2020年にエバーグリーンインターナショナルから発売されるや、約7万円というハイエンド価格ながらあっという間に初回生産分が完売してしまったという驚異のバスロッド『オライオン』。菊元俊文さんがその持てる知識と経験を総動員した『オライオン』から5本をルアマガ編集部でお借りしてインプレしてみたぞ! 今回の主役は、今もっともアツい視線が注がれている、あのジャイアントベイト『バラム』専用機ともいうべき強竿だ!
インプレするのはこの4人!
【Profile】
カミィ
フライフィッシング、エリアトラウト、デイナマ、キャンプ、マラソン、さのまる……と興味の方向性が多岐にわたる本誌編集長兼サブカル男子。先日ロケ中に負傷した足をおしての気合の参戦。バス歴30年。
【Profile】
マツ
近所の江戸川ちょい釣りを加えると、去年の年間釣行日数は80日をオーバー。今年もすでに35日に達しているが……それでもなお関東で50アップを釣ったことがない記録を更新し続ける永遠の中級者。バス歴40年。
【Profile】
ティーチャー大場
バスフィッシングが好きすぎて、昨年、10年勤め上げたまっとうな職からルアマガチームに逆ビズリーチしてしまった熱血漢。陸王ダービーにも参戦しており、休日のほぼすべてを釣り場で過ごす。バス歴15年。
【Profile】
マイケル
冬はエリアトラウト、シーズン中は時間があれば琵琶湖に浮きまくる、「釣り雑誌の編集者は釣りしてナンボ」を地で行くルアマガプロデューサー。最近は東京湾のキビレゲームにもご執心なようす。バス歴35年。
ザ・バラムロッド!巨バスに的を絞ったジャイアントベイトスペシャル。
インプレ第2弾は『オライオンOCSC-711XXスローン』。
池原ダムのモンスターハンターであり、「世界一のバラム使い」として知られるサタン島田さんの熱すぎる要望を踏まえ、それまで菊元さんがバラムに使用していた名竿『アクテオンマグナムEX』のコンセプトを受け継ぎながら、「さらに長く、さらに軽く、さらに強く」と矛盾する要素すべてを同時に高めて誕生したのが『スローン』なのです。まさにジャイアントベイトスペシャルというべきこのロッド、ふだんまったく使い慣れていないルアマガスタッフはどう感じたのでしょうか?
『オライオンOCSC-711XXXスローン』
【スペック】
●全長:2.4m
●継数:2
●標準自重:177g
●パワー:ダブルエクストラヘヴィ
●ルアー範囲:28~280g
●ライン範囲:16~30Lb
●価格:82,500円(税込)
マイケル「やはりバラム専用機! このロッドには、ジョイクロ178はミノーです」
ジャイアントベイトを1日中投げるために作られたロッドなので、ジョイクロ178がミノーのように軽く投げられて操作も楽勝だったのが印象的だった(笑)。リールもこの竿にマッチしたごついのが必要だけど、池原や七色行くなら用意しておきたいかも。そのタックルだけボートに積んで、スラスイ250やバラム300を1日中投げ倒してみたい。
ティーチャー大場「菊元さんのバラムにかける思いが感じられる強竿」
手に取った瞬間、菊元さんがバラム300を投げるために作ったであろうことがひしひしと伝わってくる対モンスタースペシャルロッド。バラムを竿先にぶら下げた時は「重っ!」となりましたが、他のモデル同様、軽快なキャストフィールは健在でした。長めのグリップを自分の脇や胴で支えることで、腕への負担を軽減しながら安定してリーリングができます。
マツ「力強さはハンパないけれど、ちゃんと曲がるから扱いやすい」
ガッチガチの棒のようなロッドを想像していたら、バラムを背負わせると「こんなに曲がるの?」というくらい竿先が入る。でも、キャストするとダルさはなく、ロッドが勝手に運んでくれる感じ。脇に挟めるグリップのおかげで、ファストリトリーブもラクですが…このシステムを一日使い続けるには、自分自身を鍛えなければならないと痛感した次第であります。
カミイ「とにかく投げやすい!! そして鬼巻きにもエイトトラップにも高次元対応!!」
投げやすさにこだわった設計なのか、バットよりベリーが先に仕事をしてくれて、「飛んでくれる」という印象。投げ慣れていないジャイアントベイトでも狙ったとおりのところへまっすぐ投げやすい。試したルアーは、バラム300とスラスイ250。飛距離に関しては、250のほうが飛んだ。グリップエンドを脇に挟んで固定すると、バラムの高速鬼巻きがしやすい。また、リアグリップが細めで握りやすく、エイトトラップ専用設計なのか? と思えるほどやりやすい。
『コンバットスティック・オライオンOCSC-711XXスローン(エバーグリーン)』インプレまとめ
スローンに限っては、今回現場でテストしたのは一般的にビッグベイトと呼ばれるサイズ以上のルアーだけなので汎用性についてはまったくの未知数……ですが、そもそもこのロッドにバーサタイルという言葉は相応しくない!! っていうか、ルアー範囲の上限280gって、そんな重いバス用のルアーなんてほかにあるんかい?
ビッグベイトどころか、それこそバラムやスラスイ250など全長300ミリ前後のジャイアントベイトを1日投げ倒すための“漢のロッド”である。満場一致で我々は家路についたのでした。
釣りをしない人が見たら、「あの人投げるたびにお魚が釣れてるよ!」と思ってしまうようなルアーにこそ、スローンを使っていただきたいと思います。
次回はこれまたオライオンのラインナップを象徴するアイテム、ロクナナ(6ft7in)モデル3本のなかで、スローンの対極にあるライトウエイトバーサタイル『コンバットスティック・オライオン OCSC-67ML デジェル』のインプレです。乞うご期待!
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!