未だに続く新型感染症の影響で、昨年は思うように釣行できなかった期間も多かった。それでもやはり、釣り人にとって現場で釣りをすることは、かけがえのない時間である。そこで、業界で活躍する10人のエキスパートに、2020年の印象的な釣行ストーリーを取材した。今回はシーバスをはじめ、ヒラメや青物などのサーフの釣りを得意とする大人気ソルトアングラー「ミッチー」こと高橋慶朗さんのメモリアルフィッシュをご紹介しよう。
近年は「サーフ」に傾倒! あらゆるソルト魚種に精通するスーパーエキスパート!
【Profile】
高橋慶朗(たかはし・みちあき)
シーバスをはじめショアジギング、オフショアとソルトゲーム全般で確かな腕を持つエキスパート。スズキのラインクラス別世界記録樹立などランカーハンターとしても知られている。
高橋さんの2020年メモリアルフィッシュはこちら!
オオニベ 150cm 26.4kg
捕獲ポイント
宮崎市(宮崎県)
実釣の舞台は太平洋に面した宮崎市北部のサーフ。ヒラメやシーバスの名所として知られるが近年はオオニベ狙いで注目を集め、NHK『ドキュメント72時間』で取り上げられたのも記憶に新しい。
失敗から学んだ4年目の結実は150cm、26.4kg
恒例の正月釣行で日本記録をキャッチ
昨年釣った魚の1尾1尾が思い出ですが、インパクトもサイズも大きいのはやはり宮崎のサーフで釣った150cmのオオニベです。
宮崎には何度も釣りに行ってますが、オオニベのハイシーズンの1月に恒例として釣行するようになったのは2017年から。3年通って、時合いは朝マヅメや干潮前後、満潮前後の潮変わりのタイミング。ポイントは離岸流などで掘れた地形変化。グチ(シログチ)がさしてくるとオオニベもグチを追って入ってくる、というのがわかりました。
そして4年目の2020年。2日間の実釣で釣ったのは2日目、1月16日です。朝マヅメはグチがルアーにボコボコ当たりだすと、同行者がサーフブレイカースリム108S(DAIWA)でメーター超を獲りました。僕はダメでしたけど、次の時合いは10時半の満潮前後。そのタイミングを虎視眈々と狙っていました。
ルアーは朝マヅメはミノーやシンペンなどボリュームのあるものが効きますが、日が昇るとメタルジグやメタルバイブレーションなどコンパクトなルアーの実績が高い。ただ、鉄板系を巻くとグチがスレがかりしてチャンスを逃すので、僕はメタルジグをセレクト。着底後、2段シャクリのようにチョンチョンッと2回跳ね上げてフォールを繰り返しながら回遊を待ちました。
そして10時20分頃、グチの触りを感じた直後に喰ったのがこのオオニベです。実は17年の釣行で初日の実釣開始10分で20kgクラスをかけたことがあるんです。そのときは沖に走られて、止まってからはポンピングで暴れられながらも寄せることができたんです。ところが波打ち際でドタバタとローリングされて外れてしまった。ローカルのアングラーにはやっぱりね、と言われました。
要はドラグを強めに効かせながら走らせて、十分に体力を消耗させてから寄せないといけない。でかいのはファーストランで200mくらい走ります。でも止まったらそれ以上は走らせない。走りそうになったらハンドドラグで動きを封じて、25分かけてキャッチしました。あの失敗があったから獲れた1尾と言えます。
後日、JGFAのラインクラス別日本記録に認定されましたが、宮崎にはもっと大きなオオニベがいます。今年は緊急事態宣言が発出されて釣行を控えましたが、来年こそはさらなる大物にチャレンジしたいですね。
HITパターン
2回跳ね上げてフォール。即アワセは厳禁
遠投して着底したらチョンチョンッと2回跳ね上げて再着底を繰り返し、波打ち際から最初のブレイク付近で喰いました。跳ね上げ直後のバイトが多く、アタリはティップを叩くようにドンッと出ますがアワせない。即アワセはルアーが小さいから口の外側に出てバレやすくなります。向こうアワセを待ち、走り出したら追いアワセを入れて口の中にしっかりかけます。
HITルアー
鮃狂・ヒラメタルZ32g ヒラメピンクマーブル(DAIWA)
フック、リングを強化し怪物を迎え撃つ
ヒラメタルZは良く飛んで巻きでも使えますが、グチのスレがかりを防ぐ意味でもリフト&フォール。カラーは発色の良いピンクが自分の中では実績が高いです。フックは太軸に交換。リアはロングシャンクのRB-H#6(がまかつ)。フロントはショートシャンクのST-56#6(オーナーばり)。リングも標準装備と同サイズの強化リングに交換しました。
【スペック】
●全長:62mm
●本体重量:32g
●価格:1,078円(税込)
使用タックルデータ
ラインはリールのスペックを超える400mを巻きでファースストランに備える
【スペック】
●ロッド:オーバーゼアAIR 1010M/MH
●リール:セルテートLT4000-CXH
●ライン:モアザンEX12ブレイド1号
●リーダー:モアザンEXリーダータイプF30lb(すべてDAIWA)
オーバーゼアに関する記事はこちらもチェック!
『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報
『ルアーマガジン・ソルト 2023年5月号』
今号の特集企画は盛りだくさん!「春イカ」「アジング」「ロックフィッシュ&ロックショア」「シーバス」の4つのテーマを徹底詳細!
このほか、小沼正弥さんの代名詞でもあるレバーブレーキ理論をまとめた企画や、村田基さんが登場する「インショア」企画、さらに春は旅の季節ということで特別企画「極上の釣り旅」も紹介してきます。
『ルアーマガジン・ソルト2023年3月号』は全国の釣具店・書店・Web通販サイトでお求めいただけます。
- 発売日:2023年3月21日
- 定価:1,500円(税込)