ひとつテンヤマダイに最も重要な“タナの心得”とは?【レジットデザイン・石毛卓徹底指南!】



ひとつテンヤの最大の面白さは、アタリをしっかり取って掛ける。これに尽きる。そのためには、アタリの出るタナをしっかり探っていくこと。その方法論にマッチした、自身がプロデュースするNEWロッドSKUAD(スクアド)もあわせて紹介していこう。

関東ひとつテンヤマダイのパイオニアにして最前線で活躍!

【Profile】

石毛 卓(いしげ・すぐる)

千葉の外房をメインに、関東でのひとつテンヤマダイのパイオニアとして活躍。3歳の頃から竿を握り、磯釣りで培ったロッドワークを駆使してロッド本来のパワーを余すことなく引き出す数少ないアングラーの一人。各船宿の船長に「上手い!」と言わしめる超本格派の釣り師。

シャクって誘い、アタリを取って掛ける。釣る楽しさが凝縮したひとつテンヤマダイ

エビエサの尻尾を切り、それをテンヤの針に刺して釣るのがひとつテンヤマダイ。もともとは紀州でマダイを釣っていた。関東でも千葉県の外房・大原で20年前頃から始められた釣りだ。最初は豆テンヤをつけ、徐々に中オモリの釣りへ変遷。ひとつテンヤへと変わっていった。関東ではタイカブラは深い場所、浅い場所ではひとつテンヤといった形で釣り分けされていることも多い。

そして、ひとつテンヤマダイの魅力はシャクって誘いアタリをしっかり取ってから掛けるという、単に釣るだけではなく多くのゲーム性が詰まっていること。それだけにテクニックや道具などに差が付き、やり込むほど釣れるという楽しさがあるのだ。

釣れる時期と関東での釣り場

ひとつテンヤマダイのベストシーズンは春&秋といわれている。とくに春は大ダイ、秋は数という話を聞くが、石毛さんの話では真夏でも大ダイは出るという。

石毛「春よりも秋の方が釣りやすいので、たしかに数は出やすいと思います。春は水温が上がってくると海の中で対流が起こり、冷水が下へ潜ったりしてマダイが上下に移動しにくいパターンがあります。だから上まで追ってこないことがあるんですが、秋はテンヤを上まで追いやすく、結果として釣りやすい。初めての人は秋に始めるのがおすすめです

また、関東でのおすすめ釣り場は、千葉県の外房エリアなら大原周辺、銚子エリアなら飯岡港、茨城エリアなら日立久慈港、鹿島港など。

石毛「このあたりの港でしたら、ひとつテンヤマダイに熟知した船宿が多く、初めてでもおすすめです」

釣り方自体はシンプル! タナを探りながらリフト&フォールで誘っていこう

ひとつテンヤマダイの釣り方は、まずボトムまでテンヤを付け、シャクリ上げてから落としていくリフト&フォール。基本はこれだけで釣りができてしまうシンプルな釣りだ。しかし、その日の状況次第でマダイが喰ってくるタナ(水深の層)も変わってくるし、ベストなリフト&フォールも変わってくるので、ここで釣果の差が出るのだ。

石毛「重要なのはどこで喰ってきたのか、マダイの喰うタナを探ることです。PEラインのマーカーをみてボトムから1m上で喰ったとか、もっと上で喰ったというのをしっかり見極めていくことです。あとはリフト&フォールの誘いを変えていきます。1m上げて落としてダメなら、大きく振り上げてみたり、シャクリながらリールを巻いて4mくらい上げるのも良いと思います。または潮流に乗せたり…タナも誘い方も海中を頭の中でイメージして釣りをするのが大事だと思います」



ひとつテンヤマダイのタックルとは?

