ということで、今回もベイトタックルの専門メーカー「Fishman」のテスターを務める西村均さん、ドクトル・ニシニシからの尖った提案です。業界最安値クラスのベイトフィネスリールは使えるのか!?というお話。
フルレンジBF(テイルウォーク)を2年間、魔改造して使い倒してみた!
梅雨も直前! 初夏の気配が漂ってきましたね。渓流も最盛期でウキウキのFishman西村です。
【Profile】
西村均(にしむら・ひとし)
ベイトロッド専門メーカー「Fishman」のテスターを務める。新潟県をホームに小渓流から海のルアー釣りまで幅広く楽しむマルチアングラー。人気サイトfimoでブログも執筆中。ドクトル・ニシニシの愛称で変な格好もするが、釣りのテクニックには定評あり。
今回は、長期に渡って使ってみたリールを改めて考察してみようと思います。そのリールは、テイルウォークさんのフルレンジBF!
2シーズン前、突如として現れた、フィネスベイトリール界のある意味異端児! マグネットブレーキ全盛期に、遠心ブレーキ、それも思いっきり割り切った2ブロックのみ! そして実売2万円ほど!高額・高性能でなければ使いづらいと言われるベイトフィネスリールの価格破壊!
さて、その性能はどうだったか……。
結論から言うと、『充分過ぎる性能と、今後の可能性』ですね!
何が「十分すぎる性能」だったのか
割り切りの塊設計の2ポイント遠心ブレーキですが、付属していた青と茶色のブロックのうち、飛距離を求めるなら効きの弱めな茶色、近距離での快適さを求めるなら青がお勧めかな、と思います。製品には予備のブロックもいくつか入っているので、色々試すと面白いと思います。
で、この手のリールなら大体交換されるであろうベアリング。新品どノーマルで使って数か月、御多分に漏れず僕も交換してみました。
これで軽いルアーがより投げやすくなって、この時点でもう満足の性能です。渓流ベイトから港のライトゲームまで大活躍してくれました。
で、ここからが実は本題です(笑)。このベイトリールオタクのにしにし、これで満足してたらいかんのです。
かつて、シマノのリールで遠心+マグネットのコンビブレーキを作ったりしましたが、このフルレンジでは、遠心からマグネットへの変更をしちゃいました。
しかも自作で超適当(笑)。材料は自宅に転がっていた、自動車のワンオフパーツ製作に使った、スチールパイプの切れっ端と、間違って通販で大量購入したネオジムマグネット。
材料費僅か数百円のマグネットブレーキユニット、固定はなんとボンド(笑笑)。さて本当にこれで大丈夫なのか……。
全然平気、きちんと動作するものですね! この改造で、更に軽量ルアーのキャストは快適になりました。
3g程度のミノーのピン撃ちも余裕です。遠心ブレーキだと、摩擦音が聞こえたりするものですが、マグだとそれが皆無になります(ギュオオオ! と言う回転音は聞こえますが……)。
スルスル~っとラインが出ていく感じが中々気持ちよいのです。ただし、重めなルアーの遠投となると、遠心ブレーキは1つ併用したほうが安定しますね。
リリース直後の初期制動は、物理接触の遠心がやはり一枚上手です。コンビブレーキにしたお陰で両刀出来るのもこのカスタムの良い点です。
パワーアップのための改造も低コスト!それがフルレンジBFの魅力
さて。
実売2万円のこのフルレンジ、ここまで遊び倒して、そこに掛かったコストは格安。ここがミソでした。そう、このリールは安いがために遊べるのです。
いやむしろ、色々やって、性能を盛っていった時、その効果を体感しやすいのです。2年使って弄って遊んで、良い釣りをして楽しんで、ソルト対応でドラグも強く、それでコストは業界最安値。
こんな遊べるリールはなかなかありませんよね。
今じゃすっかり手持ちのタックルの中で一軍を張っています。そう言えばメンテすらしてないのに好調を維持していますね。ここも好感度アップのポイントです。
で、このフルレンジBFを当社の今季新製品、ビームスローワー62Lのプロモーション動画撮影で使いました。
テキトー自作マグネットでどれだけのキャストが出来ちゃうのか、公開は近日ですのでお楽しみに!
でかいの釣ってやったぜ! あ! テイルウォークさん、折角だから、ドラグサウンド付きの『ケイソンBF』!造りませんか? 期待してますよ!!