち【ルアマガ フォトギャラリー 久保田憲編#4】



これまでルアーマガジン、ルアーマガジンソルト、ルアーマガジンリバーなどにおいてルアーやタックル、ギアなど数々の撮影を行ってきたプロカメラマン・久保田憲氏の写真をルアマガプラスにて特別公開! 今回も大人気ルアーやタックルの、躍動感や臨場感が溢れた決定的な写真が登場! さらに今回はプロカメラマンの撮影豆知識もご紹介! 釣りの写真を上手に撮りたいアナタ! 必見です。

【Profile】

久保田憲(くぼた・けん)

1999年〜写真スタジオのアシスタント、カメラマンを経て、2005年〜フリーカメラマンへ。
東京都台東区のスタジオを拠点に、広告、出版物、Web等の物撮影をメインに活動しています。釣り具の撮影に携わること16年。これまでに撮影してきた釣り道具は、ロッド、リール、ルアー等、のべ十数万点。
魅力的な被写体を、より魅力的に伝えられるよう日々奮闘中。趣味はキャンプと釣り。仕事柄釣りの知識ばかり増え腕が追いついてないが、時間ができれば海へ川へとロケハンという名の釣行へ。なかでもエギングが大好きで、自他ともに認める軟体好き。ネコ好き。日本酒好き。
絶叫マシンとニンジンが苦手。

大人気羽根モノルアーの代名詞でもある“ロールアクション”を醸し出す「波だった水面」と「立体感」

※ルアーマガジン2020年3月号掲載写真。

久保田「ルアーマガジン2019年T.O.Y(タックルオフザイヤー)用の1枚です。
ハードルアー部門で1位に輝いたクローラーベイトが、気持ちよくロールアクションしている様子をイメージして撮影しました。柔らかい光を作り、水面に風を当て穏やかに波立たせて動きを出しました。またチャートカラーは写真にすると色が飽和して立体感が失われがちなのですが、トップと左右からのライトを調整することで色や立体感が損なわれないようにしています」

光のコントラストを調節し、NO.1スピニングリールの「威風堂々」を体現した1枚

※ルアーマガジンソルト2017年2月号掲載写真。


久保田「こちらはルアーマガジンソルト2016年T.O.Y(タックルオフザイヤー)用の1枚です。リール部門で1位に選ばれたスピニングリールの堂々とした姿を波立つ磯で撮影しました。リールを傷つけないように気をつけて磯の上に設置して試し撮りをしてみたところ、背景の波が賑やかすぎて何を見せたいのか分からない写真になってしまいました。そこで日中シンクロを用いて、背景を暗くし主役のリールが引き立つように演出しました。リールに当たる光のほとんどは太陽の光ではなくストロボの光になります」

シンプルなアイテムだからこそ光るプロカメラマンの妙技

※ルアーマガジン2020年7月号掲載写真。

久保田「フックカタログ企画の扉用写真です。フックの撮影の場合、形が綺麗に見えるアングルがどうしても限られてしまいます。その範囲の中で、並べ方やぼかし方、また背景などを工夫して撮影しています。今回については形状の違うフックそれぞれが分かるように並べ、ぼかしつつも形がわかる被写界深度で、背景にはグラデーションを入れ奥行きを出しました。またフック自体にもハイライトをしっかりと入れ立体感が出るように調整しています」



ビッグベイトの「ボリューム」と「存在感」を象徴した強烈なインパクトを残す1枚

※ルアーマガジンソルト2020年12月号掲載写真。


久保田「シーバスビッグベイトカタログの扉用の写真です。編集部の方から「インパクトが欲しい」「ビッグベイトということを伝えたい」との相談があり、比較対象となる手と、ルアーを掴んだ手が前に飛び出してくることでインパクトを出しました。木枠を組み、その上に穴を開けた黒ケント紙を敷いてルアーを並べ、開けた穴の裏から手を入れてもらっています。じっと動かず耐えていただいた編集部の方に感謝です(笑)」

番外編! プロカメラマンが教える「明るさ」と「立体感」を生み出すバランス調整

(写真1)


久保田「番外編です。白背景で豆腐を撮ってみました(写真1)。豆腐の各面に当たる明るさをライティングにより調整することで立体的に見えるようにしています。また背景を被写体より明るい白にすることで抜けが良くなり、豆腐の輪郭も背景に溶け込まずにしっかり分かるようになります。

残念な例も撮りました(写真2)。こちらは豆腐の各面に当たる明るさがほぼ同じの為、立体感がなくなっています。背景の明るさも同じくらいの為、豆腐の輪郭もわかりづらくなってしまっています」

(写真2)


久保田「このようにライトの角度や強さで見え方が大きく変わるところが写真撮影の難しいところでもあり面白いところでもあります。
写真を撮る場合、物撮りに限らず人物や魚でも、また外光でも室内光でも、いきなりシャッターを切るのではなく、光の当たる角度や影の落ち方を意識すると今までとまた違った写真が撮れるかもしれませんよ!」

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