実際に石毛さんが使っているタックルを参考に解説すると…。

【シャローで使う場合】

●ロッド:スクアドSKS-ST255 SHALLOW-TENYA(レジットデザイン)
●リール:トーナメントISO LBD競技3000(DAIWA)
●ライン:ソルティメイトPEジガーULT8本組0.6~0.8号300m(サンライン)
●リーダー:Vハードもしくはトルネード松田スペシャル競技パワーストリーム2~3号(サンライン)
●テンヤ:固定式は無双真鯛 貫撃テンヤシリーズ3~15号(ハヤブサ)、誘導式ならima真鯛魂レンジセッター3~15号(アムズデザイン)

石毛「私は魚に主導権を与えないため、リールのドラグはフルロック。レバードラグで調節していますが、初めての方なら3000~4000番台のスピニングリールであれば大丈夫だと思います。ラインはPEラインの0.6~0.8号の8本組をメインにしています。深い場所であれば伸びがより少ない4本組を使っています。同じ理由でパワーストリームは伸びが少ないので、深い場所でもアタリを明確にするためにVハードと使い分けています。テンヤは固定、誘導式でもまず使いやすい方を選んでいただき、浅い場所で使う3号から深場用の15号まで用意しておけばOKです。大原などは25~35mを攻めることが多いので、5~8号をメインにしておけば良いと思います」

そして、ロッドは自身がアタリ判別のために特化した新製品。ここに焦点を当てて次で詳しく紹介していこう。

手で感じる前に、目で瞬時にアタリを判別できるロッド『スクアド一つテンヤマダイ』

ひとつテンヤマダイは、アタリを見逃すとエビだけを取られてしまい掛からない場合も多い。いかにアタリを認識し、掛けていくか。これで釣果に大きく差が出てくる。そのため、短めで太さが細い径のソリッドティップになっている。

石毛「0.8mm径のものが通常ですが、スクアドはシャローで0.7mm、ディープは0.75mmの径となっています。昆虫の触角のように、パリっとしているけど柔らかくてしなやか。繊細なアタリが目で見てわかるようになっていますので、手元に伝わる感度よりも明確にアタリを取れるようにしています。また、ロッドテーパーも高弾性カーボンを使い分けていて、ティップはアタリを取るしなやかさ、フッキングパワーを持つベリー、しっかりリフトできるバットパワーになっているんです」

石毛さんが納得いくまで「アタリの出やすさ」を突き詰めたレーシングスペックロッドとなっている。また、ロッドタイプは2つとなり、こちらもこだわりが詰まったものとなっている。

【シャロータイプ スクアドSKS-ST255 SHALLOW-TENYA】

●全長:2.55m
●ルアー(号):3~13号
●PEライン:0.6~1号
●用途:15m以浅
●価格:38,500円(税込)

【ディープタイプ スクアドSKS-ST255 DEEP-TENYA】

●全長:2.55m
●ルアー(号):5~20号
●PEライン:0.8~2号
●用途:15m以深
●価格:38,500円(税込)

ロッドを硬さ、長さ、パワーではなく、水深別という新提案

ロッドタイプは2つで、長さはどちらも同じ2.55m。その分け方の基準は、ひとつテンヤマダイを使う水深別。シャローはだいたい15mくらいまで、ディープは15m以上深い場所を想定している。

石毛「シャローというと軽めのテンヤを使うのでパワーは弱めというイメージがありますよね。でも、実際に釣りをするとシャローほどマダイは横へ走る。だから、よりバットパワーを強めのセッティングにしないと厳しい場合が多いんです。そしてディープは、より下へ潜ろうとしますのでバットパワーよりリフトパワーを強化しています」

釣り方からロッド、すべてにおいて突き詰めている石毛さん。ゲーム性を大事にしてはいるが、この釣りの楽しみの一つとしてマダイ料理もあげている。

刺し身で食べきれない大ダイは、ヅケにしてお茶漬け&フライも美味い

石毛「5~6kgくらいになってくると、1日では食べきれないことが多いと思います。刺し身にしても身が余ってしまった場合は、辛口の酒としょう油を5:5(甘口が好きな方はミリンも入れると風味が増します)でタレを作り、そこへ鷹の爪もお好みで入れてからタイの身を漬け込んでヅケにします。そのまま熱々ご飯の上にのせて食べてもよし、お茶漬けにして食べてもよし。

あと、子供たちに人気だったのがタイのフライ。パン粉を付けて油で揚げておけば、ソースに付けたりマヨネーズやタルタルソースでもお好みで選んでいろいろと食べられます。あと、身を大きく切ってフィッシュバーガーにしても美味しいですよ」

石毛さんのSKUAD一つテンヤマダイの解説模様は下記動画でもチェックすべし!