昨今のオフショアゲームは近海のスーパーライトジギングからマグロのキャスティングまで、ターゲットもフィッシングスタイルも多彩。当然タックルセッティングも細分化されており、魚と釣り人を結ぶラインも最適化された特性が求められる。エックスブレイドの『フルドラグ X8』は中でも「キャスティングゲーム」に注力したPEラインだ。ヒラマサを得意とする当メーカーのアングラー・上原和彦さんにその使用感と優位性を伺った。
解説はヒラマサゲームのスペシャリスト・上原和彦さん
【Profile】
上原和彦(うえはら・かずひこ)
福岡県出身。佐賀県在住。九州北西部の玄界灘をホームに約25年のキャリアを持つオフショアゲームのスペシャリスト。メイン釣種はヒラマサのジギングで、ジギングによる10kgオーバーのヒラマサ捕獲数は通算52尾(2021年4月末現在)。根の荒い玄界灘で群を抜くキャッチ率を誇る。
XBRAIDフルドラグ X8の特徴とは?
上原「フルドラグX8は強さと抜群のキャスタビリティが特徴のキャスティング用PEラインです。優れた性能はGDP加工やWX工法など、XBRAIDの最先端のテクノロジーによってもたらされていますが、とにかく投げやすくて、飛距離が出て、強い! 強さはドンッと魚がかかったときの衝撃的な強度と耐摩耗性も含めてです」
投げやすくて、飛距離が出て、強い! この「フルドラグX8」の特性が実釣時に使用感としてどのように現れるのか? 上原さんのインプレをどうぞ!
しなやかだから投げやすくて良く飛ぶ
上原「玄界灘のヒラマサのキャスティングゲームで使うラインは、PE8号が基準。12号を巻けという船長もいます。しかし当然、ラインが太くなると飛距離が落ちる」
上原「でも、フルドラグX8を使いはじめて一番違うと感じたのはしなやかさ。フルドラグX8は一般的なPEよりしなやかだから投げやすく、張りのあるラインより射出時のガイドやブランクへのライン当たりが少ない。同じ号数ならフルドラグX8のほうが良く飛びます。ラインがガイドやブランクにバチバチッと当たって失速するストレスが感じにくいです」
投げ続けても安心感のある強さと耐久性
玄界灘のヒラマサのキャスティングゲームで太号数を使うのは、玄界灘というフィールド事情にもよる。水深30mを切るような瀬も狙い、とくに玄界灘は根が荒い。ターゲットのヒラマサの引きはブリよりはるかに強く、しかも根に向かって走る難敵だ。
上原「だから僕は魚をかけたらロッドを立てて曲げないストレートファイトでやりとりします。ドラグ設定はPE8号で16kg前後。15kgのヒラマサが喰っても止めることを最優先します。フルドラグX8は魚が喰ってドンッと走ろうとする衝撃にも強い。1日投げても毛羽立ちやライン痩せもみられない。強度的にも安心して使えます。これは3、4号をメインに使うフィールドでも同じことが言えます」
水切れが良いからルアーの操作性も高い
上原「もう1つ、フルドラグX8の優れた点で紹介したいのが水切れの良さです。ヒラマサのキャスティングゲームは、波が高いときにも行います。荒れたときに大型のヒラマサが出ることは多いですからね」
上原「フルドラグX8は疎水性が高く、水切れが良いからルアーの操作性も優れる。海面が荒れていてもダイビングペンシルなど海面付近のルアーに入力しやすいです。操作時にラインが波の影響を受けにくく、意図したとおりに動かすことができます」
この特性は、小型プラグでテクニカルに誘う中型青物やシイラ狙いのライトなキャスティングゲームでも有効ということだ。
【スペック】
●号数(lb数):2号(45lb)~12号(180lb)
●編み数:8本
●素材:ポリエチレン
●比重:0.98
●カラー:オーキッドホワイト
●規格(m):100m、300m
●価格:3,960円~13,200円(税込み)