バスフィッシングは、通年楽しめる釣り。季節ごとの必釣パターンを知っておけば、より釣果が得やすいのはいわずもがな。そこで琵琶湖の頼れるプロガイド、“いそっち”こと礒村雅俊さんにバス釣りシーズナルを解説してもらおう。今回は7月編!
【Profile】
礒村雅俊(いそむら・まさとし)
2011年より琵琶湖でプロガイドをスタート。琵琶湖のロコトーナメント『BAIT』で2013、2015、2017年にA.O.Y.に選出されるなど、アングラーとしても輝かしい実績を残す。ライトリグからビッグベイトまで幅広い釣りに対応。『楽しめる釣り』をモットーとする。
日陰+流れの当たる場所を攻めれば水温が高くてもバスはちゃんと食う!!
4.5〜6inのノーシンカージャークは、6月から引き続いて効果的な攻めだ。軽めのジャーク+ポーズを繰り返し、広範囲をテンポよく探れるので、魚の居場所を探るのにぴったり。
磯村「現在の琵琶湖は少なくなりましたが、一般的にはブルーギルもベイトになる。コカナダモ+エビモが絡んだところが定番かな。ようは密度の高いウィード(= 濃いシェードが形成される)が狙い目です。夏はそんな場所に魚がかたまるので、積極的に攻めてみましょう。広大なウィードを探るならラバージグ、ピンポイントなら貫通力の高いリーダーレスダウンショットリグがおすすめ」
また、ディープクランクも忘れずに。ただ巻きのほか、ウィードに当てたり、軽くスタックさせるなどのテクニックも有効になる。
今回のオカッパリパートは、ラグゼ・デザイナーにしてオカッパリ名人・赤松拓磨さんがおすすめルアーを解説してくれる。こちらも要チェック!
シーズナル必釣ルアー【ボート編】
ノーシンカージャーク
ドラッギングで一定層トレース
磯村「6月から引き続き、ノーシンカージャークがおすすめ。琵琶湖はこの時期、アユ、ハス、バスのフライ(稚魚)が主なベイトになりますが、この釣りはそのいずれにも対応します。ルアーを投げたら、船が遅めならラインを4〜5出し(1出し=竿の長さ1本分)。速めなら6〜7出しくらいラインを流す。流したラインをきっちり沈めたら、ルアーを横方向から引いてやる(=浮き上がりを押さえる)のが操作のコツ。あとはチャッチャッチャッと3回ジャーク+ポーズを繰り返せばOK」
磯村「サイズ感が手頃なので、琵琶湖を初めて訪れた人も違和感なく使えるはず。僕が愛用するカラーは、アユやハスがベイトならネオンワカサギ、バスのフライならブルーバックシナモンです」。
磯村「ハスがメインベイトならコイツもおすすめ。6inモデルはサイズのわりに軽め( 16g)なので操作も楽ちん。強めのタックルが用意できる人は、8in(36.5g)もあり」。
フック
ナローゲイプによる抜群の貫通力が持ち味。トーナメントグレードワイヤーと呼ばれる、がまかつ独自の高強度素材を用いており、大物狙いやウィードエリアでも安心して使える。
スイベル
磯村「ノーシンカージャーク用にセットするときは、小型スイベル+スプリットリングの組み合わせがおすすめです。糸ヨレを軽減できるうえ、鋭いダートアクションを生み出します」
磯村「ノーシンカージャークの操作法は、『小さく鋭く』が基本です。小さく鋭いジャークなら、ウィードを切りやすく、しかも手前への移動距離を抑えられる。ジャークのたびに竿先を瞬間的に戻すことで、ルアーのアクションを引き出します。頭を左右にルンブルンさせるイメージです!!」
ラバージグ
ウィードに当たる流れを攻める
磯村「ルアーを遠投したら、まずはじっくり沈めます。軽いジグならウィードに乗っかるし、重いジグならなかに入りやすい。リフト&フォールの要領でふわふわ落とし、ウィードに引っ掛かったら、ほぐしては落とすという動作を繰り返す。ロッドはXHクラスを使いましょう。ウィードのなかで掛けるので、軟らかい竿だとフッキング時にたわむ(=アワセが効かない)ので注意すること」。
