新年が明けて春が近付いてくると、徐々にザワついてくるのが『春エギング』。何でも春は、デカいアオリイカが釣れるらしい。でも…なにゆえ!? そんなギモンを解消しつつ、釣り方のキホンまでザックリとレクチャーします!!
春はアオリイカの産卵期だから成熟したデカイカが接岸!!
アオリイカは春に生まれ春に死ぬ「年魚」
毎年のルーティーンだが、春が近付いてくるとルアーマガジン・ソルト本誌や本サイトも含めた釣りメディアが『春のデカイカ!』とか『目指せ2kg超え!!』といった、大型アオリイカの特集を組むようになる。その理由とは『アオリイカが1番大きくなる季節が春』だからなのだ。
実はアオリイカは「年魚」(魚ではないが)と言って、寿命がおおよそ1年しかない。
簡単に説明すると春に産卵した直後に親イカは一生を終える。20日ほどで卵がふ化したら翌年の春まで成長し続けて、そのピークを迎えると2~3kgにまで大型化。成熟したオスとメス同士がペアとなり、産卵をした後に一生を終える。
基本的にはこのサイクルを繰り返しているので(自然環境の変化により、多少のズレはある)、春=大型アオリイカの季節と捉えられている。
そして、産卵するのは比較的浅い場所であることが多いので、誰でも手軽に楽しめる岸からのキャスティングゲームでも釣れる可能性が高まることから、春の海はエギンガー(エギングを楽しむ人)でごった返すのだ。
しかも、産卵直前は体力を付けるべく、エサをとにかくたくさん食べる「荒喰い」が起こるので、エギにも反応しやすく釣りやすい、というわけ。
アオリイカは水温17~18度の適水温で産卵へ
アオリイカの適水温は17~18度以上と言われており、より高水温になれば活性が高くなり、産卵もしやすい。そのキーとなるのが冬でも20度以上、夏場は30度近くまで温かくなる『黒潮』で、その流路が岸に近付けば近付くほど沿岸水温は高くなり、アオリイカも接岸しやすくなる。
要注意! 春はアオリイカ禁漁期間を設ける地域も存在
どんな魚種にも当てはまるが、産卵期に根こそぎ釣って持ち帰ってしまうと次の世代への命の継承が困難になってしまう。資源保全の観点から、持ち帰るなら必要最低限の数に留めてあげよう。特にメスは抱卵しているので素早いリリースをお願いしたい。
アオリイカの雌雄の見分け方
イカは体表の色を自在に変えられるので、色ではなく模様で判断。体表の模様が斑点になっているのがメス、やや帯状に伸びるのがオスとなる。