まずは、ウィードが立っているか/寝ているかをチェック。ウィードが立っているときは流れがない証拠。ウィードの隙間に軽いジグをふわふわ落とそう。対して寝ているときは、流れがしっかり効いている。この場合は、重めのジグ+まっすぐ落ちる系のワームでウィードのなかを攻めよう。
磯村「ウィードが立っている(流れが弱い)ときは、軽めのラバージグでふわふわ落とす。ブルフラットはギルのシルエットに似ているので食わせやすいほか、スパイラルフォールも得意」。
磯村「流れがあると、バスは下方向/ボトムを意識します。よってウィードが寝ている(流れが効いている)場合、10.5 ~ 14gを用いて、ウィードのなかに潜り込ませるようにして誘います」
リーダーレスダウンショットリグ
垂直落下でピンポイント攻略
磯村「このリグは、垂直落下させられるのが強み。そのため、ウィードの高さがあるところ、密度が高いところ、狭い範囲を攻めるときに役立ちます。使用法は、先に解説したラバージグと同じ。落としては止めて…で食わせてやる。止める時間は3 〜5秒といったところ。通常はウィードのなかに入った瞬間、もしくは止めたところで食ってきます。なお、狭い範囲を釣るときは、操作開始前にリールから手でラインを引き出し、真下にフリーフォールさせるとより長い距離を誘えますよ」
ボリュームのあるストレートワーム+高強度フックの組み合わせ。ウィードのなかで大物を掛けても安心して寄せられる。カンジインターナショナルのスルスタシンカー3/8~1ozをセット。
磯村「カナダモなどの密度の高いウィードが育つと、日差しが当たらない底付近が枯れて、ドーム状の空洞ができる。リーダーレスダウンショットリグなら、そんなバスの着き場を直撃できます」
ディープクランク
基本はただ巻きのみでOK
磯村「バスのフライが群れているウィードパッチを狙うのに有効なのがコレ。5〜6月と同じく、ウィードトップやエッジをただ巻きで誘うほか、ウィードタッチ(ウィードに当てて食わせる)、根がかりをほぐして食わせるなどのリアクションを誘発するテクニックも効果的です」
磯村「高比重タングステンボール搭載で、ディープクランクのなかでも特に遠投しやすい。手元にブルブル感が伝わりながらも、巻き抵抗は軽めなので、障害物に当たった感触もよくわかりますよ」。
「この時期はウィードに当てるだけより、軽くスタックした状態でアクションをちょっと止めるとバスが寄りやすい」と礒村さん。食わせ(寄せ)の間を意識して誘ってみよう!!
赤松拓磨のオカッパリ道場~7月にショアで釣るならこのルアー~
ここではラグゼ・ルアーデザイナーにしてオカッパリの名手である赤松拓磨さんに、ショアから釣果を出す方法を教えてもらおう!!
プロップベイト
水面のベイトを演出しやすい
赤松「僕がよく通っているのはため池です。日差しが強くなるこの時期は、釣り場の水温が30度を超えることもしばしば。そのため、これから8月いっぱいは、魚が食い渋る場面も見受けられます。そんな状況で僕が意識するのは、シェードとインレットです。直射日光を避けられ(=水温が上がりにくい)、しかも新鮮な水が流れ込むところなら、高水温期でも魚のバイトを引き出しやすい。僕が多用するのはトップウォータープラグ。なかでもプロップベイトがおすすめです!!」
赤松「魚が水面を意識する高水温期に効果的。カラーは好きな色でOKですが、あえていうならお腹が白っぽいもの。魚が水面を見上げたとき太陽の光でぼやけやすい(=だましやすい)んです」
赤松「シェード攻略時は、ルアーを投げたら波紋が消えるまで待ちます。そしてジュボ、ピタッを繰り返してバイトを誘う。食わせの間になるストップは必ず入れること。対してインレットやバックウォーター攻略時は、ただ巻きで効率的に釣りましょう」。
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!